2022/04/14 (木) 12:00 2
加藤慎平の「筋肉診断」。今回は川崎競輪「桜花賞・海老澤清杯(GIII)」に出場する小川真太郎選手を解説する。
⚫︎小川真太郎
公式プロフィールでは、身長173cm、体重は80kgだが、見た目はそれほど重く無いように映る。乗車フォームの収まりも良く、四肢の長さのバランスも良いのだろう。
GIレースの常連であるが、ダッシュ力や先行力、位置を取る能力が卓越したタイプでは無い。総合力で勝負する選手だ。今や一強となった中四国地区に所属し、GI級自力選手の番手戦などが多かった。しかし、現時点で周りが期待するような実績を残す事は出来ていない印象を受ける。
そんな小川選手、最近はラインの先頭で走る機会が増えた気がする。この自力がなかなか良い。数年前と比べたら、間違いなく自力が強化されている。特に位置を取ってからの捲りはGI戦線でも充分に通用するだろう。
SS級自力選手の番手戦で結果を出すためにも、自力強化を選んだ彼は正しい。将来は四国の司令塔になれるはずだ。
今回の川崎記念は、中四国ラインで松浦悠士選手も出場する。勝ち上がりや決勝戦で連携する事が出来れば、当然チャンスは広がってくる。自力だけで無く、番手戦の結果も出して行きたいところだ。
余談だが、小川選手は端正なルックスから「輪界のジョニーデップ」と呼ばれる事もある。ただ経歴が異色で、前職は元板前見習いなのだ。板前見習いならば、ほぼ間違いなく角刈りだったはずなので想像力が掻き立てられる。「イケメンの角刈り」とはどんな感じなのだろうか…!?
競輪ファンの心も胃袋も掴める可能性を持つ、唯一無二の小川選手。ビッグレースを優勝するような成長に期待したい。
⚫︎本レースで注目すべき選手は…?
SS級選手は5名が斡旋する。その中でも注目はやはり地元・郡司浩平選手だ。松浦悠士選手、吉田拓矢選手も互角だろう。
郡司選手は深谷知広選手との連携が叶えば鬼に金棒だが…。南関東地区の戦力が大きく上回っておらず、油断の出来ない4日間になるたろう。
加藤慎平
Kato Shimpei
岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々な媒体で解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。自他ともに認める筋トレマニアであり、所有するトレーニング施設では競輪選手をはじめとするアスリートのパーソナルトレーニングを務める。