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【競輪祭予想】脇本不在で暗雲立ち込める近畿勢、一発逆転を狙う伏兵候補は?/ 競輪予想・ウマい車券

2025/11/19(水) 12:00 0 5

小倉競輪場で8日に初日を迎えた「競輪祭(GI)」。直近1ヶ月プラス収支と安定した成績を見せている「西山ヒロカズ」が今シリーズの展望と注目選手を紹介します。
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小倉競輪場(写真提供:チャリ・ロト)

 11月19〜24日まで、小倉競輪場を舞台に今年最後のGI「第67回朝日新聞社杯競輪祭(GI)」が開催されます。年末の「KEIRINグランプリ2025」への出場権をかけた最後の戦いとなる今大会。すでにグランプリ出場を確定させている選手たちの動向、そして残された枠を巡る熾烈なボーダー争いから目が離せません。

■グランプリ確定組の現状と課題

 すでにグランプリ出場を決めている選手たちも、年末の大一番に向けて調整と連係の確認、そして「競輪祭」制覇へ向けて万全の態勢で臨みたいところですが、各地区ともに不安要素を抱えているのが現状です。

 今年の特別競輪を席巻した近畿勢ですが、特筆すべきは…今年のオールスター競輪を制し、タイトルホルダーの仲間入りを果たした寺崎浩平(31歳・福井=117期)がキーマンとなりそうです。グランプリでは近畿の先頭を担いそうで、圧倒的な"近畿有利"の流れだったのですが…、先月の「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」で脇本雄太(36歳・福井=94期/欠場)は練習中に負傷してしまい、予後経過も微妙な状態で今大会も欠場となってしまいました。

 さらに、脇本と双璧を成す古性優作(34歳・大阪=100期)も、7月の「サマーナイトフェスティバル(GII)」での落車以降、本来の絶対王者と言われた圧倒的な強さは影を潜めている印象です。

 ここにきて暗雲が立ち込める事態となっていますが、当然グランプリ制覇へ向けては脇本の復帰、古性の復調は絶対条件です。ですが、双璧の状態が万全でない分、寺崎は近畿勢を牽引しながら、輪界屈指のスピードで他派を圧倒して、己の力で頂点を掴み取ることができれば、名実ともに"第三の男"からの脱却を果たせるのではないでしょうか。年末の大一番に向けて、ここでは寺崎の個のレースに期待したいですね。

寺崎浩平(撮影:北山宏一)

 関東勢は眞杉匠(26歳・栃木=113期)と吉田拓矢(30歳・茨城=107期)が、グランプリ本番でも連係を見せるでしょう。しかし、「サマーナイトフェスティバル(GII)」以降、特別競輪の決勝で2人の連係が実現できていない点は懸念材料ではあります。今大会で再び決勝での連係を果たし、好結果を残す事で年末へ向けて状態を最高潮に上げておきたいところです。

 南関東で唯一グランプリ出場をほぼ確定させている郡司浩平(35歳・神奈川=99期)。ボーダーライン上で戦う同地区の松井宏佑深谷知広をアシストし、是が非でもグランプリへの加勢を謀りたい思いは強いでしょう。しかし、郡司自身がすでに今年の特別競輪で二度の失格を喫しており、いわゆる"イエローカード"の状況で余裕は決してなく、仲間への援護と自身の競走のバランス、難しい判断を迫られる立場にあります。

 寛仁親王牌で地元九州に久々のGIタイトルをもたらした嘉永泰斗(27歳・熊本=113期)は、タイトルホルダーとして初めて迎えるGIの舞台となります。名実ともに九州のエースとして、他地区の強豪を相手に堂々たる戦いを見せてくれるでしょう。

嘉永泰斗(撮影:北山宏一)

■ボーダー争いは激戦必至

 現在(2025年11月17日時点)、賞金ランキング7位と奮戦中なのは、輪界有数のマーカーとなったベテラン南修二(44歳・大阪=88期)。長年、近畿地区の屋台骨を支え続けた仕事人は、今年の共同通信社杯において、史上最年長でのビッグ制覇を成し遂げ、いま競輪人生の最盛期を迎えています。さきほど、個のレースに期待すると述べた寺崎も、この人が決勝に乗ってくればその走りに変化が見られそうです。元来持つヨコの厳しさに加え、上位で通用するタテ脚を鍛え上げた名マーカーが自身初のグランプリへ向け、この位置を守り抜きにかかります。

