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太田りゆ“ノーメイクな私の本音”

【太田りゆVS世界】唐突にはじまった武者修行、夢に向かってより高いステージへ

2021/11/20 (土) 18:00 11

 ネットケイリンをご覧のみなさん、こんにちは! 太田りゆです!

 前回は、世界選手権に向かう機内の中で意気込みや目標について書きました♡ 機内モードで♡ その時の私は世界選手権のための2週間の海外遠征の予定と思っていました。…が! 帰国せず2ヶ月、ヨーロッパを転戦することになりました!(・∀・) 今回のコラムで詳しく書いていきたいと思いますが、まずは世界選手権の振り返りからしたいと思います!

世界と戦う太田りゆ選手、ハードな環境の中でも充実した表情を見せている(写真:本人提供)

日本チームとしての初陣! チームスプリントで日本記録更新

 まずはチームスプリント。結果は4位! 世界選手権の結果として、日本チーム初戦として、かなり良いものになったと思います! まだまだ個々に改善点があって、まだまだ完成形ではありませんが、予選・準決・順位決定戦とすべてのレースで日本記録を更新できたことは、今後に繋がると確信できるものと言えると思います(´꒳`) 大きな舞台で3本も走れて本当に嬉しかったです!

自己ベストを更新した個人スプリント

 今回のフランスのルーベのバンクはかなりクセがあって、直線も長く、レースまでの数日でハロンの助走距離・タイミングを調整する必要がありました。いつも上位常連組の強い選手たちもそんなにタイムが出ていない中、私は自己ベストを更新することができました(((o( ˙-˙ )o))) タイムは10,795!! その後1/16決勝は勝ち上がり、1/8決勝で敗退しました。総合順位は10位でした。

今までの世界戦で一番覚悟が決まっていた

世界選手権を振り返り「気持ちが定まっていた」と語る太田りゆ選手(写真:本人提供)

 前回のコラムで、ジェイソンコーチと目標設定をしている時、世界選手権のような大きいレースで『自分の精神状態や身体がどのような反応を起こすのか?』、『100%のパフォーマンスを出せるか?』ということを確認しようと話し合ったと書きました。

 コーチのフィードバックとして「レース当日の行動も精神状態もコントロールできていたし、ハロン前の緊張の瞬間もかなり冷静でいられたし、チームスプリントもスプリントも自分の決めたことをしっかりと出し切れていた」と言ってもらえました。本当に自分でもそう思いました。たぶん、今までで1番覚悟が決まっていたなって。そう振り返っています。

 改善点としてはスプリントの対戦の『戦略面』。これがまだまだ…ということです。今までは脚力トレーニングが練習のほとんどでしたが、今後はレースの戦略面のトレーニングも取り入れて行こうと話をしました。ケイリンはリザーブでしたが、エントリーすることは無かったので出場しませんでした! 上を目指して取り組んでいきたいと思います!

チャンピオンズリーグに参戦

海をバックにひとやすみ(写真:本人提供)

 さて冒頭で書きましたが、なぜ急に2週間の遠征が2ヶ月の遠征になったのかと言うと、『トラックチャンピオンズリーグ』というレースに招待され、出場を決意したからです! チャンピオンズリーグは東京オリンピックや今回の世界選手権などの結果を元に招待制での参加となり、ナショナルチームという括りではなく、『個人』での参戦という形で行われます。

 私は今回の世界選手権のスプリントが評価されたようで、スプリントが終わった日の夜にジェイソンに呼ばれて招待されたことを知りました。「チャンピオンズリーグの招待状が届いたけどどうする? コーチも通訳もサポートスタッフもいないし、何もかも一人でやることになる。だけど絶対に良い経験になると思うんだ。決して強制ではないけど1日考えてみて…」と話してくれました。その横にブノワがいましたが「Don't think you go」とつぶやいていました(・∀・)!

 私も口では「えぇ、不安だなぁ。1人で行けるの? まじ? なんで私なの〜? 大丈夫そう?」(この日の時点では梶原悠未選手の参加しか決まっていませんでした)とは言いつつも、なんだかんだ言って、私は絶対に「いってきます」と言うんだろうなとも思いました。そんなこんなで今はチャンピオンズリーグに参戦しています。出場種目はスプリントとケイリンです!

