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恋して競輪ハンター

2022/11/17 (木) 11:38

恋して競輪ハンター

木三原さくら「恋して競輪ハンター」121 Hunting

先日、今年最後の玉野競輪の放送に出演してきました。何度も通った岡山から玉野までの道のり。陽が落ちるのが早くなり、通り過ぎる山々は紅葉していました。ちなみに岡山から玉野競輪の最寄り、宇野駅までは電車かバスで向かうのですが、電車では山の中を走り、バスでは海の方を走ります。どちらの景色も素敵なのですが、バスから児島湾の景色と夕焼けを見ながら行くルートを選ぶことが多いです。知ったかぶって、児島湾などと言っていますが、あそこが「児島湖」という人口の湖と知ったのは、実は最近のこと。競輪場に通いながら、少しずつ岡山・玉野を知ることができた1年でもありました。

さて、今回の11月12日から14日のミッドナイト競輪は、元競輪選手である三宅伸さんが、解説として新たな道を歩み始めた開催でした。緊張しながら、合間に「今の発言は、大丈夫じゃった?」と確認しつつ、『やっさん』こと西谷康彦さんと、ワイワイお届けしました。

そんな伸さんの解説デビューシリーズのA級決勝。地元選手は2名が勝ち上がってきました。
石丸寛之選手と山崎泰己選手です。
二人は初日特選組で、その初日特選の並びは石丸選手が前でした。しかし、準決勝を経て、山崎選手の動きが良いということで、決勝では並びが逆になり、石丸選手が番手になりました。
その山崎選手の準決勝は、前々に動いて、後方からカマしてきた島村匠選手の番手の中村雅仁選手を捌いて、位置を取り切り、さらに、そこから捲り追い込んでの1着でした。タテに、ヨコに、自力自在なレースは強かったです! そのレースを経て、決勝と言うことならば、位置取りからの捲ってワンツーかな? と、放送準備をしながら、私は想像していたのです。

しかし、さすが同県で、共に汗と涙を流した仲間。やっさん、伸さん共に、私が考えていた展開とは違いました。自在な走りができる山崎選手ですが、その動きをすれば、石丸選手の追走は厳しいかもしれない。むしろ、伸さんから「石丸選手が番手なら、山崎くんは腹くくって行ってしまう(先行・早めの仕掛け)かも」と言う言葉も。つい、前を回る選手の持ち味ばかりに目がいき、ラインを組む選手との関係、どうしたら前後を入れ替えた意味があるのか、というところを見落としていたことは、目から鱗でした。
インターネット放送のコメントで同じような指摘をしている競輪ファンの方もいて、「さすがだなあ」と思いながら、車券予想を軌道修正。山崎選手が一気に主導権を握り、石丸選手が番手から出る展開を考えて、別線の点数上位選手との折り返しで、勝負をすることにしました。

レースは、埼玉の荒木貴大選手の先行を、山崎選手が早めの巻き返しに行きました。荒木選手を叩ききれないとなるや、その番手の点数上位である飯嶋則之選手の横にへばりつきます。この動きで、飯嶋選手が出られない隙をついて、石丸選手が自ら捲り発進。ゴール前では、それを追った中村雅仁選手にかわされ、石丸選手は惜しくも2着となってしまいましたが、軌道修正した結果、3連単をゲットすることに成功しました!

車券購入に大切な要素として、『記憶力』があると思っています。
初日に良いレースをしていたので、着は悪いけれども、狙ってみよう!
前の開催で先行していたから、今開催も先行があるかもしれないな!
この二人の連携って前、成功していたよね?
そのようなことを、一つずつ記憶の引き出しから取り出しながら、いつも車券を買っています。ただ、選手の状態は、日々変化していきますし、レースも二度と同じ状況になることはありません。その時、その時の状況に応じて、考え方を変えていくこと、記憶にとらわれ過ぎない展開予想が大切だと今回、思いました。

解説二人の話と展開を聞いて、この2カ月の不調が嘘のように、今回の玉野ミッドナイト競輪は、好調な成績で終わることができました。少し不調の原因を見つけられたのかも?と思いながら、玉野での2022年最後のお仕事を終えました。

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【恋して競輪ハンター・過去コラム】
120Hunting「新人選手を追いかける楽しみ」
119Hunting「それでもリングに立ち続ける」
118Hunting「三つ巴の徹底先行が生んだドラマ」
117Hunting「競輪人生10年目!」
116Hunting「ベテラン郡英治選手の走り」
115Hunting「2時間悩んだオールスター決勝」
114Hunting「あとの祭~サマナイを振り返って」
113Hunting「吉田輪太郎のラストラン」
112Hunting「競輪イチ諦めの悪い車券」
111Hunting「日野未来の松戸優勝」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。
好きな選手のタイプは徹底先行!
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

恋して競輪ハンター

木三原さくら

2013年夏に松戸競輪場で ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。 以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。 番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。 好きな選手のタイプは徹底先行! 好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。 “おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

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