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前田睦生の感情移入

【全プロ記念競輪】今年も自転車の魔術師が躍る!? 競輪選手のつながりとは…

2025/05/23 (金) 12:00 12

一昨年優勝時の古性優作とライちゃん

青森で7年ぶりの全プロ

 青森競輪場で「全プロ記念競輪」が5月24〜25日の2日間、開催される。26日には「全プロ競技大会」が行われる自転車のある意味、お祭りだ。青森では2018年に平原康多(42歳・埼玉=87期)がスーパープロピストレーサー賞を制して以来、7年ぶり。吉澤純平(40歳・茨城=101期)の番手で勝ったシーンを思い出すものだが、そんな平原の引退表明には驚くほかなかった。

 あれだけの、すべてにおいて屈強な男が、この決断をすることになるとは…、想像を絶する体だったのだと思うと、もう言葉がない。

 全プロ記念に目を戻そう。古性優作(34歳・大阪=100期)は出場権を昨年の高知大会では持っていなかったので、2年ぶりの出場になる。古性は2回スーパープロピストレーサー賞を制しており、いかなる時でも強さを見せつけている。この大会で古性と言えば「後ろ乗り」が名物。この動きを平然とできることが、そのテクニックの高さを示している。

 ただのパフォーマンスではないことを、古性は戦いぶり、レースの中での細やかな技術で示している。そうした部分についての話は、後日、2024年の年間好プレー大賞の表彰式の際の取材でも掘り下げているので、公開をお待ちください!

新山響平に勝ってほしい

2018年の時の新山響平

「悲運」が付きまとう新山響平(31歳・青森=107期)にとって、こうした地元の大会を勝てるかは、これからにつながる。取るべき大会、を逃さずに取る選手こそが超一流。すでに、“超一流”の選手と言っていいレベルだが、実績は一流にとどまっている。

 古性であり、もちろん脇本雄太(36歳・福井=94期)のような成績を残していい選手。新山が「勝ちに勝ちまくる」というステージに上がるためにも、多少お祭りのようなこの大会でも、勝つことは求められる。

 今回は北日本勢の援軍が少ないが、こうした時でも結果を出せるか。また佐藤慎太郎(48歳・福島=78期)の復活の歩みにも注目だ。一歩ずつ…といったところだろうし、今はまだ展開によるところが大きい。とはいえ、瞳の輝きは完全に戻っている。あのニヒルでちょっとエッチな瞳。さらには、セクシャルなポージングからも目が離せない。やはり、競輪界になくてはならない人だ。

深谷知広のヒザは…

郡司浩平は思うところがある

 深谷知広(35歳・静岡=96期)は一昨年9月の当地・共同通信社杯競輪(GII)を制し、南関の仲間たちと歓喜の雄たけびを上げた。先日の平塚記念決勝も、南関がレースを譲らない、という強い意志を示した。突っ張ってから、踏み上げていくあの姿は感動的だった。

 戦う姿を、カクテル光線を浴びながら敢然と示していた。ヒザを痛めているのはみなが知っていた。特に真後ろにいた郡司浩平(34歳・神奈川=99期)は改めて熱いものを感じただろう。和田真久留(34歳・神奈川=99期)にしてもだ。

「今の自分に深谷さんの役割や、岩本さんの役目を果たせるだろうか。S班の立場なのに4番手を回ってくれて…」

 郡司は準決の晩に一人、思いを巡らせたという。こうしたつながり、思いのぶつかり合いが競輪選手の人生そのもの。ただの個人事業主ではなく、戦士たち。ただの番号ではなく、重い責任を背負った闘士たちだ。

26日の競技大会も楽しみ


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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