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鈴木誠のハイブリッド展望

【いわき金杯争奪戦予想】能力の違いを見せつけている森田選手が、朝倉選手を目標に今年の記念初制覇を狙う!

2021/02/28 (日) 12:00 1

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回はいわき平競輪場で開催されているいわき金杯争奪戦の決勝レース展望です。

地元の期待に応えた郡司選手

 まずは【全日本選抜競輪】を振り返りたいと思います。予想通りに静岡に移籍した深谷選手が早めに仕掛けたことで、その後ろを回っていた地元の郡司選手が、見事な番手捲りを決めました。

 残念だったのは、調子が良さからしても、決勝でどんなレースを見せてくれるかと思っていた清水選手です。スタールビー賞とほぼ同じメンバーであり、しかも、深谷選手が先行する展開も想定していたとは思うだけに、道中はもう少し抵抗してくれていれば、また違った結果になったのではと思います。

 それでも、勝った郡司選手はレース内容も素晴らしかったですし、南関地区で行われたGIで、地元ファンの期待に応えてみせました。郡司選手はグランプリに向けて余裕を持って走れるだけでなく、調整もしやすくなるはず。今後の特別競輪でもラインを生かした走りを見せてくれそうです。

力の違いは歴然

 今回、【いわき金杯争奪戦】の行われるいわき平競輪場は、2006年にリニューアル工事を行ったこともあってか、とても綺麗なバンクです。しかも、バンクの内側からファンの皆さんがレースを観戦できるので、競輪の臨場感を感じてもらうこともできます。ただ、この時期は寒さもあってか、脚も重く感じますし、400バンクで直線も長いので、先行選手は大変だと思います。

 関東の4人がどう並ぶかにも注目していた、決勝の並びですが、朝倉選手-森田選手-河野選手がラインを組み、隅田選手は単騎の競争を選択しています。

 北日本コンビは地元の飯野選手の後ろに庄司選手が付け、近畿ラインは村田選手の後ろに鷲田選手-西岡選手が並びました。村田選手は追込ではありますが、ジカ付けに行くといったコメントも聞かれてませんし、ラインの切れ目か、勝負どころで番手の追い上げ、もしくはイン粘りをしてきそうです。

 スタートを取るのは、隣にいる飯野選手よりも速くいけそうな森田選手かと思います。徹底先行のいないレースであり、関東ラインの3人は抑えて駆けるよりも一度引いて、外からかました方が、分断される恐れもなくなるからです。

 村田選手はジカ付けに行かず、ラインの切れ目も取れないとなると、関東ラインの後ろに付けた、北日本コンビの後ろを狙ってくるのではと思います。 展開的には前受けした関東ラインの後ろに、1番車の飯野選手が引っ張る北日本コンビ。打鐘の前に、後ろにいる村田選手が一度抑えにかかると思いますが、そこを飯野選手がイン切りしたのを見計らって、一気に関東ラインが踏み出していきそうです。

 今回の決勝ですが、特別競輪に出場していた選手が出ていない中で、【全日本選抜競輪】に出場していてもおかしくなかったと思えるのが森田選手です。準決勝までのレースを見ていても力の違いは歴然としていました。 しかも、森田選手は先行しても、捲っても強いのに、決勝は朝倉選手という目標がいることで、更に強いレースを見せてくれそうです。また、森田選手の後ろを回る河野選手の出来もいいだけに、関東ラインから勝者が出てくる可能性は高いと見ています。

 その後に伸びてきそうなのが飯野選手か村田選手。特に飯野選手は決勝に残った唯一の地元選手だけに、ファンの前で意地を見せてもらいたいです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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