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災害時の対応と義援金

2018/07/29 (日) 07:23

災害時の対応と義援金

死者200名を超えた西日本豪雨、いまだ被災地では多くの人々が苦しんでいる。全国からボランティアが集まっているが、復興にはまだまだ時間を要しそうだ。
ロックバンド・X JAPANのYOSHIKIが1,000万円を寄付。著名人が名前を出して寄付を行うことについて欧米諸国は好意的(有名人が率先して寄付することで寄付活動が広がる)だが、日本は国民性なのか黙っているケースも多い。であるが、今回は嵐のメンバーも被災地を訪問、義援金を送るなどの活動を。ボートレーサーの吉田拡郎(岡山90期)も500万円を個人で寄付している。
東日本大震災、熊本地震の時も日本は一つになって助け合った。芸能人、スポーツ選手もこぞって寄付を行ったと記憶している。2015年にはボートレーサーの守田俊介(滋賀74期)がダービーの優勝賞金3,500万円をポンと、東日本大震災の被災地に寄付したことでも話題になった。

それでは、競輪界はどうだろうか?この原稿を書いている時点で、大きな動きは見られない。聞いたところによると、東日本大震災、熊本地震の時には各競輪場の開催中、参加選手一律500円の寄付があったとのこと。しかし、これは少しおかしな話しである。寄付は強制するものではないし、一律いくらというように決めるものではない。500円でいいと思う選手もいるだろうが、もっと寄付したいと思っている選手もいるのではないか。もちろん、ことある度に100万円以上の寄付をする選手もいる。また、表立っていないが、日頃から社会福祉のためにと、活動している選手もいる。
寄付は各々の考えがあるが、開催に関してはどうか。今回、小倉競輪が最終日を中止にしたが、小松島記念最終日は開催した。小松島自体は豪雨の影響が少なかったかもしれないが、近隣県や岡山県、広島県では多数の死者が出ている。市民感情を考えれば、中止にするべきだったように筆者は思うのだが。

2014年8月20日、この日を覚えているだろうか?広島市内で土砂崩れが発生し、多数の犠牲者が出た。この時、広島競輪はF2の前検日で、21日が初日であった。同じ市内での災害であったはずなのに普通に開催した。必死に消防、警察が生き埋めになっている人間を救出していたのに、かたや競輪は開催。同じ広島市内で人間の尊厳を守る戦いをしている者がいながら、ギャンブルである競輪が行われていた。開催を決断したのは広島市で、筆者は広島市の対応に疑問を感じ、憤ったものである。尚、今回の西日本豪雨の直後に、ボートレース(宮島競艇場)でも開催があった。

災害の後は必ずと言っていいほど、復興支援競輪が行われる。売り上げの一部を寄付するらしいが、その数字は明らかにされていない。この開催はいくらの売り上げがあって、いくら拠出した。そんな話しは聞いたことがない。復興支援を銘打つならば、実態を公にするのは当然のことであろう。しかし、残念なことに競輪業界は不思議なことにそれがない。

ギャンブルである競輪、ボートレースが市民権を得るのはなかなか難しい。少しでも一般の国民の理解を得るには、災害時の開催は控えるべきであろうと、筆者は考える。団体、個人の思惑はあろうが、大切なのは被災して苦しんでいる人間がいることだ。利益を追求するあまりに最も大切なことを忘れている気がしてならない。

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岩井範一

Perfecta Naviの競輪ライター

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