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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【中野カップレース予想】九州黄金時代再来か?三連勝・郡司との対決が楽しみな一戦/ヤマコウ展望

2022/06/28 (火) 12:00 12

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 久留米競輪開設73周年記念中野カップ、決勝メンバーが出揃いました。

 今節は九州若手機動力型の活躍が目立ちました。かつて、1970年後半から2000年初頭まで、九州黄金時代と呼ばれた時がありました。中野浩一(福岡・35期)さん、井上茂徳(佐賀・41期)さん、佐々木昭彦(佐賀・43期)さん、吉岡稔真(福岡・65期)君らが中心となって築き上げました。それから、小野俊之(大分・77期)、中川誠一郎(熊本・85期)らがタイトルを獲りましたが、競輪界の中心と呼ばれるまでには至っていません。

 しかし今回、再び黄金時代と呼ばれる時を迎えるのではないかと思えるほど、将来性豊かな若手選手の活躍が目立ちました。決勝入りした阿部将大や伊藤颯馬です。この2人は、勝負度胸がある上に、横の捌きもできることが特徴です。これからは、縦足だけではなく、横の動きができることは必須です。トップスピードが上がれば上がるほど、位置取りが出来る自力選手が有利になります。他にも松本秀之介(熊本・117期)、嘉永泰斗(熊本・113期)、瓜生崇智(熊本・109期)など逸材が揃っているので、これからの九州は期待できるでしょう。

 メンバーとライン構成は以下の通り。

②郡司浩平(神奈川・99期)
④竹内雄作(岐阜・99期)ー⑥岡本総(愛知・105期)

⑤阿部将大(大分・117期)ー⑦伊藤颯馬(沖縄・115期)ー①北津留翼(福岡・90期)ー⑧伊藤旭(熊本・117期)
⑨渡邉一成(福島・88期)ー③成田和也(福島・88期)

 このレースの肝は、九州の先頭を⑤阿部が走ることでしょう。彼は2月に高知GIIIを優勝して、11月に行われる小倉競輪祭に出場する権利を持っています。後ろの3人はまだ持っていません。特に九州地区の功労者である、小倉が地元の①北津留には気を配っていると思います。⑤阿部にとってやり甲斐ある一戦です。

 問題はどの位置からレースを組み立てるかです。他のラインは九州に駆けさせたらおしまいなので、九州が後ろから攻めるなら突っ張られる危険があります。中団なら蓋をされて包まれて凡走。捌ける⑤阿部⑦伊藤ですが、3番手の①北津留が付いて行けないこともある。前受けなら赤板(残り2周)さえ気をつけたら全員が付いてこれます。九州勢は前受けでレースを進めると結論付けました。

S.⑤⑦①⑧ ② ⑨③ ④⑥

 残り2周で④竹内が動きます。しかし勝負処なので⑤阿部が突っ張り主導権を握ります。

         ④⑥
打鐘.⑤⑦①⑧ ② ⑨③

 三連勝で安定した力を見せている②郡司はどうするでしょうか。基本的に九州の上を捲るのが理想ですが、⑨渡邉がカマして内に包まれる状態になると、内に潜って①北津留の位置を狙うでしょう。

     ←⑨③
    ←②    ④⑥
B.←⑦①⑧
   ⑤

・狙い目
1=7ー823

 ②郡司が内に潜って①北津留の位置を狙えば…
7=2ー93

 エース②郡司に、若い九州勢がどこまで抵抗することができるのか? それとも第三勢力が優勝するのか? 楽しみな一戦となりました。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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