2021/11/09 (火) 15:00 3
四日市競輪場で開催されている「泗水杯争奪戦(GIII)」の決勝レース展望をお届け! 決勝は本日20時35分発走予定。
ナイター開催の四日市バンクは流れが変わる…! 風との勝負に加え、直線の長さが『自力型には大敵』となる…。オレはそんなイメージを持っている。だが! このイメージを覆すような走りが随所に見られる今シリーズ。中でも岩本俊介の変貌ぶりに驚かされている! 一時は「600mをもがき切る事を心がけている」と話していたが、最近は守りの走りになっているように見えて気掛かりだった。今回参加の野口裕史の走りに触発されているのか? 理由はわからないが、前の走りが甦ってきたぞ。岩本、楽しみだ!
まずは例によって準決勝の振り返りから。10Rは谷口遼平の主導権で浅井康太にグッと展開が向いたが…! 8番手に置かれた坂井洋が11.2秒の上がりタイムでまくりで快勝。勢いある若手の台頭を予感させる一撃に見えた!
11Rは野口裕史が逃げ黒沢征治は先行争いを避け4番手を取ったが、後方に置かれた古性優作がまくり人気に応えた。12Rは橋本智昭と嘉永泰斗の先行争い、山田久徳の先まくりに乗った東口善朋が抜け出し、郡司浩平が突っ込み2着。岩本俊介もしぶとく3着で決勝戦へ駒を進めた。
決勝戦は南関勢が結束し④岩本俊介-②郡司浩平-⑨内藤秀久-⑥中村浩士で折り合った。①浅井康太は単騎、⑦古性優作-③稲垣裕之-⑤東口善朋の近畿トリオ、⑧坂井洋も単騎という並び。(⇐④②⑨⑥・①・⑦③⑤・⑧)
こうなると岩本の主導権で俄然郡司のVが濃厚に見えるが、果たしてスンナリ回れるか? 地元の浅井だってそこは黙ってる訳がねーべ。デキの良い岩本のハコ狙いがVチャンスと考えるはず。もちろん古性だって仕上がりに不安を感じてるようだし、同じ事を画策していよう。となれば今回の妄想に大抜擢するのは岩本に他ならない! 後ろがもつれにもつれ、逃げ切りV。
具体的に展開を整理すれば、浅井の前受けに南関勢が続き、古性がその後から(⇐①・④②⑨⑥・⑦③⑤・⑧)。古性が切り岩本に飛びつくところを、浅井が番手に追い上げるパターンがその1。この場合は④頭で相手は①⑦だろ。
もう一つのパターンは岩本の後位で浅井、郡司が競り合うところを古性がかまし逃げを打つ時。この場合、『競輪は番手』の法則が生きてくる。このパターンなら、稲垣や東口に展開が向く。ただし、古性がかまして逃げれば、近畿勢には坂井がついているはずだし、準決勝の8番手まくりを見ても坂井は車券に絡めておきたい。このパターンなら④③⑤⑧の4車ボックスで狙ってみてはどうだろう!?
…でもね! SSを後ろに背負う岩本が男気先行を打てば、そもそも飛びつく事すら難しい。そうなれば郡司で決まる。 2着は内藤の流れ込みになっちゃうよね…! 冷静に思いを巡らせれば、ここなのかね〜。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。