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【競輪予想】大会初制覇を目指す児玉碧衣“フェスティバルの申し子”小林優香/ガールズケイリンフェスティバル

アプリ限定 2022/07/09 (土) 12:00 11

玉野競輪場で16日から開催される『サマーナイトフェスティバル(GII)』。その開催中に行われる『ガールズケイリンフェスティバル』の出場選手近況やレース展望をデイリースポーツの松本直記者がお届けします!

(撮影:島尻譲)

 7月で11年目に突入したガールズケイリン。そのなかでも優勝賞金が301万円(副賞含む)と高く、年末のガールズグランプリ出場に向けて重要な大会になるのが「ガールズケイリンフェスティバル」だ。初めて開催されたのが2014年松戸(2日制)で、翌15年函館からは開催日数が3日制となり、今年で9回目を迎える。

大会初制覇を目指す児玉碧衣

 児玉碧衣が大会初制覇を目指して参戦する。児玉にとってガールズケイリンフェスティバルは相性がイマイチの大会で、初参加は17年7月伊東。2017年から2020年まで4年連続で決勝へ進出しているが、実は優勝がない。昨年21年函館はまさかの予選敗退。最終日選抜でも2着に終わり、デビュー以来初となるシリーズ未勝利の屈辱を味わった。だが、今年の舞台は玉野。児玉にとって玉野は相性抜群のバンクで、16年4月の初参戦以降、4開催走って4連続完全優勝と負けなしバンク。相性の良さを追い風にして、フェスティバル初優勝、賞金ランキング1位独走を目指す。

児玉碧衣
児玉碧衣(撮影:島尻譲)

過去3回優勝 フェスティバルの申し子 小林優香

 小林優香はフェスティバルの申し子と言ってもいいだろう。14年5月岸和田のデビュー戦から15連勝で迎えた、第1回のガールズケイリンフェスティバル(松戸)。予選を1着で勝ち上がり、決勝は加瀬加奈子、石井寛子、山原さくらなど先輩を相手にまくりで優勝し、一気にガールズケイリンの中心選手へ駆け上がった。翌15年の第2回(函館)も3連勝の完全優勝。17年第4回(伊東)でも完全優勝。過去3回優勝とフェスティバルは小林にとって相性抜群の大会だ。2年ぶりのフェスティバル参加で4回目の優勝を狙う。玉野参戦は17年2月以来2回目。

小林優香
小林優香(撮影:島尻譲)

冷静な状況判断 記録を作り続ける石井寛子

 石井寛子も大会2回優勝の実績を誇る実力者。18年(松戸)で初優勝。梅川風子の先行マークから最終3角で空いた内を踏み込んで優勝。冷静な状況判断でVゴールを駆け抜けた。昨年21年(函館)では佐藤水菜-小林莉子の後位へ切り替えて、直線一気の差し脚発揮で突き抜けた。今年も年頭から成績が安定。3月のコレクション(宇都宮)を優勝。5月小田原ではガールズケイリン界初の500勝達成。記録を作り続けるレジェンドが3回目のフェスティバル制覇へ気合を入れる。

石井寛子
石井寛子(撮影:島尻譲)

充実期に入った柳原真緒

 今年は114期勢が元気いっぱいだ。在校1位で卒業記念レースを優勝した柳原真緒は破壊力抜群のまくりを武器に優勝を量産して、今年の賞金ランキング1位(※4日現在)をキープ。5月のコレクション(いわき平)は高木真備の引退による繰り上がり出場。千載一遇のチャンスを生かして直線一気の差し脚を発揮し優勝をつかみ取った。さらに、平塚で行われた10周年記念レース・グループBの決勝も最後方7番手からまくりで仕留めた。充実期に突入しただけにフェスティバル初優勝も見えてきた。

柳原真緒
柳原真緒(撮影:島尻譲)

成長が止まらない佐藤水菜

 佐藤水菜も好調だ。パリ五輪出場、メダル獲得を目指しているだけにナショナルチームの活動が中心になっているが、今年の国内ガールズケイリンは5場所参加し、13走して12勝、2着1回と安定感は抜群。ナショナルチームでの活動では6月にインドで行われたアジア選手権・ケイリンで金メダルを獲得と成長が止まらない。フェスティバルは昨年準優勝で終わってしまっただけに、今年こその気持ちは強いはずだ。

佐藤水菜
佐藤水菜(撮影:島尻譲)

興奮と感動を与える“先行”奥井迪

 今開催は年末のガールズグランプリ出場権争いに大きな影響を与える大会。優勝賞金301万円(副賞含む)、2着121万円、3着79万円と決勝に乗ると高額賞金を積み重ねることができる。

 賞金ランキング4位の奥井迪、同5位の尾崎睦、同6位の山原さくら(いずれも※4日現在)にとってはキーポイントとなる開催だ。

 奥井は今年の前半戦で優勝6回と復調している。平塚10周年記念レースで見せた先行勝負はガールズケイリンの選手、ファン、関係者に興奮と感動を与えた。尾崎睦も今年の前半戦は優勝8回と結果を出している。地元平塚で行われた10周年記念レースでも連勝で勝ち上がった。山原は今年の前半戦は優勝8回。ダッシュを生かしたパンチ力のあるまくりは見逃せない。奥井は17年平塚以来、尾崎は18年静岡以来、山原は16年立川以来、それぞれグランプリ出場へ向けて決勝進出は外せないシリーズとなるはずだ。

奥井迪
奥井迪(撮影:島尻譲)

旋風を巻き起こせるか 初出場組

 ここからはフェスティバル初出場の選手を紹介。

 116期の南円佳は21年12月佐世保、22年2月向日町の優勝で出場権をゲット。今年は右膝痛の影響で決勝進出を外してしまうことも多いが、復活のきっかけをフェスティバルでつかみたい。8月に開催されるガールズケイリンコレクション・ドリームレースにファン投票で選出された人気レーサー。このままでは終わらないはずだ。

南円佳
南円佳(撮影:島尻譲)

 21年5月にデビューした120期からは2人が参加。吉川美穂は今年の1月伊東、2月名古屋、4月松戸の優勝で出場権をつかみ取った。ナショナルチーム中距離チームで活動していただけに、レース中の安定感が光っている。位置取り重視の自在戦できっちり結果を出している。賞金ランキング9位にいるだけにグランプリ出場権争いへ食い込むためにも大事なシリーズとなる。

吉川美穂
吉川美穂(撮影:島尻譲)

 内野艶和は昨年11月の武雄、久留米、今年2月小倉の優勝で出場権をゲット。現役のナショナルチーム中距離チームのメンバーで、直前はアジア選手権に参加してオムニアムで金メダル獲得。パリ五輪でのメダル獲得との二刀流を目指して奮闘している。国内の競輪参加は3月松阪以来と不安もあるが、潜在能力の高さを発揮すれば、今開催の台風の目になるかもしれない。

内野艶和
内野艶和(撮影:島尻譲)

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松本直

千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。

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