2024/10/25 (金) 17:00
今年5つめのG1「第33回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」は、古性優作の優勝で幕を閉じた。寛仁親王牌連覇、8月のオールスター競輪に続くG1連覇のおまけがついた。
決勝は寺崎浩平、脇本雄太の3番手回り。新山響平が脇本と競る形になり、古性は3番手で渡部幸訓との競り。郡司が捲ってくると、脇本の後位から切り替え、さらに佐々木悠葵の捲りを止めた郡司のインを突き、抜け出した。落ち着いたレース運びとコース取りは、さすが古性だと思わせた。何より、どうしたら勝てるかを熟知しているようにも思えた。これが王者の貫禄とでも言うのだろう。観戦している方も、落ち着いて見られるものだ。
古性が優勝したことで、賞金ランキングでボーダー上の選手は、少しはホッとしたかもしれない。脇本が決勝に進出したため、脇本はほぼ当確の7位。岩本俊介が9位に落ち、新山が8位。ただ新山は決勝に進みながら、中途半端なレースになってしまった。結果的には、逃げた寺崎浩平の後位で、脇本と番手の取り合いになり、本来の姿が見られなかった。一番悔しいのは新山本人だろう。たらればは禁物だが、もう少し冷静な状況判断ができれば、8着ではなかったはずだ。しかし、新山としては着を拾いにいくのではなく、あくまでもタイトルホルダーとしてグランプリに出場したいからこそのレースだったかもしれない。
競輪祭まで、あと1カ月を切り、それまでの大会も一戦一戦、一走一走が勝負になってくる。岩本か深谷か、はたまた窓場か。競輪祭までは最低でも9位に入っていたいところ。この3人の中では深谷が一番グランプリに近いと言えるが、少しの取りこぼしも許されない。しばらくの間、神経戦が続くであろう。
今回の寛仁親王牌は、多くのファンが本場に詰めかけた。そして売り上げも目標の83億円を上回る85億7,311万300円と大成功だったと言えよう。
写真:P-Navi編集部
岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター