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【競輪祭】KEIRINグランプリ『最後の椅子』奪うのは誰だ!? 現場記者が徹底予想/前編

アプリ限定 2025/11/14 (金) 19:30 7

19日から小倉競輪場で開幕する「朝日新聞社杯競輪祭(GI)」。この大会の結果によって、年末に開催される「KEIRINグランプリ2025」に出場する9名が決まる。“運命の大一番”で『最後の椅子』を奪うのは誰か。前編では、現場を知る町田洋一記者とアオケイ・松野記者が、グランプリ出場を懸けた賞金争いの行方、そして『最後の椅子』を奪う本命選手を語った。

KEIRINグランプリ2024(撮影:北山宏一)

町田洋一記者が考える『最後の椅子』

 昨年も、この企画の記事を書かせてもらった。自信満々で、絶好調だった松浦悠士を推奨したが、決勝で犬伏湧也と共倒れに終わってしまった。

 今年はどうするか。こうして原稿を書いている段階でも、まだ答えが出ていない。
 競馬のGI記事なら、あえて穴馬を推して“読む楽しさ”に寄せることもできる。だが、競輪は違う。車券を第一に考える記者としては、それは本意ではない。

深谷知広(撮影:北山宏一)

 賞金ランキング9位の深谷知広が最後の椅子に座っている現状。優勝なら無条件でGP切符をつかむが、準優勝2514万円、3着1643万円を加味すれば、深谷の8200万円を逆転できるのは、松本貴治(7622万)、新山響平(7436万)、犬伏湧也(6850万)、松井宏佑(6623万)、浅井康太(6605万)、清水裕友(6210万)、岩本俊介(6168万)あたりまでが現実的なラインだ。

 近畿は寺崎浩平が厳しくも人情味のある競輪でGI覇者となった。だが、それに続く存在がまだいない。よって近畿の2段駆けは考えづらい。

太田海也(左)と犬伏湧也(撮影:北山宏一)

 中四国勢も権利保有者がゼロ。つまり、どんな並びになっても“ガチンコ”の勝負になる。犬伏湧也にしても太田海也にしても、誰も助けてはくれない。己の力で獲りにいくしかない。

 関東勢では、佐々木悠葵と森田優弥が、次の順番と何度も書いてきた。ただ、森田の粗削りなレース、佐々木の良い意味での頑固さを考えると、もう少し時間が必要かもしれない。

佐々木悠葵(左)と森田優弥(撮影:北山宏一)

 番手捲りは新規ファンに不評でも、長年の記者生活で、それが競輪の「礎」になっていると思っている。

 もし決勝で恩恵を受けられるのは松井宏佑だろう。郡司浩平と深谷知広は、これまでも“絆"を最優先にしてきた。松井が自力で決勝にたどり着き、郡司・深谷と同乗すれば、最大のチャンスが訪れる。ただ、チャンスを生かせるかどうかは別問題。小田原記念では郡司が発進した。過去に深谷が行ってくれるレースもあったが、獲れないでいる。松井が勝負強さを見せられるか、正念場だろう。

松井宏佑(撮影:北山宏一)

 競輪祭の歴史を振り返ると、優勝は「単騎の一発」か「2段駆け」が定石。武田豊樹と平原康多の“持ち回り”が象徴的だった。

 何の脈絡もない結論になったが、単騎で一番強いのは山口拳矢だ。やらせておいて、最後に自ら捲る。親王牌の嘉永泰斗と同じケースを想定した。

ーー最後の椅子に座るのは、ヤマケン。そう思いたい。

山口拳矢(撮影:北山宏一)

アオケイ・松野記者が考える『最後の椅子』

昨年のリベンジからタイトル奪取へ

 残りひと枠の最有力候補として挙げたいのは現在、賞金ランキング9位(11月14日現在)の深谷知広。競輪祭で決勝2着に入ったとしても条件付きになってしまう為、2年ぶりのグランプリ出場を当確にするには優勝しかない状況だ。

ウィナーズカップ決勝は郡司-深谷-岩本で連係(撮影:北山宏一)

 今年前半は目覚ましい活躍だった。2月の静岡記念、3月の名古屋記念と立て続けに優勝。全日本選抜、ウィナーズカップでも優出に成功し、個人的には早々にS班返り咲きが濃厚かに思っていたが、中盤から後半にかけてはややブレーキ。

 高松宮記念、共同通信社杯で決勝に上がるも7着、5着と大幅な賞金の上乗せはできず、名古屋記念を最後にG3での優勝はゼロ。それでも今年出場したF1戦では全て優勝とコツコツ賞金を積み上げたが、今年は全体的にレベルが高くこの成績を残しても黄信号の現状である。

郡司浩平(撮影:北山宏一)

 ここに助け舟を出すのが盟友・郡司浩平だ。この2人は幾度も好連係を決めており、互いの状態によって前後も入れ替えたりと南関のゴールデンコンビとして活躍。郡司は今年G3で6Vと圧倒的な成績を残して賞金でのグランプリ出場を濃厚としている。

 しかし郡司は今年のオールスター競輪と親王牌で痛恨の失格。仮に競輪祭で失格をしてしまうとグランプリの出場権を剥奪されてしまう為、今回は自ら志願して前を回る競走がメインとなりそう。

深谷知広と郡司浩平(撮影:北山宏一)

 これは妄想だが、この2人は昨年の当大会のリベンジに燃えていることだろう。

 昨年、競輪祭前の深谷の賞金ランキングは10位。勝ち上がり戦は「なんとしてもグランプリに」という強い気持ちが目に見え、順当に準決勝まで駒を進めた。その勝負の準決勝は郡司、深谷に加えてこちらも壮絶な賞金争いの圏内にいた岩本俊介3人の番組。昨年全日本選抜競輪で優勝し、早々にS班復帰を決めていた郡司が前を志願して番手は深谷、3番手は岩本という布陣に。

 初手は車番的にも後ろ攻めを余儀なくされ、寺崎浩平に突っ張られるも郡司はすかさず巻き返す。スピードは上々で叩き切るかに思えたが、寺崎の番手古性優作が強烈なブロック(斜行失格)で郡司はバランスを崩してしまい、番手の深谷は無念の落車棄権。涙を飲んで2年連続のグランプリ出場は叶わなかった。

 今開催も大一番でこの2人の連係はあるはず。昨年は不完全燃焼に終わった2人の連係。頼もしい仲間の気持ちに応えて深谷がしっかり結果を出す!

深谷知広(撮影:北山宏一)

選手たちを現場で取材してきた記者が挙げた“最後の椅子”候補、いかがだっただろうか。何が起こるかわからないクライマックスの戦いが、ますます楽しみになったはずだ。19日から始まる「競輪祭」。泣いても笑っても、ここで運命が決まる。熱い思いを乗せて走る選手たちの激闘から、目が離せない。

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