名古屋競輪開設72周年記念金鯱賞争奪戦、決勝メンバーが出揃いました。

　S級S班の清水裕友の脱落は残念ですが、盟友松浦悠士が孤軍奮闘の走りをしています。

　清水の調子が戻らない要因の一つに「攻めるレース」をしなくなったことが挙げられます。自力選手としての攻めるレースではなく、番手に飛びつくような攻めるレースです。

　清水が売り出すきっかけとなったのは、2018年6月の函館記念準決勝でした。当時先行バリバリの三谷竜生の番手は村上義弘。S級2班だった清水は、当て馬として組まれました。そして、三谷の後ろでイン粘り。清水のイン粘りはあまり浸透してなかったので、村上のところに飛びついたのは驚きました。横も強い村上を攻める選手はほとんどいない中、負けはしましたが清水のガッツ溢れる走りはとても印象に残りました。

　その後、競輪祭決勝で平原康多を競り飛ばしたり、随所にハングリーさを感じました。今の清水は「スマートに走ろう」という気が強くて、売り出し当時のハングリーさが足りないような気がします。自力選手として、仕掛けるタイミングを逃さないのも大事ですが、自在選手として強い先行選手の番手を狙うことも「攻めるレース」だと思います。清水の奮起を期待します。

　決勝戦のメンバー、ライン構成は以下の通り。

①松浦悠士(広島・98期)ー⑨小川真太郎(徳島・107期)
②東口善朋(和歌山・85期)
③渡邉雄太(静岡・105期)ー④内藤宣彦(秋田・67期)
⑤眞杉匠(栃木・113期)ー⑦阿部力也(宮城・100期)ー⑧伏見俊昭(福島・75期)
⑥高橋和也(愛知・91期)

　このメンバーで先行しそうなのは⑤眞杉です。初日特選、単騎で松浦を捲って1着から始まり、2次予選、準決勝と逃げて結果を残しました。対して受けて立つ①松浦は、優勝戦のインタビューでは「相手が誰だろうと関係ない。自分のタイミングで仕掛けるだけ」と悠然と構えていました。初日先行した③渡邉雄太は、決勝は中団を取って捲るのが理想だと思います。基本的な考えは①松浦が前、中団が③渡邉、後ろが⑤眞杉です。

S．①⑨ ② ③④ ⑤⑦⑧ ⑥

　この並びで考えると、まず③渡邉が動いて⑤眞杉ラインを出させようとします。①松浦は引いて8番手から巻き返すチャンスを伺います。

打鐘．⑤⑦⑧ ⑥　　　 ①⑨ ②
　　　　　　　③④

　③渡邉は関東ラインに付いてくる⑥高橋を入れるでしょうか？ 難しいところですが、決勝では入れないと考えます。

H．　　　←①⑨ ②
　　⑤⑦⑧ ③④ ⑥

　今節の⑤眞杉を叩くのは①松浦でも困難と予想します。

B．　←①⑨ ②
　　⑤⑦⑧ ③④ ⑥

　⑤眞杉が①松浦を併せ切って優勝するのをメインに考えました。展開有利な⑦阿部ですが、準決勝で抜けなかったので2着と考えます。

狙い目
5ー7ー1892

　①松浦は⑤眞杉に併されたとしても、横の動きで⑦阿部や⑧伏見の位置を狙います。
5＝1ー9732

　⑤眞杉が前受けして捲り勝負にでると、先行しているのは①松浦。今の⑤眞杉なら捉えることは十分可能だと思います。その時は番手の⑨小川を絡めます。
5＝9ー1273

　眞杉の後ろは地区が違う北日本両者。自分が狙う走りをしていいと思います。逆に言うと、ここを逃すとチャンスは巡ってこないという気持ちで挑んで欲しいです。