2025/05/24 (土) 08:00 6
先日、神山雄一郎の引退記念パーティーに顔を出してきたが、ああいう場ってのは何度行っても独特の空気があるね。開幕は定番の来賓挨拶。ズラリと並んだお歴々が順に口を開くわけだけど、その一つひとつの祝辞を聞いているうちに、「ああ、やっぱり神山雄一郎ってのはスゴイ」と、改めて胸に来るものがあった。
実績? そりゃ言うまでもない。これを超える選手はもう二度と出てこないんじゃないかと思えるほどの存在感だよ。それに加えて人間力、一瞬で虜になるほどの魅力・オーラを備えてる。どれをとっても“超一流”。次の舞台は競輪選手養成所の所長。これがまたハマり役だよね。神山にしか出せない“背中”を見て、そこから何人の逸材が育つか。考えただけでワクワクするよ。願わくば、“神山超え”の怪物が、神山の手から生まれて欲しい。そんな期待すら抱かせるね。
さて、青森の全プロ記念競輪の話に移ろう! この開催は自転車競技のトップ選手たちが集まる場だけあって、とにかくスピードが桁違い。これが見どころのひとつなんだよね。しかも、勝てば親王牌の出場権も手に入る。だから若手の自力型選手たちは、それこそ目の色を変えて走る見応え十分な開催だよ。
それにしても青森って聞くと、ちょっと思い出があってね。50代半ばの頃、バイクでツーリングするのが楽しみだった時期でさ。温泉好きの同期から「東北は温泉天国だぞ」と勧められて、「それなら行ってみよう」って軽いノリで出かけたんだよね。最初の目的地は、盛岡の山奥にある『国見温泉』。クネクネ道を抜けてたどり着いた先には、ちょっと変わった緑色の湯があってさ。これがまたいい湯でね。目を丸くしながら、のんびり浸かって大満足。
そのあとは行き当たりばったりで、北へ北へと進路をとりながら、各地の温泉を巡った。こういう自由気ままな旅ができるのも、ツーリングの醍醐味だよね。旅のクライマックスは下北半島の霊山・恐山。イタコに会いに行ったわけじゃないけど、一度は行ってみたくてね。そしたら、なんと境内に温泉があるじゃないか。興味本位で入ってみたら、これがまた不思議な感覚。スッと肩の力が抜けるような、何年分もの疲れが流れ落ちるような、そんな気持ちになったよ。
で、そのあと大間に行って「本場のマグロを!」と思ったら、「いいマグロは東京で食べた方がいい」って。聞けば、“いいもの”は東京に出荷されるからって話で、妙に納得しちゃったな。結局、青森市内で一泊して、龍飛崎を経由して日本海側を回りながらゆったりと帰路に。こうして10日ほどの放浪ツーリングを楽しめたのも、理解あるカミさんのおかげ。ホント、ありがたいと思ってるよ。
さて、予想の話をしようじゃねえか! 今回は優秀競走は3つとも予想するから、ぜひ参考に見ていって欲しい。詳しく書くのは10Rにしよう! いつも通り並びから整理する。①眞杉匠-⑨吉田拓矢の栃茨に⑥佐藤慎太郎、西日本ラインで⑦犬伏湧也-②清水裕友-⑤荒井崇博、近畿ラインで④窓場千加頼-③南修二-⑧三谷将太となっている。
初手の並びは枠なりで眞杉が前受けから。犬伏、窓場の順になろう(⇐①⑨⑥・⑦②⑤・④③⑧)。勝負どころで窓場が押さえに行くが、そこは眞杉が突っ張り出させるはずがねえ。ってーことは犬伏の仕掛けを待つ展開だね。そうなりゃ展開は清水に向く。清水が犬伏を差し切る②-⑦に荒井が流れ込む②-⑤、眞杉の強襲逆転②=①、眞杉がまくりきってヨシタクとの①=⑨、ここまでが本線だね。
では妄想予想へ行ってみるべ。南がスタートを決め、窓場が前受けになったら! 眞杉がこの後を追う。犬伏が後方から。⇐④③⑧・①⑨⑥・⑦②⑤の形だ。これだと犬伏が押さえて出る。そこを眞杉が犬伏を叩く。すると窓場がカマせるってことなり初手の並びに戻る。
眞杉は犬伏の仕掛けを待つ。犬伏も眞杉の仕掛けを当てにする。すると南が抜け出し恵まれ、眞杉の強襲逆転で③=①、三谷の流れ込み③-⑧! 南が“近畿の競輪”をやると、強烈な牽制をするだろ。眞杉までは出てもヨシタクは止める。そうなれば三谷の浮上で①=⑧。南が眞杉もブロックすれば三谷が突き抜けて高配当だべ。三谷-全-全で勝負する手はあるべ。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。