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【日本選手権競輪】「レース勘不安の古性、らしくない競輪が続く松浦」木村安記×大津昌広 場立ち予想屋対談・前編

2023/05/02 (火) 09:01 17

2日から始まる日本選手権競輪、通称ダービー。春の大一番を攻略すべく「ウマい車券」でおなじみの場立ち予想屋、木村安記さんと大津昌広さんが登場。日本選手権競輪の傾向からS級S班採点、そして優勝&穴候補まで…忖度なしの対談ならぬ放談をお届けします。(取材・構成:netkeirin編集部)
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ーー日本選手権競輪の攻略企画ということで急遽集まっていただきありがとうございます(対談日4月26日)。

木村 今日は言いたいことを言っちゃうよ!

ーー大人の事情もありますので…マイルドな感じでお願いします。

大津 ダービー前は気分が落ち着かないよね。今日は木村さんと話せるので楽しみですよ。

ーーさて、伝統のGI日本選手権競輪が2日から始まります。予想屋としてどんな事に注意をしていますか?

木村 FIの3日間や記念の4日間と違って6日間開催のダービーは選手の調子が大事。1日走ったら2日休みの選手もいるから、調子の見極めを普段以上に気をつけて予想しています。

大津 リズムを崩す選手もいますよね。あと、これはない方が良いんですけど…落車してしまった選手が翌日以降も走る場合です。GIだと賞金や点数が違うので、FIや記念だと欠場するところを、無理して乗ってきちゃう可能性がありますよね。

木村 負け戦でも無理して乗るでしょう。優秀戦が1着182万9千円、順位決定が374万1千円。順位決定は記念の優勝クラスだよね。

大津 本命サイドの選手だと予想する方は悩ましい。調子は選手本人しかわからないし。

木村 頑張ってnetkeirinが選手に話を聞いてくるしかないよ(笑)。

ーーお二人とも30年近く日本選手権競輪を見ているわけですが、どんな傾向のレースですか?

木村 ダービーとオールスターはラッキーじゃ獲れない。大津さん、1991年に坂巻正巳が獲ったでしょ。でもあの時、誰も坂巻って言っていなかった。あの年ぐらいじゃないかな「買えねえな」と思ったのは。

大津 全日本選抜競輪や高松宮記念杯はポロっと獲っちゃう人がいるんですよ。金古将人や村本大輔とかね。まさか逃げると思っていなかった選手が逃げて、普段は喰えないのにちょっと差しちゃったとか。

木村 ダービーは力のある選手が全集中で仕上げてくるレース。力のない選手が全集中で仕上げてきても、敵わないという図式になりますよね。

大宮・西武園で場立ち予想を行う木村安記

日本選手権競輪決勝 過去10年の結果

開催年優勝2着3着
22年脇本雄太佐藤慎太郎守澤太志
21年松浦悠士郡司浩平佐藤慎太郎
19年脇本雄太清水裕友菅田壱道
18年三谷竜生村上義弘脇本雄太
17年三谷竜生桑原大志浅井康太
16年中川誠一郎吉田敏洋渡邉晴智
16年村上義弘川村晃司新田祐大
15年新田祐大平原康多浅井康太
14年村上義弘武田豊樹深谷知広
13年村上義弘深谷知広山崎芳仁
12年成田和也山崎芳仁園田匠

大津 16年ってなんで2回あるんでしたっけ?

木村 これを期にダービーがゴールデンウィークになったんだよね。3月のダービーは2015年開催だった。年度で区切っただけ。

大津 そうか。やっぱりダービーは実力者だよね。勝ち上がりの関係もあると思いますが、伏兵が出てこない。

木村 2017年の三谷竜生は獲るべくして獲った感があるし、中川誠一郎も穴だったけど実績があった。新田祐大もSSじゃなかったけど、SSを経験していたし、伏兵はいないよね。

大津 成田和也が獲った時もSSでしたよね。成田と山崎芳仁が外と内で現地集合したレース。山崎が2センターで外に膨らんじゃってね。内に成田で園田匠も同じコースに来たんですよね。

木村 そう、もうちょっと突ければ園田が絶対に伸びた!