想像以上! てんてこ舞いの毎日

世界のライバルたちともバンクの外では和気あいあい(撮影:本人提供)

 いつもは全部連盟が飛行機の手配、ホテルの手配等、何でもしてくれて、メカニックもいて、マッサージもいて、もちろんコーチもいて、通訳もいて。みんながいて私はついて行ってレースをするだけで良かったんですけど、今回はそのすべてがない。誰もいない。いつもの環境を身に染みています。

 飛行機の手配からホテルの手配、大会側のオーガナイザーとも英語のメールでやりとりだし…、もちろん毎日のトレーニングもして…。とにかく毎日てんやわんやしています。トレーニングメニューは日本にいるジェイソンから送ってもらえます!

 お金だってもちろん自分持ちです。今回は個人のユニフォームで出場しているんですが、そこには私個人にサポートしてくれている企業のロゴを掲載することができます。今回の遠征費も急遽でしたが、何とかサポートを受けられることになりそうです。チャンピオンズリーグから渡航費補助2500ユーロ(約33万)と5戦すべて走り切っての参加費1500ユーロ(20万)が貰えます。あとはレースで勝てば賞金が貰えますが、優勝賞金はオリンピック金メダリストや世界選手権金メダリストなど、世界トップの選手が集まった中で優勝した人の賞金が約13万です。ガールズケイリンは完全優勝するとその何倍ももらえます。

大会には個人ユニフォームで参戦(写真:本人提供)

お金じゃない、はっきりと言える『夢のため』

 私はチャンピオンズリーグの出場を決意する前、日本に帰ったら競輪祭と名古屋競輪に参戦する予定でした。競輪祭は私が唯一グランプリの出場権利を得るための挑戦ができる開催でした。そんな選手として大事な切符がかかっていましたが、3年後にあるパリに向けて、今の自分が優先すべきことを選んだ結果、帰国しませんでした。

 お金のことをなぜ詳しく書きたくなったかと言うと「日本の競輪を蹴ってまで参加するチャンピオンズリーグは余程稼げるんですね〜」という趣旨の質問をSNSで何通も受け取ったからです。答えはハッキリと「No」です。日本に帰って競輪を走った方が稼げます。稼ぎや儲け、お金の話ではなく、今は自分の夢を追う段階で必要な経験を積みたかったんで す。せっかく世界のトップ選手が集まる場に招待してもらえたのに、参加しないのは後々絶対に後悔すると思って決断しました。ここは誤解されてしまうと気持ちがスッキリとしないので、ありのままの事実を伝えたかったです。みなさんどうか応援して頂けると嬉しいです!

 チャンピオンズリーグのレース日程はこちらです。

日程開催場所
11月6日スペイン・マヨルカ島
11月27日リトアニア
12月2日・3日イギリス・ロンドン
12月11日イスラエル

 実はもう第1リーグは終了しました! レースの結果はよくありませんでしたが、体験したことない素晴らしい演出で、ハイレベルなレースが次々と行われました。レースを走っていて凄く楽しかったです!!

リーグに参戦した日本選手たち(写真左から)窪木一茂選手、梶原悠未選手、佐藤水菜選手、太田りゆ選手、山崎賢人選手(写真:本人提供)

 チャンピオンズリーグはヨーロッパ全国でTV放送されています(日本ではスピードチャンネルで視聴可能!)普段のレースとは違って、かなりエンターテインメント性の強いもので、若干、世界選手権などの国際ルールとは違うこともありますが、『自転車競技ってこんなにカッコ良くて面白いんだな』と思って貰えると感じています。

 毎日が大冒険中の私の様子はインスタグラムのストーリーにたくさんアップしています♡♡♡ みなさん良かったらぜひそちらも覗いてみてくださいね♡♡♡ それでは最後までやり切ってこようと思いますので、応援よろしくお願いいたします!

12月中旬まで続くリーグを戦い抜く(写真:本人提供)

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太田りゆ“ノーメイクな私の本音”

太田りゆ

Ota Riyu

埼玉県上尾市出身。112期生のガールズケイリン選手。2017年7月、高松競輪場でレースデビューし、初勝利を飾る。同開催では3連勝を果たし、デビュー場所で完全優勝という快挙を成し遂げる。また日本代表・自転車競技選手としても活躍しており、2019年にはワールドカップに出場し、ケイリン種目で銀メダルを獲得。2020年11月には全日本選手権女子スプリントで優勝。国内外のハイレベルな戦いに華麗なダッシュで挑み続けている。趣味はメイクとファッション、パワーの源はコカ・コーラ。

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