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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】燦燦ムーンナイトカップに出場する犬伏湧也選手を解説!

2022/06/09 (木) 12:00 8

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は松戸競輪「燦燦ムーンナイトカップ(GIII)」に出場する犬伏湧也選手を解説する。

⚫︎犬伏湧也

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 公式プロフィール上では、身長170cm、体重78kgとあるが、現在はビルドアップしてもう少し重たいだろう。インナーシャツ越しに隆起した大胸筋の主張が強く、ガチムチ系競輪選手だ。

 犬伏選手は、119期生としては吉田有希選手と並んでトップを走っている存在だ。養成所時代から一際目立った完成度を誇りタイムは群を抜いていた。いまの所は期待通り成長していると言えるだろう。

 そんな犬伏選手のストロングポイントといえば、「ダッシュ力」と「トップスピード」だろう。地脚タイプと評価する人もいるが、現在ではダッシュ力が卓越しているように映る。

 ガチムチ系の体型から放たれるカマシ捲りのキレは、S級上位でも通用しそうな期待感だ。まだまだレースの組み立てが甘いが、前受けからザッと引いて、1本棒の展開をカマすような展開は異常に強い。四国期待の機動力タイプとして順調に成長している。

 地元徳島には、太田竜馬選手をはじめ原田研太朗選手、小川真太郎選手など、スピードレーサーが多い。練習強度はかなり高いと推測する。成長するには持ってこいの環境だろう。

 燦燦ムーンナイトカップの舞台は、短走路(333m)で勝負所での切れ味が非常に重要だ。ひとたび後方に立ち遅れると巻き返しが困難になる。トップスピードが高い犬伏選手にとって噛み合うはずだ。

 今後の課題としては、やはりベースとなる脚力強化と並んで、位置取りや並走技術の向上が挙げられる。地域や年齢的にも、番手を回らざるを得ない状況が巡って来そうなだけに避けて通れないスキルだ。苦手な分野にどこまで向き合えるかが鍵になる。

 犬伏選手は能力的には完全にGIクラスなので、今後の成長に期待したい。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 1人だけ飛び抜けた存在がいる。脇本雄太選手だ。間違いなく彼が4日間松戸バンクを支配するだろう。

 ただ面白そうな選手が2名いる。それが山口拳矢選手と、今回紹介した犬伏湧也選手だ。両名ともトップスピードの高さには定評があり、もし一発があるならばこの両名だろう。勝負所で脇本選手を後方に置く事が出来れば、短走路だけにほんのわずかな勝機が出て来る。

 ただ、あくまでほんのわずかの可能性だ。それほどに脇本選手がここでは圧倒的だ。しかと脇本選手の走りを目に焼き付けるべきだ。

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加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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