2022/12/17 (土) 12:00 18
12月13日にガールズケイリンのリブランディング第3弾が発表された。
大きくはガールズグランプリを頂点としたストーリー作り。2023年度は3つの大会の優勝者が、グランプリの出場権を得る。
6月岸和田の高松宮記念杯の時に行われる「パールカップ」、10月「オールガールズクラシック」(開催場は後日発表)、11月小倉競輪祭の時に行われる「競輪祭女子王座戦」だ。競輪祭のトライアルは2つのシリーズで2人の優勝者だったが、1つになる。
初期からのガールズコレクションは徐々にその役目を終え、2024年度にはなくなっていく。これまでは選手数の問題もあり、“できることをやる”ことがすべてだった。200人という大きな目標がようやく見えてきて、待ち望まれたストーリー化が実現した。
では、GI格に設定されるこの3つの大会が何をもたらすのかーー。
目に見える形で大会が設定され、目に見える対価としてのグランプリ出場権が与えられる。具現化されたストーリーの提出だが、真実はその裏側にある。このビッグレースを勝つものに向けられる眼差しに、この制度が生まれたことの意味がついてくる。
この大会を目指し、汗と涙を流すガールズケイリン選手たちの姿は浮き彫りになる。今でもその戦いぶりは胸を打つものだが、対価の高さがそれを争う者たちの実像をより鮮明にする。応援するファンからしても、その一戦にかける思いは爆裂に上がる。
選手たちの目指す舞台や、得られる価値といったもの以上に、今回の制度化はファンのためのものだ。「この大会は誰が」「今度は誰が」「次こそは」。ファンの胸をときめかせる引き金に指がかけられた。明らかに、2023年度が楽しみになる。
2023年度のオールスターのレースはガールズドリームレースとアルテミス賞レースがこれまで同様に行われる。2024年度は「女子オールスター競輪」としてまたひとつ別格のものに生まれ変わる。ガールズ選手からすれば「このレース、勝ちたい! 走りたい! 」と強く思うものだろう。
そしてさらにいえば、そこで輝く選手たちを見て「私もなりたい」とガールズケイリンの選手を目指す人たちが増えることにもつながる。それは大きな力を生む。
もっと早くできていれば…と思わなくもないが、今はただ今回の発表に胸躍らせるものとして喜びたい。現在、ボートレースの女子レーサーたちの活躍はあまりにも素晴らしい。きらびやかで、またファンからの支持、売り上げを見ても、競輪側から見てうらやましいものがある。
そのレベルに追い付く一歩があり、またその先の可能性を…と思う。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。