アプリ限定 2025/12/06 (土) 18:00 8
今年も残すところあとわずかーー。グランプリ出場予定選手も決まり、競輪界は一気に年末の雰囲気へ。2025年の激闘を振り返るべく、今回は“現場”を知る競輪記者の「記憶に残る一戦」をお届けする(企画・構成 netkeirin編集部)。
今年の競輪界もクラスに関係なく記憶に残るレースがたくさんあった。特に現地で取材をしているレースは思い出に残りやすい。中でも、最も衝撃的なレースを挙げるとすれば、日本選手権(名古屋)準決10Rで浅井康太が見せた諦めない走りだ。
浅井はグランプリ2回に加えて、3度のGI制覇を誇るタイトルホルダー。ビッグタイトルを取ったレースはもちろん記憶に残るレースが多い。しかし、一番は2010年の立川記念決勝。柴崎淳の番手で成田和也に競り負けてから、巧みなコース取りと異次元の伸びで優勝をつかんだレースだ。映像で見た時は衝撃だった。今年のダービー準決はその時と同じぐらい衝撃を受けた。
レースは皿屋豊に前を任しての中部2車。自身の1番車を生かし初手は前受けから始めるも、最終ホームは最後方に置かれてしまう。1角付近から皿屋が仕掛けたものの、逃げているのは深谷知広。車が出ていかない。射程圏どころか、「これは届かない」と思うほどの絶望的な位置に置かれた。だが、浅井のレースはここからだった。
最終バックまでは皿屋を追走。3角でわずかなコースを見つけると、接触しながらも耐え凌ぎ、一気に踏み込み加速。混戦の中を縫うように進み、驚異的な伸びで3着へ滑り込んだ。勝利こそ逃したが、存在感と勝負師の執念を示す走りだった。
その後の決勝は7着に敗れたものの、シリーズ通して見せた走りは「浅井康太はまたビッグタイトルを取れる」と確信させるものだった。中部地区はグレード戦で苦戦を強いられることが多い。しかし近況は、中部のエース・山口拳矢と「決まらない」と言われてきた連係も決まってきた。来年はさらに信頼関係を深め、山口ー浅井のゴールデンコンビでビッグ戦線を沸かしてくれるだろう。
| 着順 | 車番 | 競輪選手名 |
|---|---|---|
| 1着 | ② | 岩本俊介 |
| 2着 | ⑨ | 眞杉匠 |
| 3着 | ① | 浅井康太 |
| 4着 | ③ | 武藤龍生 |
| 5着 | ④ | 松本貴治 |
| 6着 | ⑦ | 深谷知広 |
| 7着 | ⑤ | 小原太樹 |
| 8着 | ⑧ | 皿屋豊 |
| 9着 | ⑥ | 石原颯 |
netkeirin取材スタッフ
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