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前田睦生の感情移入

【九十九島賞争奪戦】真夏の佐世保記念、負けられない井上昌己の4連勝はあるのか…

2022/07/22 (金) 12:00 8

昔の井上昌己、普段はこんな感じ

玉野最終日の失敗を取り返す

 佐世保競輪場で開設72周年記念「九十九島賞争奪戦(GIII)」が7月23〜26日に開催される。12月に行われるのが主な大会だが、今年は全プロを開催したこともあり、真夏の開催になる。

 天才・マサキングこと井上昌己(42歳・長崎=86期)が、汚名返上だ。玉野競輪の「サマーナイトフェスティバル(GII)」の最終日に松本秀之介(23歳・熊本=117期)を抜けなかったことを前回のコラムで書いた。

 すぐに行われる地元の大舞台。取り返すには絶好だ。
「まあ、まあ、今回は大丈夫でしょう」と低い声で話していそうだ。流れに逆らわずガッつかないタイプだが、佐世保だけは別。内でも外でも突っ込んでくる。

報われない努力もある

山崎賢人(右)はジャパントラックカップ出場

 井上は筑陽学園高の頃、陸上の八種競技で全国制覇を成し遂げた肉体。自転車に乗るとあっという間に才能が開花した。師匠になった平尾昌也さん(引退=58期)が「GIを勝たせなければオレの責任」と話したことは有名だ。

 そして今、平尾さんが佐世保の中継で大暴れしているのも有名だ。

 その裏で、絶望感に襲われていた人たちもいる。選手になるために苦労を重ねることもある。ある選手は井上昌己の走る姿を見て「報われない努力もある」と思ったそうだ。輝く才能に激しく嫉妬したが、自分は自分のできることをと必死になったという。

 しかしマサキングの性格、人柄はねたまれるものではなく、佐世保の誇り。マサキングが佐世保で活躍することで、誰もがうれしくなれる。アテネ五輪のチームスプリントで銀メダルを獲得したことすら「そんなことありましたっけ?」と本気で忘れていそうなマサキング。玉野最終日の失敗があるからこそ、今回はより注目だ!

守澤太志がもう一度、雄たけびを

守澤太志が後半戦、爆発する

 5月の全プロを制したのが守澤太志(37歳・秋田=96期)で、6月のあっせんしない処置を受けた後、玉野で復帰した。まだレース勘が怪しそうだったが、今回で完全復活となりそうだ。

 昨年、S班になってからため込んできたものがあるだろう。今年の後半戦ですべてを…。

 S班は郡司浩平(31歳・神奈川=99期)と2人。が、新田祐大(36歳・福島=90期)もいて、九州勢としては一丸とならないと厳しそうだ。中川誠一郎(43歳・熊本=85期)はいたものの、やや手薄だったところに山田庸平(34歳・佐賀=94期)が追加で入った。

 井上、中川、庸平と九州の中でもガツガツ感のないメンバーが揃った。平尾一晃(25歳・長崎=111期)が初日から熱い走りを見せて、九州のみんなを奮い立たせることを期待しよう。興奮のあまり、親父さんの血糖値…、いや、いい意味で血圧が上がるような走りを…。

平尾一晃がカギを握る


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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