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国際自転車トラック競技支援競輪

2019/05/01 (水) 05:51

国際自転車トラック競技支援競輪

平成最後__このフレーズは聞き飽きたが、4月28日に終わった伊東温泉G3国際自転車トラック競技支援競輪。これはまさに“平成最後のG3”だった。外国人はグレーツァー(オーストラリア)、ブフリ(オランダ)、トルーマン(イギリス)と、そうそうたるメンバーが揃った。特に、グレーツァーとブフリは世界のトップ。これまでに2人でどれだけのメダルを集めたことだろう?それだけに車券を買わずとも、彼らの走りを見るだけで価値があるというものだ。現に競輪場にはそれらしきファンの姿も見られた。
決勝は予想通り短期登録の外国人3選手が勝ち上がった。ブフリが先行で、番手にグレーツァー、3番手にトルーマン。腰痛が少し出ているブフリが追走にやや不安が残るということで決まった並びのようだが、とにかく鉄壁のラインが形成された。
レースではブフリが赤板から早くも先行。スピードを上げて瞬く間に外国人3選手が出切った。こうなればもう敵はいないも同然で、案の定、番手のグレーツァーが早目に踏み込んで優勝。2着にはトルーマンが流れ込み、ブフリは早駆けがたたったのか5着という結果に終わった。

ここで思ったのは「日本人選手は一体、何を考えていたのか?」ということだ。外国人3選手を前に出させて、捲れるとでも思っていたのか。ましてやこの開催は松戸G1日本選手権競輪に出られない選手が参加。厳しい言い方をすれば、2線級の選手になる。その日本人選手たちが1着を諦めたような走りとは本当に情けない。勝手な思い込みかもしれないが、筆者の目にはそう映った。外国人選手を出し抜いてやろうとすれば、あんな単調な競走はしないであろう。車券的に2車単で180円と、手堅く収まったが、日本人 VS 外国人の攻防は全く見られなかった。それを期待した方がおかしいのかと、思った程である。そして、もう一つはブフリの走りである。どこからスパートしても構わないが、5着という結果はいただけない。せめて3着までには入らないと。ブフリ級の選手が引き出し役で終わってしまっては興醒めだ。

トラック支援という試みは大賛成である。だが、時期をもう少し考えてもらえないだろうか?G1レース前節ということで2線級しか集まらない。それで外国人、それもトップレベルの選手たちと戦うのは無理があるだろう。ましてや来年は東京五輪を控えている。盛り上げるためにも、ここはS級S班を参加させるべきであろう。
また、盛り上げるという意味で残念だったのが、永井清史(岐阜88期)と稲村成浩(群馬69期)の扱いだった。稲村は1990年世界選手権のタンデムで、高校生ながら銀メダルを獲得した。永井は2008年の北京五輪ケイリンで日本人初のメダル(銅)を獲っている。最近、彼らの成績が芳しくないと言っても、かつての戦績を謳っても罰は当たらないはずである。ただでさえ1線級が不参加ならば、開催を煽るということで、永井や稲村を全面に押し出しても良かったように思える。結果、永井は決勝で3着と、健闘した。表彰台を五輪、世界選手権のメダリストが独占しただけでも、国際自転車トラック競技支援という名目に格好がつく開催となったのだから。

女子の『ガールズケイリンインターナショナル2019』は小林優香(福岡106期)がファンリーセン(オランダ)、グロ(フランス)を打ち破った。特に、今年の世界選手権スプリントで銅メダルを獲得したグロに勝ったことは小林にとっては大きな自信になったはずであろう。

そして、最後にもう1度、念を押すことになるが。
次回以降は是非、開催時期を考え直して欲しいものだ。

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岩井範一

Perfecta Naviの競輪ライター

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