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鈴木誠のハイブリッド展望

【鳳凰賞典レース予想】5車で連係した南関東ライン! 展開の良さに加えて強固な絆も味方につけた郡司が今年最初の記念大会を制する!/鈴木誠の展望

2023/01/07 (土) 12:00 7

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は立川競輪場で開催されている鳳凰賞典レースの決勝レース展望です。

5車のライン攻略は不可能? 捲りで一発を狙う自力型の選手たち!

 新年あけましておめでとうございます。今年も選手の心理だけでなく、初日からの状態面も見定めながら、皆様の予想に役立つ情報をお伝えしていこうと思います。今年もよろしくお願いいたします。

 競輪グランプリの後の年末年始も、全国各地の競輪場で開催は行われていました。ちなみに三が日の競走に出走した選手たちには、正月手当が支給されています。

 ただ、宿舎の食事はどの競輪場でも普段とそれほど変わらなかった印象があります。【鳳凰賞典レース】が開催されている立川競輪場の宿舎ですが、新年最初の開催と言えども、さすがにおせち料理は出ていなかったよな、と思い返していました。

 毎年1月に開催されてきた【鳳凰賞典レース】ですが、自分は過去3回優勝(91年後節、92年前節、00年)と相性のいい大会でした。これは冬の立川バンクといった、この時期ならではの空気の重いバンクを得意としていたことや、見なし直線の長さも自分の走りに合っていたのではと思います。

 ただ、風によってはいっそうバンクの重たさが増していきますが、特にその影響を受けるのが先行選手たちです。

 今大会では初のSS班として臨んだ新山選手が準決勝に進めなかっただけでなく、3日目の特選ではバックと取っていきながらも、ゴール前で交わされて3着に敗れています。

 ただ、新山選手と同じ自力型では、準決勝で突っ張り先行を見せた松井選手が2着に残していますし、北津留選手も準決勝では8番手からの捲りで2着となっています。

 初日の特選から3連勝の新田選手や、準決勝でそつのない走りを見せた郡司選手の走りからしても、年末から好調を維持している選手たちが、今大会でも結果を残していると言えそうです。

 決勝の並びですが、5人が勝ち上がってきた南関東ラインは松井選手を先頭に郡司選手-和田選手-岡村選手-高橋選手と、その5人での連係を選択しました。北日本ラインは新田選手-佐藤選手となり、佐々木選手と北津留選手は単騎のレースとなっています。

 これは4番手の岡村選手、5番手の高橋選手ともに、自分の役割をしっかりと分かっているのが大きいと思います。特に高橋選手はこれが初めての記念の決勝となっただけに、ラインの仕事をしたいとの思いは強いはずです。

 こうなると優勝に最も近いのは、松井選手の番手を回る郡司選手となります。先ほども書いたように、郡司選手は競輪グランプリからの出来の良さを、そのままこの大会に持ってきたような印象も受けます。

 スタートは1番車に新田選手が入った北日本ラインが取るのか、もしくは2番車に郡司選手がいる南関東ラインが取るかですが、郡司選手が取ってしまえば、そのまま松井選手の突っ張り先行が濃厚となります。

 車番通りに新田選手が前受けをした場合は、その後には佐々木選手、北津留選手と単騎の2人がつける形となります。5番手となった松井選手は、そこからかまし先行となりますが、どちらの展開になったとしても、郡司選手の勝利は揺るがないでしょう。

 これは横の動きが強い郡司選手に対して、新田選手、佐々木選手、北津留選手は、その横で粘り込むようなレースはしてこないからです。しかも、内を付いていこうにも、岡村選手も高橋選手がそうはさせじと、しっかりとインを固めているはずです。

 もし、松井選手が突っ張り先行をした際には、6番手となった自力型の選手が、捲りで一発を狙っていくのでしょうが、それでも、かかりきった郡司選手を交わし切るのは難しいと思います。

 こうなると2着候補は、郡司の後ろを回っている和田選手が濃厚となります。マーク屋らしく、郡司選手の仕掛けにもしっかりと付いて行けますが、番手の仕事を意識しすぎて伸びを欠いた時には、捲ってきた新田選手、北津留選手、佐々木選手に交わされることもあり得ます。

 競輪グランプリは3着だった郡司選手ですが、その時の悔しさを晴らすようなレースを、この決勝では見せてくれるに違いありません。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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