大津 川村晃司なんかも数年前まではGIの決勝に乗っていたんだね。時代は早い。10年前と同じ舞台で戦っている慎太郎とか平原ってすごいですよ。

木村 僕、昨年のダービー決勝で「ウマい車券」デビューしたんです。配当は万車券ですし、予想屋としては会心の一撃ですよ。だけど、僕は脇本に対して思い入れが無い。それより配当は全然安いんですけど、渡邉晴智が地元優勝した2008年。当時山ちゃん(山崎芳仁)がバリバリで、並びは山崎ー渡邉ー合志正臣。競輪場に行っていた僕のお客さんに聞いたら、レース前から「山崎、頼むって」みんな泣いていたとか。

大津 これ、山崎の早捲り?

木村 そう、これ車単が美味しいんですよ。2,280円。準決勝もドラマチックで絶対絶命の4番手から内に行ってね。

大津 山崎って4.50の大ギアの時代ですよね。他の選手も山崎に対抗するため上げだして、その後に規制が入ったんですよね。自分は村上義弘が勝った2016年。三谷ー川村ー村上の並び。三谷が赤板から記念で地元選手の引っ張るかのように流さず逃げて、後ろが離れたんです。

木村 川村も強かったからゴール前勝負になってね。

大津 動画を見て欲しいんだけど、村上の仕事がすごかった。竹内雄作のロング捲りを止めて、真後ろの新田も止めて、インが空いたところを岩津裕介が来てときには締めて。結果だけ見えると番手捲りの後ろで恵まれての優勝と思うけど、全然違う。心の底から強いと思った。

平塚・小田原で場立ち予想を行う大津昌広

木村 ダービーと言えば義弘! お兄ちゃん、良い選手だったな〜(涙)。何で今の競輪はああいうファンを感動させる選手がいないんだろうね。

信頼おける古性、”らしさない”松浦は心配

ーー過去の日本選手権競輪を振り返ると「フロックは少なく、実力と実績のある選手が勝つレース」ということがわかりました。そこで次は競輪界のトップS級S班9人に注目していきます。あらかじめ10点満点で採点いただきましたので、こちらを基に語っていただきましょう。

選手名木村安記大津昌広
古性優作10点10点
松浦悠士5点6点
脇本雄太9点9点
守澤太志6点7点
新田祐大8点8点
郡司浩平4点6点
佐藤慎太郎9点9点
新山響平8点7点
平原康多5点5点

※採点は10点満点

ーー獲得賞金順で行きましょうか。まずは古性選手です。2月のGI全日本選抜競輪で優勝。和歌山、豊橋、大垣の記念で2着と活躍が目立ちました。

木村 新田を捌いた全日本選抜競輪の決勝は古性優作という選手を体現したレースだった。1月の立川記念で郡司を捌いた新田を返り討ちにしたんだから、誰も喧嘩を売れないよね。しかも、最後に差して勝つんだから。10点満点しかつけられない。

大津 脇本がいなくても強いですよね。

木村 自力でも番手でも強いし、ラインの競走ができる。「喧嘩を売る奴は許さないよ」という精神力も良い。

大津 3月のウィナーズカップは崩れましたが、それまで18走して10勝2着7回。連に絡めなかったのは1回でそれも失格ですからね。トップレベルでこの成績は驚きです。僕も10点満点にしましたが、唯一心配なのは、4月の小田原記念を欠場したこと。調整を優先させたのか体調的なものなのか気になります。真面目そうに見えるし、GI前でも欠場しそうにないタイプだから余計にね。

木村 レース勘が心配だけど、気づけば最終日の最終レースで走っていそう(笑)。

古性優作(photo by Shimajoe)

ーー次は松浦選手。netkeirinで連載中のコラム「松浦悠士の“真っ向勝負!」でも書かかれていましたが、苦しい時期が続いていたようで。お二人の点数、少し辛くないですか?(汗)。

木村 年明けの和歌山記念を当日欠場したけど、悪い流れは年末のKEIRINグランプリからだと思う。新田に勝負を仕掛けて競り負けてしまった。競輪って一つのしくじりが後に引くんです。豊橋記念、全日本選抜競輪、松山記念は準決勝敗退と良い所が無かった。ウィナーズカップは優勝したけど、脚を使っていないのは松浦だけなんですよ。

大津 脇本のインからしゃくったレース。

木村 脇本が外に動いてインが空いて、周りも力を使い切る中で勝てたレース。もう1つ気になるのがダービー直前の武雄記念。松浦って9着が無い選手なんです。ところが武雄の初日特選は9着だった。まだ、リズムが良くないのかなって。ウィナーズは優勝したんだけど、らしさがない。

ウィナーズカップ決勝。松浦(2番・黒)は空いたインを突く(photo by Shimajoe)

大津 先ほど木村さんが言っていたように松浦選手って大きな着が少なく、確定板率が高い選手なんですけど、今年は平気で格下に負けてました。武雄も戦っての9着じゃない。中団から脇本より先捲りをちょっと仕掛けただけで、早々に諦めているように見えました。外を捲れなくても、内をキメてそこから我慢して直線踏み込むのが松浦選手の特徴ですが、らしくなかったですよね。

 ウィナーズ前までは3点の評価でしたが、その後の玉野記念、高知記念と着をまとめているので6点。ですが、武雄の準決勝の落車が心配ですね…流れが悪い時ってこういう事が起こりがちなんですよね。

ーー3番目に紹介するのは競輪界最強の脇本選手です。2月の奈良記念から持病の腰痛が出てしまいました。

木村 腰痛という爆弾を抱えながら、記念を三つ優勝。武雄では地区違いの選手をしっかり連れてくるように番手の選手にも貢献しているし、後方から捲っても勝つ。全日本選抜競輪と高知記念、ウィナーズは腰痛を引きずってのレースなので仕方ないと思う。ただ、腰痛で体調万全じゃないということで、9点にしました。

大津 ぴったり一緒ですね(笑)。武雄では雨が降る中でバンクレコードで走っていますから。腰痛を抱えていてもすごいですよ。

脇本は直前の武雄で完全優勝を飾った(撮影:北山宏一)

ーーファンの間でも話題になる後方捲りについてはいかがですか?

木村 ナショナルチームでバリバリやってた34歳が今から抑えて駆けるっていうのはできないですよ。ラインで決める時は決められる選手ですから、KEIRINグランプリだって番手の古性とワンツーを決めているわけですよね。武雄の坂本健太郎だって脚は無いけど2着に来た。

大津 強かったKEIRINグランプリは打鐘から仕掛けてロング捲りを放ち、3コーナーで出切るんですが、腰痛が無ければあの競走ができるんですから、普段も早めに仕掛けたいのかな。

木村 じゃないですかね、やっぱり。

大津 腰に負担がかからないよう、長い距離を踏まなくても良い仕掛けにしているんですかね? GIIIなら打鐘から仕掛けても毎回勝てると思うんですよね。その方が後ろも付きやすいと思うんですけど。

木村 豊橋記念の決勝は早々に逃げたからね。

大津 脇本って一種独特のタイミングってあるじゃないですか。10車身ほど後ろから前を泳がすだけ泳がしておいて、2コーナーから場合によってバックから捲る戦法は腰に負担をかけないためなのかと、気になります。

木村 (netkeirin編集さん)脇本選手のコラム担当でしょ。今度聞いてきてよ(笑)。

対談の後編ではS級S班の残り6人と優勝&穴候補を発表。気になるあの選手の評価は? そして二人が穴で面白いと語った選手は?

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