2024/11/29 (金) 10:00
「KEIRINグランプリ2024」の出場予定メンバーが決まった。最後の椅子を争ったG1競輪祭は、脇本雄太が寺崎浩平をフルに使って優勝。これで脇本は、グランドスラムに王手をかけた。残りは、全日本選抜競輪だけ。グランプリメンバーのことを書く前に、競輪祭の決勝を振り返っていこう。
近畿からは古性優作の脱落はあったが、寺崎、脇本に加えベテランの村上博幸が勝ち上がった。犬伏湧也には松浦悠士、荒井崇博が続き3車。菅田壱道に松谷秀幸、浅井康太が単騎の顔ぶれになった。
焦点は、寺崎が逃げるか、犬伏が逃げるか、であった。前を取ったのは犬伏ライン。スタートの隊形を見て、筆者を含めた多くが、犬伏の突っ張り先行と読んだことであろう。
しかし、である。寺崎が上昇してくると、犬伏は引いた。寺崎の後ろは、脇本である。2段駆けが目に見えていたが、寺崎を前に出した。突っ張ることができなければ、番手勝負に出て、脇本と競ることはできただろう。結局、村上が脇本から離れ、犬伏は脇本後位にはまったのだが、追走一杯で2着がやっと。犬伏らしくない戦い方だと感じた。3着は松浦。脇本が優勝で、松浦が2着なら、松浦のグランプリ出場が決まっていた。
脇本優勝で、松浦が3着ということで、9番目の椅子は岩本俊介が座ることになった。ダービー2着ながら、その後は落車が重なり低迷。最後の最後でグランプリ初出場を決めた。
この結果、グランプリは、南関東が郡司浩平、北井佑季、岩本。近畿が脇本と古性。東北からは佐藤慎太郎の名前が消え、新山響平ひとり。関東は眞杉匠と平原康多。そして、清水裕友となった。
並びに関しては、関東は眞杉が前で平原だろう。問題は南関勢だ。北井・郡司・岩本なのか、岩本が先頭で北井、郡司になるのか流動的だ。近畿は脇本が前で古性と並ぶのが普通だろう。新山と清水は単騎で展開待ちといったところか。
ガールズグランプリは世界女王の佐藤水菜が競輪祭女子王座戦を圧巻の走りで勝ち、出場を決めた。残念だったのは、グランプリには出場できるが、この開催で3日間、精彩を欠いた児玉碧衣だ。これほどひどい状態の児玉を初めて見た。グランプリまでどこまで立て直して来られるかだろう。やはり佐藤を沈めることができるのは児玉しかいないだろう。
競輪祭に話を戻すが、売り上げは132億643万8,700円で、目標とされていた140億円には届かなかった。約7億5,000万円、これを関係者がどう総括するかである。今年最後のG1で目標を達成できなかった事態に危機感を覚える必要があるだろう。
Text/Norikazu Iwai
Photo/P-NAVI編集部
岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター