2025/05/20 (火) 08:00 2
さあ、いよいよ始まるよ。武雄競輪場で行われるミッドナイトG3、その名も「日本名輪会カップ」。この冠がついたってのは井上茂徳会長はじめ、佐々木昭彦さんたち、名輪会の社会貢献がしっかり評価されたってこと。これは素直にうれしいニュースだよね。
バンクを使ってのイベントも盛り上がっている。児童養護施設の子どもたちを招待してのバーベキューではバーベキューだけではなく、オートレーサーと交流を深め、(レースで使う本物の)バイクで爆音を響かせ疾走する迫力満点の光景を見せたり、子どもたちを固定ローラーに乗せてスピードを測ったり、BMX選手たちの“妙技”を目の前で見せたり。1日を通して行うバンクを使用したイベントもすっかり定番になっている。
で、忘れちゃいけないのが佐賀支部の選手たちと地元の皆さんの協力だよね。こういうのって、誰か一人の力じゃできない。地道に、そして確実に支え続けてくれてる人たちがいるからこそ、競輪場も地域に根付いていくってもんだ。あと、個人的に好きなイベントが「高木真備のワンニャンフェス」。“譲渡会”っていうの? 犬猫のあれ。これまた大人気なんだよねぇ。
今回はミッドナイト開催だから無観客だが、武雄に行くチャンスがあるなら、ぜひ競輪と温泉、人情もぜひぜひ楽しんで欲しいもんだね。
さてと、本題へ行こうか。今回、S班はいない。でも、地元の山田庸平が優勝候補筆頭で間違いない。自力で戦っても強いけど、いい目標があればなおさら。井上昌己とラインを組めれば、展開次第で逆転も十分ある。それから鈴木竜士だ。戦法には幅がある分、混戦になればなるほど、鈴木のようなタイプは怖い。展開ひとつで一気に主役になれる。
で、妄想枠へ。特昇組の木村皆斗と立部楓真。どちらもS級の舞台に帰ってきた選手だ。木村は戻ってからの安定感が抜群、まさに堂々の戦いぶりを見せつけている。立部は地元記念に間に合うように特昇してきた。巡り合わせだろうか? 気持ちも入ってるだろうし、ここで一発決めたいところ。
ただね、競輪あるあるで、地元戦って「気合いが入りすぎて空回り…」ってこともあるんだ。だからこそ、どれだけ冷静に走れるかが鍵になる。うまくレースに集中できれば、両者ともに十分勝負になる。というわけで、今回のミッドナイトG3も好勝負必至! 深夜の熱戦をじっくり楽しもうじゃないか。
妄想は4Rを狙ってみるか。まずは並びから。①木村皆斗-⑥萩原孝之の東日本コンビ、⑤神田龍-④伊藤正樹の中部コンビ、③青木瑞樹-②吉田智哉⑦栗田貴徳で中四国ライン。初手は木村が前受けから、枠なりで青木、後方が神田と考える(⇐①⑥・③②⑦・⑤④)。
もちろん木村が大本命! 突っ張るか青木を逃がしてまくるかの二択だろう。準決勝は2着なら全員だが、3着は2人の厳しい勝ち上がり。木村は後者を選択するべ。そうなると相手は青木を使う吉田が有力で①-②、突っ張れば直線が長いし、もしかしたら萩原の逆転①=⑥もあり! 妄想展開は止めたいが、“一縷の望み”を託すなら青木が逃げての吉田から。青木の残り②-③、木村が届かず②-①、神田の強襲で②=⑤!(なかなか厳しいと思うが!)
さて今回はもうひとつ! 立部の5Rをいってみっか。①晝田宗一郎-③坂本修一-⑤山崎泰己の岡山ライン、④五十嵐綾-⑦稲村好将で東日本コンビ、⑥立部楓真-②瀬戸晋作で九州コンビとなっている。瀬戸がスタートを決め立部が前受けから。晝田がここを追う(⇐⑥②・①③⑤・④⑦)。
五十嵐が押さえ晝田が切り替える。立部が引いて巻き返しマイペースで逃げれる。瀬戸が展開に恵まれ立部の残り②-⑥、五十嵐の強襲②=④、晝田の強襲②=①。その晝田がまくりきって坂本との①-③。ミッドナイトG3は7車立てだし、素直に狙うのも大事なのでは!
そうそう、「レジェンド神山雄一郎カップ」の戦前、『予想は眞杉匠で仕方ない!』と決めつけていたが! なんと初代王者に小原太樹が輝くとは。驚いた! 良い意味で予想を裏切られたよ。“勝負ごとは水もの”とはいえ、こういう結末があるから競輪は面白い。改めて「競輪に筋書きなし」って言葉を実感したよ。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。