2022/12/23 (金) 15:00 22
28日より平塚競輪場で開催される「KEIRINグランプリ2022」のレース展望をお届け! 出走は16時30分発走予定。
今年もGIタイトルホルダーに賞金上位者が加わる競輪界の最高峰「KEIRINグランプリ」がやって来た。歳を重ねると1年の周期が加速度的に早く感じる。GIシリーズは2月の全日本選抜競輪にKEIRINグランプリ2021覇者の古性優作が。続く5月のダービー(日本選手権競輪)を脇本雄太が。6月に古性が地元岸和田の高松宮記念杯V。両方の優勝は脇本不在だった。8月のオールスター競輪は脇本雄太が完全優勝。ここまでは近畿コンビのたらい回し状態に…! しかし、10月の寛仁親王牌では新田祐大が優勝して史上4人目のグランドスラムを達成。11月の小倉競輪祭は新田祐大の男気先行で新山響平が初タイトルを手中にした。振り返れば近畿コンビが2回ずつで4回。東北勢が2回。明らかに“西高東低”になっているわけだ。
GIシリーズで印象に残っているのは西武園競輪「オールスター競輪決勝戦」だ。逃げ有利、まくり不利のバンクを力で制した脇本の走りは今でも忘れない。レースは寺崎浩平が突っ張り先行に出た。だが、寺崎の後を松浦悠士が内をすくい分断されてしまった。この時点で脇本雄太は車を後方7番手に下げてしまう。中団は東北勢で大ピンチ。必勝体制に入った松浦が、2コーナーから番手まくりに打って出た。「松浦、優勝」と見えていたが、ゴール寸前、脇本がまくり強襲の離れ業を演じた! ビッグモンスターの強さをまざまざと見せつけられた一戦だったね。
グランプリ出走選手の車番が決まり並びも決定。
1番 古性優作 2番 郡司浩平 3番 新山響平 4番 守澤太志 5番 松浦悠士 6番 平原康多 7番 新田祐大 8番 佐藤慎太郎 9番 脇本雄太
⑨脇本雄太-①古性優作の近畿コンビ、単騎の②郡司浩平、⑤松浦悠士、⑥平原康多、東北勢は4車結束で③新山響平-⑦新田祐大-④守澤太志-⑧佐藤慎太郎の並びとなった(⇦⑨①・②・⑤・⑥・③⑦④⑧)。
初手は古性が取り脇本の前受けになろう! 単騎勢の郡司、松浦、平原が中団で様子をうかがう。東北勢の並びが新山、新田、守澤、慎太郎さんとなり、いささかタマゲタが…。いずれにせよ、新山が押さえ中団は単騎勢。脇本は全部引いて8番手からになる。新山が隙をみせ流せば…。ジャン辺りから一気に巻き返し新田の出鼻を挫くってわけだ! これなら古性の逆転も少々あるぞ①=⑨。
「ラインから優勝を」の思いで新山がフルスロットル先行に打って出る。新田は脇本を引き付けずに出て行けば、実質番手の守澤が差し脇本との④=⑨。この展開なら脇本の不発も考えられる、その時には守澤の突き抜け初V。ここは④流しでいっていい。
そうそう、3年連続4番車がグランプリ覇者だよ!ラッキーカラー4番車は…。なんと差し脚光る守澤だ! 4番車がグランプリ4連覇あながち無いとは言えねぇ!
さて、妄想にとりかかるとするべ。あるとすれば地元で気を吐く郡司になる。展開は逃げる新山の番手へ飛びつき勝負。初出場の新山は余裕がなく逃げるのみ。番手奪取の郡司は脇本に合わせバンマクを打つ。この時には単騎の松浦と平原が乗っているはず!
って事で、妄想先取りの〆は単騎3人ボックス②⑤⑥になるね。
読者の皆さま、今年もめげずにお付き合い頂き、ありがとうございましたm(__)m
グランプリゲットで良いお年をお迎え下さい!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。