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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【不死鳥杯予想】運と実力を兼ね備えた9人…キングオブラッキーは誰だ!?/ヤマコウ展望

2022/07/10 (日) 12:00 22

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 福井競輪開設72周年記念不死鳥杯決勝メンバーが出揃いました。

 準決勝は悪天候のため中止、くじ引き(通称ガラガラポン)で決勝メンバーを決める珍事件が発生しました。私も経験しましたが、走って勝ちを決めるレースより、ガラガラポンで決める単純な勝ち負けの方が、野次馬は一番盛り上がります。競輪選手もプロとして走っているので、レースを評価されるとそれぞれの価値観があり、第三者にあれこれ言われたくありません。しかし、抽選で決めることは、責任を『運任せ』に出来るので誰も傷つきません。だから盛り上がるのです。

 抽選は選手管理室か番組編成室で行われ、周りには興味がある選手(=野次馬)であふれます。ここにも、選手それぞれ個性があって、一緒になって一喜一憂する選手と、全く興味を示さない選手もいます。私は、率先して見るゲスなタイプでした。

 もちろん当事者の場合は、レースより緊張しました。「自分には博才がないけど勝てる!」など、いろんなプラス思考でガラガラポンを回しましたが、勝ったことより負けた時の方が多い気がします。次の日の点数や賞金が抽選で決まる世界は、あがなう事が出来ないこともあると実感しますよ。

 その中で、運と実力を兼ね備えた9選手が決まりました。メンバーとライン構成は以下の通りです。

①古性優作(大阪・100期)ー⑨南修二(大阪・88期)
②森田優弥(埼玉・113期)

⑦松井宏佑(神奈川・113期)ー③鈴木裕(千葉・92期)
④松岡辰泰(熊本・117期)
⑥坂本周作(青森・105期)ー⑤菅田壱道(宮城・91期)ー⑧佐々木雄一(福島・83期)

 この中で、先行意欲が高いのは⑥坂本です。ならば後ろ攻めでしょう。ラインが出来る①古性と⑦松井、どちらが前受けするでしょうか。

 古性は『格』的に初手から小細工するとは思えないので、獲れた位置から組み立てるつもりでしょう。対して⑦松井の持ち味はスーパーダッシュなので脚を溜めて一発狙い(かまし又は捲り)、自分の持ち味を出せる前受けで考えました。単騎の選手、特に位置取りが出来る②森田は、最終的に北日本の4番手を回るのが理想でしょうね。ただ、①古性もそこは譲れない位置だとは思うので、バッティングすることもあるでしょう。

S.⑦③ ①⑨ ② ⑥⑤⑧ ④

 北日本勢の動きに、①古性や②森田は続きたいでしょう。特に②森田は号砲がなると性格が変わるタイプなので、①古性にも臆せず位置取りするのではないかと思います。①古性も譲れないところですが、GI決勝ではないので縦脚勝負で考えます。ただ、緩んだら仕掛けると思います。

      ←①⑨
H.⑥⑤⑧ ②    ⑦③ ④

 ⑤菅田が後ろの動きに併せて番手捲りを敢行しますが、今の菅田の力量では合わせるのは難しいと思います。

      ←①⑨
    ←②      ⑦③ ④
B.←⑤⑧
    ⑥(TT)

 決勝戦は、最後まで脚を溜める⑦松井を本命にしました。①古性と②森田がもつれる可能性と、⑦松井は自分の走りができるライン構成だからです。

・狙い目
7=3ー5214
7ー12ー9354

 キングオブラッキーは誰でしょう。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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