 そして、グランプリ出場の最後の枠には”平成の怪物”深谷知広(35歳・静岡=96期)。令和の時代でも破壊力抜群の自力は健在で、一回り年が離れた若手機動型を難なく力で捻じ伏せる走りには、穴党の筆者といえど感嘆の溜息が漏れる一方です。大舞台での豊富な経験値も大きな武器であり、現状維持というより、一気にボーダーを突き破る走りができるかが注目です。

南修二(左)と深谷知広(撮影:北山宏一)

 ただ...この両者を猛追する面々も精鋭揃いであり、南、深谷といったトップレーサーたちとはいえ、気の抜けない戦いが続きそうです。

 今年の4月に追加選出で、初のS級S班となった犬伏湧也(30歳・徳島=119期)ですが、ここまで記念を一つ優勝したのみと、その期待に応える走りは見せられていません。ただ、昨年の当大会では準優勝を飾っており、躍進の契機となった相性の良い舞台で、正真正銘のS級S班の座を掴みとれるか要注目の存在です。

 犬伏が奮起すれば、当然、松本貴治(31歳・愛媛=111期)にもチャンスは出てくるでしょう。寛仁親王牌の準優勝が記憶に新しい一車は今年に入り、自力自在な走りに益々磨きが掛かった印象で、目標不在の一戦でも上位には欠かせない一車となりそうです。

松本貴治(撮影:北山宏一)

 松井宏佑(33歳・神奈川=113期)が持つトップスピードや強烈なダッシュ力は、先に述べた犬伏や寺崎に対抗できるレベルにあります。南関東の核弾頭として、深谷、郡司を引っ張りつつ、一昨年悔し涙を流したこの舞台で、捲土重来を期す思いは強いでしょう。

 そして、影をも踏ませぬ突っ張り先行で他派を震え上がらせるのは、ご存じ新山響平(32歳・青森=107期)で、まだまだグランプリを狙える位置につけています。他地区の若手機動型も多く揃った今大会ですが、その中にあってもラインの先頭で己の役割を全うし、ここ一番では奥の手のスピード捲りも用意しながら、活路を見出す姿に変わりはありません。  

新山響平(撮影:北山宏一)

■一発に懸ける伏兵達!

 ここまで、賞金ランキング上の熾烈な争いについて述べてきましたが、競輪祭は一発優勝によるグランプリ出場というドラマが生まれやすい大会でもあります。ランキング下位の選手にとっては「優勝」のみがグランプリへ向けてのラストチャンスです。ましてグランプリ確定組が不安を残す現状なら、アッと驚く結末があっても不思議ではありません。そんな一発逆転を狙える伏兵を以下に記します。

 世界の舞台で活躍する太田海也(26歳・岡山=121期)が、その筆頭格にあたるでしょう。競輪の経験は浅いものの、その規格外のスピードはGIの舞台でも通用することを証明済み。秘めた潜在能力は今大会でも一番で、上手く歯車がかみ合えば...あわやのシーンは十分考えられます。

 また、上位勢が手薄な決勝戦が考えられる今大会において、山口拳矢(29歳・岐阜=117期)の存在を忘れてはいけません。自在な位置取りと鋭いタテ脚で、混戦になればなるほど強さを発揮するタイプです。他地区と比べ、層が薄い中部地区に所属しているのがネックですが、かえってマークが薄くなる可能性は高く、車券的にも妙味たっぷりの存在です。

太田海也(左)と山口拳矢(撮影:北山宏一)

 以上、述べた選手以外にも、浅井康太(41歳・三重=90期)や、清水裕友(31歳・山口=105期)、そして昨年の「9番目の男」岩本俊介(41歳・千葉=94期)といった、歴戦の強者達が最後の椅子をかけ、持てる力を余すことなく発揮する、様々な思惑が交錯する6日間となるでしょう。

 最後の最後まで目が離せない激戦が繰り広げられることは必至で、我々の想像の上をいく結果に感嘆のため息をつかされるのは間違いありません。選手達の夢、ファンの期待、驚愕のスピード戦、ラインの絆など、まさに競輪に携わる全ての人の祭典「競輪祭」。その一瞬一瞬を目に焼き付けていきましょう。


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