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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【水戸黄門賞予想】唯一の“先行”石原と、それぞれの先行力の差は/ヤマコウ展望

2022/06/07 (火) 12:00 23

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 取手競輪開設72周年記念GIII水戸黄門賞決勝メンバーが出揃いました。メンバーとライン構成は以下の通りです。

①吉田拓矢(茨城・107期)ー⑤吉澤純平(茨城・101期)ー⑧杉森輝大(茨城・103期)
⑦石原颯(香川・117期)ー②松浦悠士(広島・98期)
③宿口陽一(埼玉・91期)
⑥元砂勇雪(奈良・103期)ー⑨三谷竜生(奈良・101期)ー南修二(大阪・88期)

 地元勢が3人決勝に乗りました。その中で軸になるのは①吉田です。吉田は2月の地元全日本選抜競輪の失敗を活かし、初日、2日目と先行する組み立てで展開待ちのレースはしませんでした。しかし、準決勝の組み立てはイマイチだったと思います。ラインで決めたいのなら、無理に内を突けば番手の選手は付いていけません。吉澤の好判断で追い上げましたが、吉田は勝ちを意識しすぎたのかなとも思います。決勝戦は「緩んだらすかさず行く」とコメントをどれだけ貫けるか注目したいです。

 先行選手は⑦石原ただ1人。ただ、⑨三谷に任された⑥元砂の先行意欲が強そうです。しかし、どの開催も先行で戦っている⑦石原の方が、先行力は一枚上だと感じます。⑨三谷が優勝するパターンは⑥元砂がバックまで先行できるかどうかですが果たして…。

 レースは、⑥元砂と⑦石原の先行争いを期待して①吉田が前受け、中団⑦石原ライン、単騎の③宿口が続いて、後攻めが⑥元砂ラインで考えます。

S.①⑤⑧ ⑦② ③ ⑥⑨④

 この並びだと、近畿ラインが⑦石原をフタして主導権を取り行くと思います。

      ←⑦② ③
打鐘.⑥⑨④ ①⑤⑧

 ⑥元砂は必死で⑦石原を併せに行くでしょうが、先ほど指摘した先行力の差が出ると思います。

H.⑦② ③  ①⑤⑧
   ⑥⑨④

 この態勢で最終ホームを通過すると②松浦が絶対有利です。単騎の③宿口も、この後ろだったらチャンスがあるでしょう。⑨三谷も⑥元砂が叩かれた後は②松浦の後ろを狙いに行くと思いますが、③宿口が守れるかどうかも焦点です。

       ←①⑤⑧
B.⑦② ③ ⑨④
       ⑥

 ⑦石原は、②松浦から常にアドバイスをもらい少しでも恩返ししたいと言っています。松浦も、石原に無限の可能性を感じるから親身になってアドバイスしていると思います。石原の可能性は自分の可能性となって返ってくるからです。決勝戦は②松浦から狙います。

・買い目
2=3ー197
2=1ー395

 私は、②松浦の動きが4月の川崎GIIIからおかしいと感じていました。しかし、ダービー後の宇都宮GIIIではそうした疑念を払拭する走りでした。人間ですから1年間同じパフォーマンスを出すのは無理だと思います。ただ、好不調の波を感じさせないのが一流選手だと思っています。たった2ヶ月で立て直した松浦には敬意しかありません。さて、決勝戦はどのようなレースになるでしょうか。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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