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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【ウィナーズカップ予想】あらゆるパターンが考えられる非常に難解な決勝戦を制すのは…/ヤマコウ展望

2022/03/21 (月) 12:00 10

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 前回の大垣記念はお休みしました。知り合い等から「なんで休んだ?体調不良か?」など連絡をもらいましたが、拳矢が決勝に乗ったからお休みしただけです。ご安心を…(笑)

 さて、第6回ウィナーズカップ決勝を迎えました。500バンクだけに先行選手は苦戦しました。中でも本格先行の町田太我(117期・広島)は、連日存在感は抜群でしたが、結果は2、8、7着。先行しても番手まくりされるだけなら、何の為に先行するのか…と考えさせられる着となりました。ひと昔前なら連日確定版入りしていたのでは? と思わせる先行力です。選手はルールに従って走っているだけなので罪はありません。問題は先行選手が報われないルールにあると思います。そろそろ、世界を目指すルールがどうなのか考えませんか?

 決勝戦のメンバーは以下の通りです。

⑤脇本雄太(94期・福井)ー①古性優作(100期・大阪)ー⑨浅井康太(90期・三重)
②深谷知広(96期・静岡)ー④成田和也(88期・福島)
⑥神山拓弥(91期・栃木)
⑧太田竜馬(109期・徳島)ー③松浦悠士(98期・広島)ー⑦清水裕友(105期・山口)

 難解な決勝戦となりました。⑤脇本の脚力が一枚上のように感じますが、今節の勝ち上がり方に脇本らしさを感じません。そして、どの自力選手も位置取りにこだわる選手がいないので、あらゆるパターンが考えられるからです。

 例えば⑤脇本前受けで、後ろから⑧太田が抑えにくる、そこに②深谷が付いてくる、⑤脇本はズルッと引くのかどうか…等々、前を取っても7番手まで引く選手ばかりなので、このレースでもするかもしれませんし、しないかもしれません。かと言って⑤脇本や②深谷が一度動いて中団を狙うレースをするイメージが湧きません。

 その中で、私がイメージする展開は前を取った選手が中団に収まるパターン。中団を狙って取れる選手がいないので、枠的に不利な⑧太田ラインに中団を取ったラインが付いていかずに7、8番手になる展開です。前受けは②深谷と考えました。2番という車番は一見良いように見えますが、外枠の選手が前受けに出ると、1番車が中団を狙うので後ろ攻めになる可能性があります。そうなると、脚をためたいラインは「後ろより前受け」を狙います。それが②深谷だと考えました。

S.②④ ⑤①⑨ ⑧③⑦ ⑥

 後ろから⑧太田が動きます。⑤脇本はその動きに乗らず構えます。

         ⑤①⑨
H.⑧③⑦ ⑥ ②④

 ⑤脇本は仕掛けるでしょうか?私は行かないと思います。なぜなら、今節の脇本は、仕掛けられる所があっても仕掛けていないからです。②深谷が仕掛けるのは脇本次第のところがありますが、一列棒状なら3角だと思います。③松浦は後ろを合わせる体勢で車間を切ります。

      ←②④ ⑤①⑨
B.⑧ ③⑦ ⑥

 展開有利な③松浦を中心に考えました。

3ー7ー64251
3ー2ー74651
3=5ー1764

 ③松浦は前節の名古屋記念決勝で落車しましたが、3連勝で決勝進出。常識では考えられない素晴らしいレースを見せてくれています。深谷、脇本という怪物をどう捌くのか楽しみです。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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