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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

【筋肉診断】水戸黄門賞に出場する吉澤純平選手を解説!

2022/06/02 (木) 12:00 6

加藤慎平の「筋肉診断」。今回は取手競輪「水戸黄門賞(GIII)」に出場する吉澤純平選手を解説する。

⚫︎吉澤純平

撮影:島尻譲

撮影:島尻譲

 公式プロフィールでは身長169.9cm、体重は74.9kg。リアルに169.9cmならば、99%の人間は170cmと書きそうなものだが…。ここに吉澤の誠実さが現れているのかもしれない。

 一方で体重に目を移すと74.9kgとある。ここからは「75kgと思われたくない」と言うちょっとした乙女心も感じさせる。吉澤選手の公式プロフィールからは、実に人間らしい一面を感じ取ることが出来るのだ。

 吉澤純平選手のストロングポイントはとにかく「安定感」がある事だと思う。FIクラスでラインの先頭を走れば常に争覇級。関東ラインの先頭としての責務を果たし、番手戦もそつ無くこなし、自己犠牲もいとわない。ラインの先頭選手からの信頼も厚い。まだまだ追走技術に穴はあるものの、番手戦への意識の高さで、これからどんどん成長していくだろう。

 競輪選手を目指す前は、スピードスケートのバンクーバーオリンピック代表選手だった。とにかくハイスペックな選手なのだ。

 軽く体型に目を向けてみよう。身長的、骨格的な素質に目立った所は見当たらない。そんな中で吉澤選手の強みは、一見ポコンと出ているように見えるお腹(体幹部)にあると読む。

 競輪選手あるあるなのだが、お腹が出ているように見える選手ほど体幹部の筋肉が発達している。脂肪も乗っかっているものの、その中身は筋肉で充満しているのだ。ローリングスタートの競輪では、その競技性がゆえにお腹の出っ張りや体重はさほど影響しない。決して吉澤のお腹が出ていると言いたいのではない。お腹が出ていても強い選手は強いのだ。

 近年、眞杉匠選手に代表される関東地区の若手自力選手の台頭が著しい。その恩恵を受ける事が出来るド真ん中はまさに吉澤純平選手だ。

 下積みも積み重ねも充分なこの男のブレイクは必然。地元の取手記念で躍動する姿をとくとご覧あれ。

⚫︎本レースで注目すべき選手は…?

 地元関東勢はSS級に吉田拓矢選手と宿口陽一選手。戦力としてはここに吉澤純平選手も加わるが、何と言っても佐々木悠葵選手の復調が大きい。松浦悠士選手が強力なライバルとなるが、ラインの厚みで充分対抗出来る。

 戦力的に抜けた地域がないだけに、混戦の4日間が予想されるが地元茨城勢の奮起を期待したい。

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筋トレマニア加藤慎平の筋肉で語る競輪

加藤慎平

Kato Shimpei

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。

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