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前田睦生の感情移入

【若手競輪選手】若者のすべて、眞杉匠を追い越そうとする者たち

2022/07/19 (火) 12:00 16

犬伏湧也(左)吉田有希の119期コンビ

若者の筆頭の位置を争う

「♪真夏のピークが去った〜」(若者のすべて)と歌ったのはフジファブリックだが、今年の真夏のピークは西武園競輪で開催される「オールスター競輪(GI)」になるだろうか…。玉野競輪の「第18回サマーナイトフェスティバル(GII)」(7月16〜18日)では若者たちの躍動が光っていた。現在、若手の筆頭は眞杉匠(23歳・栃木=113期)で異論はないだろう。“関東のワッキー”と呼ばれるようになり、GI制覇の期待を現実に背負う立場になっている。

 だが今回、その位置を脅かそうとする若者たちの躍動があった。

 準決11Rで眞杉をまくってしまった犬伏湧也(26歳・徳島=119期)は、これがビッグレース初参戦だった。男子の開幕戦を圧倒的な逃げで制し、そのまま決勝へ。決勝では松浦悠士(31歳・広島=98期)を見事に優勝にまで導いた。

 犬伏の1走目に触発されたのか、吉田有希(20歳・茨城=119期)も直後のレースで魅せた。準決10Rでは町田太我(22歳・広島=117期)とやり合った。「俺たちの居場所はどこ? 」。若者が夜の街を獰猛(どうもう)な瞳でのし歩くように、突き進む戦いがあった。町田とて、「俺がそこにいたはず! 」と柔らかいマスクを鬼のようにしていた。

ヒデノスケも火が点いたか

松本秀之介が、来た

 松本秀之介(22歳・熊本=117期)も良かった。元々が貪欲な感じではなく、育ちの良さのようなものを感じていたが、何かアゴを引いて一心不乱な姿があった。競輪一族のエリートだが、こうした男が歯を食いしばるようになると強い。

 最終日の井上昌己(42歳・長崎=86期)が抜けなかったのは、いただけなかったが…井上としては今までに感じていない、イメージとは違う秀之介がいたのではないか。そして、引き揚げてきて「老いたわ〜」とつぶやいたのかもしれない。

 熊本では上田尭弥(24歳・熊本=113期)、嘉永泰斗(24歳・熊本=113期)が看板を磨き始め、他にもゴロゴロとスター候補生がいる。瓜生崇智(27歳・熊本=109期)という新たな親分もいる。若者が若者として暴れる時が、競輪界に沸き起こっている。大分からは阿部将大(26歳・大分=117期)も出てきた。

 アベマサ、キテいる。

ベテランは何をする?

老いちゃうよ〜(井上昌己)

 佐藤慎太郎(45歳・福島=78期)と荒井崇博(44歳・佐賀=82期)の頑張りも目を引く。『頑張り』などという言葉で表現するのは失礼なくらいだ。メチャクチャ競輪を楽しませてくれる真打ち。若者が奮迅するレースの中で、それに乗り、それと連動し、利用し、そのために彼らの力を引き出す役目もある。

 今回は現場取材ではなく、内勤作業をしていながらだったが、何本も心に突き刺さるような矢が飛んできた。

 東スポで10年以上続けている動画企画にしても、後進に託す立場になった。大谷翔平似の奥山雄大記者(33歳の永遠の若手)にバトンを渡すと、徐々に彼らしさを出し、いい仕事を見せてくれるようになった。それを作ろうとするエネルギーに満ちていた…。

 といっても私は性格も脳みそもひんまがっていて、常々、人間として“邪道の鑑”たらんとしている者だ。私もまだ、若手、を自認しているので、何かメチャクチャなパワーを発揮して、競輪をいろんな人たちに投げつけたいと思ったものだ。

 コロナが起こったことも一因となり、取材が非常に難しい世の中になってきた。その中で奮闘する若手を支えることや、競輪の取材に価値を、大事な意味、存在意義をアピールすることもしないといけない。

 でもなんか、「老いたな〜」。


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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