玉野競輪がリニューアルし、最初の記念競輪決勝メンバーが出揃いました。

　今回の見所は、松浦悠士の前に(先行する気満々の)自力選手がいて、脇本雄太が三度(奈良記念決勝、宇都宮ウィナーズカップ)負けるのか、それとも一矢を報いるのかが焦点です。初日特選、前受けした太田竜馬ー松浦は、脇本に打鐘過ぎに叩かれました。これは、太田、松浦両者ともに「ここならまだ脇本はこないだろう」と高を括っていた所に、脇本の仕掛け(打鐘前2角)が予想以上に早かったことが功を奏したと思います。今節、巻き返しが早い脇本はどこで仕掛けるのでしょうか？

　メンバー、ライン構成は以下の通りです。

②吉田拓矢(茨城・107期)ー④志村太賀(山梨・90期)
⑥山根将太(岡山・119期)ー⑤松浦悠士(広島・98期)ー①柏野智典(岡山・88期)
⑦脇本雄太(福井・94期)ー③佐藤慎太郎(福島・78期)ー⑨和田圭(宮城・92期)
⑧松岡辰泰(熊本・117期)

　先行有力なのは⑥山根です。②吉田は中団を回って中国勢の後ろを確保するでしょう。②吉田が前を取ると、ウィナーズカップ準決勝のように後ろでレースが始まる(吉田は前受けしたので、後ろの新山響平、脇本雄太の間でレースが始まった)ので、前受けは考えにくい。可能性があるのは⑥山根が前を取って突っ張ることですが、⑦脇本を後方に置きたいことに変わりありません。ここは絶対先行できるように後ろ攻めで主導権を取ると考えます。

S．⑦③⑨ ②④ ⑥⑤① ⑧

　後ろの⑥山根が動いて②吉田がそれに続く。②吉田は中国勢の後ろを回りたいので、単騎の⑧松岡は入れないでしょう。

　　　　　　　　　　⑦③⑨
打鐘．⑥⑤① ②④ ⑧

　この態勢で⑦脇本が仕掛けないと、奈良、宇都宮と同じ失敗になる可能性がある。しかし、先行することが目的の⑥山根が、打鐘からホームのタイミングで⑦脇本の巻き返す隙を与えないと思います。それでも脇本が無理にでも叩きに行くと、今度は③慎太郎の追走が難しくなることもある。どのケースで考えても⑤松浦を中心にレースが動きます。

●ケースⅠ

H．⑥ ⑤① ②④ ⑧ ⑦③⑨

　　　　　　　←⑦③⑨
B．←⑤① ②④
　　　　⑥

　⑤松浦が番手捲りをすると②吉田が続き、⑦脇本が後方に置かれ苦しくなります。500バンクの宇都宮で⑦脇本は届きませんでした。400バンクで直線長くない玉野競輪場なら、さらに難しいと思います。①柏野の後ろに陣取る②吉田の伸び脚、③慎太郎の突っ込みを考慮しました。

5ー1＝23
5＝2ー134

●ケースⅡ

　　　←⑦　　③⑨
H．⑥⑤① ②④ ⑧

　　　　　　③⑨
B．⑦ ⑤① ②④ ⑧

　⑦脇本が同じ失敗を避けようと、意地でも⑥山根を叩きに行くと③慎太郎が離れることもあります。その時は、単騎の⑦脇本を追いかける⑤松浦という構図になるので両者のマッチレースになるでしょう。

5＝7ー12

　⑦脇本は「僕ばかりマークされて自分のレースが出来ないのでしんどいです」と言ってましたが、それがエースの証。打倒脇本を果たさない限り優勝はないので、必死で脇本を倒そうとします。彼にとってはしんどいことでしょうが、しばらくこの構図は続くでしょう。

　⑤松浦にとって「二度あることは三度ある」のか、⑦脇本にとって「三度目の正直」となるのか、非常に楽しみな玉野記念決勝となりました。