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白熱のグランプリ出場争い

2024/09/25 (水) 18:00

大阪・関西万博協賛G2・第40回共同通信社杯競輪が宇都宮競輪場で行われ、地元のエース・眞杉匠が優勝を飾った。これで眞杉は今年、G2サマーナイトフェスティバルに続く2度目のG2制覇。今年はG1優勝こそないが、ビッグレースを2つ勝ったことで、賞金ランクは6位に大きくジャンプアップした。残すG1は寛仁親王牌と競輪祭だが、KEIRINグランプリ出場は、ほぼ当確と言っていいだろう。今年はケガに泣かされ続けたきた眞杉だが、見事に立て直してきた。

共同通信社杯の決勝ゴール

力強さは感じられないが、センスのいいバランスの取れた選手である。抽象的な言い方だが、逆に言えば穴がない、そつがないと言えばいいか。見ていても安心感を与えてくれる。好調時の郡司浩平もこのような感じであった。

健闘が光った恩田淳平

2着は古性優作だったが、3着の恩田淳平の頑張りには頭が下がる思いだ。恩田は競輪界の中でも小柄な部類に入る。聞けばいつもニコニコしていて、メディア対応もすごぶるいいらしい。関東ワンツーではなかったが、恩田の気迫のこもったレースは見事だった。

10月に入れば、いよいよグランプリ争いがいっそう白熱してくる。日本選手権2着の岩本俊介は、共同通信社の初日に落車し、鎖骨を骨折。賞金ランクは8位まで下がった。11位の吉田拓矢までの差は約600万円。ケガの治り方にもよるが、苦しくなってきたと言えよう。

次世代型総合トレーニングセンターの完成予想図

話は変わるが、静岡県伊豆市にある日本競輪選手養成所の宿舎が建て替えられるという。1968年に東京調布市から現在地に移転してから、ほとんど改修もせず、老朽化が進んでいたとのこと。令和の大改修となるのか、現在の候補生宿舎を壊し、新しく宿舎を建てる。宿舎だけでなく、その建物はトレーニングルームもあり、ほぼすべての機能がそろうらしい。報じたメディアのイラストを見た感じでは、まるで空港の滑走路のようなデザインだった。主に使用される400走路までの距離が大幅に短縮され、室内を通って行けるらしい。

養成所は昔の競輪学校と違い、時代にマッチした運営方針にもなっている。髪型もそうだし、携帯電話の使用も休みとの時に限って認められている。俗にいうX世代対応とでも言うのだろうか。高校野球も髪の自由を認めている強豪校が増えた。「髪の毛で野球をするわけではない」らしいが、野球離れを止めるための一つの策であろう。
施設の完成は2026年秋になるらしい。競輪に没頭できる施設ができることにより、候補生のモチベーションは上がる。ただし施設が良いからといって、それだけで発展はない。当たり前のことだが、その施設を生かすも、ダメにするのも、候補生であり、スタッフである。

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岩井範一

Perfecta Naviの競輪ライター

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