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【全日本選抜競輪】南関のエース・郡司浩平「仲間と一緒にグランプリへ」/特別インタビューVol.1

アプリ限定 2023/02/21 (火) 18:00 24

4年連続S級S班として戦う南関東地区のエース・郡司浩平選手の特別インタビュー(全3回)をお届けします。第1回目となる今回はS級S班としての心境変化や今の状態、全日本選抜競輪への意気込みについて。記事内の写真はすべてnetkeirinの撮り下ろし!「スペシャル待ち受け壁紙」や「サイン入りチェキ」のプレゼント(※)もありますので、ぜひ最後までご覧ください。※壁紙のダウンロードおよびサイン入りチェキへの応募はnetkeirinアプリ(無料)のインストールが必要です

S級S班として堂々と構えられるように

ーー最初に「KEIRINグランプリ2022」を振り返ってみていかがでしょうか?

郡司 昨年のグランプリは万全の準備ができました。体調面もレースに向かう気持ちもピークにもっていけましたし、単騎でも十分にチャンスがあると考えていました。その上で3着だったので、現状の実力では優勝できないと受け止めるしかない結果です。優勝じゃなければ意味がないので、今は何が必要なのかを考えて取り組んでいます。レースから得た反省材料があったので、次に繋がるグランプリだったと思います。

ーーS級S班として4年目を迎えました。過去の年と比べて心境に変化はありますか?

郡司 去年と今年を比べるとあまり心境変化はないんですが、SSになって初めての年と今年を比べると、だいぶ違いがあります。バランスというか兼ね合いというか。そのあたりを把握できるようになっています。

ーーバランスとは?

郡司 初めての年は、「自分のスタイルを変えずに貫きたい」という気持ちが強かったです。でも、SSとして走る責任やお客さんからの目線を実感して、スタイルを崩してでも勝負に徹さなくてはならない時があると理解しました。もちろんその逆も然りで、結果だけではなく、内容こそ問われる場面も出てきます。そういった中で自分のスタイルをどのように貫くのか、どのように求められる走りに応えるのかを考えてきましたし、そのバランスを見極められるようになってきたと思います。

ーー“SSの責任”という言葉もありますよね。

郡司 それですね。初めてSSになった年は、責任にプレッシャーを感じ、マイナスに捉えることも数多くありました。でも年を重ねてみて、「その立ち位置での構え方」を理解できるようになり、ある程度の自信もついてきました。マイナスに考えていた“SSの責任”も、今ではプラスに感じています。メンタルコントロールができるようになった今、SSの重みを感じながらもドンと構えていられる気がしています。

ーーS級S班よりも上位の級班はありませんが、その状態は自信になるのでしょうか?それともモチベーション維持が難しい側面もあるのでしょうか?

郡司 いえ、級班は自信やモチベーションにあまり関係ないです。GIもそうですし、グランプリもそうですし、獲りたいタイトルに自分が思う“高み”があります。そこを目指して頑張るだけなので、SSになる前もSSになってからも、所属級班によるモチベーションの上下はありません。

ーー昨年の川崎記念では松浦悠士選手と同着優勝でした。松浦選手が連載コラムの中で「改めて郡司君とはライバルだなあ」と綴っています。郡司選手から見て松浦選手はどんな存在ですか?

郡司 松浦君をライバルと言うのはおこがましいですが、意識してしまう相手には違いないですね。自分と松浦君は体の大きさも似ていれば、レースへの取り組み方も似ている部分があります。普段は「同い年のライバル」なんて意識はないです。でも、いざこうして聞かれると、気持ちのどこかで特別意識を向けている存在だなあ、と実感しちゃいますね(笑)。

ーー「宿舎のお風呂で郡司君とよく顔を合わせる」とも書かれていました。

郡司 それ、あります(笑)。自分はウォーミングアップ前に体を温めて動きやすくしたいので風呂に浸かるんですが、松浦君とはしょっちゅうタイミングが合うんですよ(笑)。多分これも考え方や行動が似ているからです。

 ーー風呂場でバチバチしたりする雰囲気には?

郡司 ないです、ないです(笑)。「お、いたの?」とか「これから?」とか声を掛け合っています。レースでは戦いますが、それ以外では普通の会話をしていますよ。

南関地区の仲間とグランプリを目指したい

ーー今年に入って強化しているポイントはありますか?

郡司 スピードや持久力といった誰しも強化しなくてはならない部分は自分も真剣に取り組んでいます。ただ年明けの立川記念決勝がかなり悔しくて。自分の位置が奪われてしまい、後退したことでラインに迷惑をかけてしまいました。あのレースは「自分の余力を残しておきたい」という気持ちの甘えから対応が遅れたんです。これから技術を磨かなくてはいけないですし、メンタル面で「対応力」も強化していきたいです。

ーー郡司選手が理想としている走りは?

郡司 理想と言われると特になくて、レース毎に納得できる走りを求めている感じです。でも出し惜しみしたり、行くべきところで行けなかったりすることがあるので、常に「すべて出し切る走り」を目指していますね。自分の力を余すことなく使い切るようなレーススタイルを追求していきたいです。

ーー得意なバンクや好きな季節はありますか?

郡司 自分は得意が変わるんですよね。昔は軽いバンクが好きで小倉は走りやすい感覚がありました。夏のスピードが出るバンクも好きでしたし、自分のスタイルに合っていました。でも最近は真逆とまではいかないまでも、風が強い冬の重いバンクに強みを出せることが多いです。時期によってまちまちで、なかなか絞れないですね。

ーー「得意が変わる」ですか。

郡司 はい。これは自分の走りだけに原因はなくて、選手間にスピード差がなくなっているからだと思います。軽いバンクが好きだった時代はスピードで勝ちたいというレースが多かったです。でも今はスピードを武器にしている選手が多いので、スピード差だけではそこまで違いが出せないんですよね。

ーーちなみに1月を振り返ってみて状態はいかがですか?

