2022/08/03 (水) 12:00 11
4〜7日は岸和田競輪の「大阪・関西万博協賛競輪(GIII)」がデイレースで行われ、函館競輪ではナイター開催で「ミリオンナイトカップ(GIII)」が開催される。昼と夜がつながる珠玉のGIIIリレー。
世界陸上の400メートルリレー級の迫力だ。
直後に西武園競輪の「オールスター競輪(GI)」が控えるので、S班などトップ選手がおらず、実力は非常に拮抗する。誰もがGIII制覇のチャンス、そして決勝3着以内に入っての競輪祭の出場権ゲットに燃える。
ある意味チャンスタイムになるわけだが、かといって容易なことは一つもない。変わらない熾烈なバトルが繰り広げられる。岸和田で主役を張るのは地元の南修二(40歳・大阪=88期)。自力型が若手からベテランまで揃っているので、南としては目標に事欠かない。熱過ぎるほどの番手の仕事人だが、今回はサラリと優勝を目指す………わけはないか。
見どころは、南が岸和田の地で、どんな暴れ方をしてくれるのか、に尽きる。
函館は男子9個レースとガールズ3個レースのダブルトーナメントになる。男子は菅田壱道(36歳・宮城=91期)が抜けた存在。菅田は2月取手の「全日本選抜競輪(GI)」で誘導員早期追い抜きを犯し、長いあっせん停止となったため、出走本数が足りずオールスターに出場できない。
なんともこの早期追い抜きの失格のペナルティの厳しさ、また自力選手だけに負担が大き過ぎる…というものに対する改定はあっていいと思う。時間を奪うことの厳しさは、選手に対する負担としてつら過ぎる。期の点数の確保やGI出場権にも影響するのは、とにかく多大。
罰則金を積み立てることで、何かのプラスにする、という形がベストだろう。厳罰で何かを奪うことから、マイナスをプラスに変える方式の対処法ではどうだろうか…。
とにもかくにも、カズミチは復帰戦となった福井記念(不死鳥杯)をいきなりの優勝で飾った。悪天候で準決が行われず、決勝は北の力で勝利。ツイているのかいないのかよくわからない男だが、努力一徹なのは間違いない。
過酷な肉体改造に取り組み、結果を残してから少し低迷した時期もある。何をやってもダメで、ラインを組んだ選手に迷惑をかけることも多くなり「心がもたないっす…」と涙したこともある。
福井記念のような笑顔をまた、見たい。
ガールズケイリンは北海道勢の3人に期待がかかる。特に新人の畠山ひすい(20歳・北海道=122期)だ。本デビューからいきなり通用するか…と思っていたが、さすがに壁に当たっている。しかし、新人選手は男子もそうだが、慣れてくれば一気だ。
脚力そのものは上位陣に負けていない選手ばかりで、後はどう戦えるか。そして以前にも書いたが、開催に慣れていけるか、がカギになる。
蛯原杏奈(22歳・北海道=120期)、は徐々にレース慣れをしてきて、目指すは決勝だろう。堀田萌那(21歳・北海道=120期)はまだ苦しんでいるところで、浮上のきっかけを地元でつかんでほしい。
後は116期在校1位の山口伊吹(23歳・長崎)がどうか。ケガや病気で足踏み続きだが、“そろそろ”の感がある。長崎、函館、といえば異国の香りのする似たような雰囲気がある。シャープな立ち回りで「イブキちゃ〜ん! 」と多くのファンに叫ばせてほしい。
Twitterでも競輪のこぼれ話をツイート中
▼前田睦生記者のTwitterはこちら
前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。