郡司 まったく悪くない状態です。練習以上に力が発揮できたレースもありましたし、もっと力を出せたはずの場面もありました。感覚的ですが、今は80点くらいの状態でしょうか。全日本選抜までに残りの20点を仕上げていく感じです。

ーー1月、大宮記念は深谷知広選手が優勝しました。決勝では前を走る郡司選手が積極的に主導権を奪いに行きました。今後は深谷選手と郡司選手が連係する際の「前後」に注目が集まると思います。

郡司 まだまだ自力を出して戦いたい思いがあります。大宮記念はしっかりと仕掛けることができましたし、深谷さんの優勝は嬉しかったです。過去に深谷さんと連係する番組で自分が前を回りたいと話した時に、そのタイミングではなかったことがありました。深谷さんとは話し合いもしていますし、いつも「どうする?」と気持ちを確認してくれますが、昨年の深谷さんは前を走りたい気持ちが強く、決めていた部分もあったと思います。

ーーこれからのレースで深谷選手と郡司選手が連係する際は前後も楽しみにしています。車券予想にも大きく関わることですし、ラインのストーリー的な面でも興味深いです。

郡司 これからは対戦相手によって、レースによって、その都度最適な判断で前後を決めていきたいです。深谷さんは自分だけではなく、渡邉雄太や大石剣士といった後輩選手の番手を回ることで「深谷さんの前で頑張りたい」という気持ちを受け止めているはずです。自分と深谷さんだけでなく、同県同地区で切磋琢磨している選手同士の連係にも注目して欲しいですね。ラインとして戦法の幅が広がることで、より強みを活かして走れると思っています。

ーー南関東地区に対する思いは?

郡司 昨年のグランプリは単騎の戦いになりましたが、自分にもチャンスがあるはずだとレースに向かいました。でもレース後にはラインで連係すればもっと違う戦いができたはず、と課題を見つけたような気持ちも覚えたんです。南関の選手たちと一緒にGIを勝ち上がり、仲間とグランプリに行きたい気持ちが今年は一層強くなっています。

ーー今年の目標を教えてください。

郡司 もちろんGIの優勝が目標ですし、そのために今も取り組んでいます。来る高知の全日本選抜も状態をピークにして挑むつもりです。今年は平塚で日本選手権もありますし、そこに向けても特別気持ちを入れて準備しています。

いざ全日本選抜競輪へ! 平常心の中に“プラスα”を足して

ーー全日本選抜競輪は2021年に地元川崎で優勝しています。タイトルホルダーとしての自信やプレッシャーはありますか?

郡司 タイトルホルダーとしての自信や重圧などはまったく感じてなくて、フラットな気持ちですね。過去は過去と捉えていますし、今年の全日本選抜は今年の全日本選抜です。さきほど状態は80点と言いましたが、仮に20点だろうが40点だろうが、100%の状態でシリーズに入ることだけに集中しています。

ーー開催地となる高知競輪場のイメージはいかがでしょうか?

郡司 この前の大宮記念がとても走りやすかったので、500バンクのイメージはいいです。同じ500でも高知は400に近いバンクですし、さらにやりやすいと思います。とは言っても500なので仕掛けのタイミングが遅くなるレースがあったり、ピッチが上がっても一旦緩んだりと起伏も生まれます。そういうレースは好きなので楽しみですね。

ーー年の初めの大舞台で勝つために必要なことはなんですか?

郡司「年が明けて最初のGIだから」と気負わず、平常心で臨むことが大事だと思います。でもその中に「絶対に獲るぞ」という強い気持ちが必要です。平常心プラスαというか。GIならではの張り詰めた空気を受け止めて、適度に緊張感を保つことも重要だと思います。しっかりと緊張感を持っていないとレースに気持ちが入らないんですよね。

ーー優勝したら賞金で買いたいものはありますか?

郡司 時計ですね。時計は好きですし記念にもなるので、GIを優勝したら買いたいです。

ーー全日本選抜を楽しみにしているファンのみなさまにメッセージをお願いします。

郡司 今年最初のGIで良いスタートが切れるように、悔いのない走りができるように、精一杯頑張ります。レースを楽しみにしていてください!

ーー郡司選手ありがとうございました。

郡司 ありがとうございました。

ーー郡司選手の人柄やルーツを探るべく、ほかにも質問を用意しているのですが、もう少し話を聞かせてもらえますか?

郡司 もちろん大丈夫ですよ。人柄がわかるような質問? どんな感じでしょうか。

ーーどんな子どもだったのか、とか学生時代に打ち込んでいた野球の話などです。少し話を広げて初恋なんかも聞いてみたいかもしれません。

郡司 野球にはルーツがあるのでわかるんですが、初恋とかってなんですか(笑)。

ーーちなみに初恋はいつですか? 小学生時代ですか?

郡司 いえ、もっと前です。幼稚園のころですね。先生が初恋の人です。きれいな人でした。

ーーお答えいただきありがとうございます(笑)。それではインタビューを続けさせていただきます。

郡司 お願いします。今日は競輪の話しかしないと思って来ていました(笑)。


次回(第2回)は野球漬けの日々を過ごした学生時代のエピソードを中心に郡司浩平選手のルーツをお届いたします。※3月7日(火)18時00分公開(予定)

カメラマン:飯岡 拓也
Hair & Make-up:堀川 知佳
取材・文:篠塚久(netkeirin編集部)
企画・構成:伊藤千裕(netkeirin編集部)
(取材日:2023年2月7日)


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