2025/05/19 (月) 12:00 8
武雄競輪場でミッドナイトGIII「日本名輪会カップ オッズパーク杯」が5月20〜22日の3日間、開催される。4月武雄記念「大楠賞争奪戦」を制した地元の山田庸平(37歳・佐賀=94期)も斡旋されている。
大楠賞を制した後、「次のGI(名古屋ダービー)で結果を残せれば、今年やれるかも」。そう話していたものだが、二次予選敗退と悔しいシリーズとなってしまった。とはいえ、戦いぶりは決勝に上がっていておかしくないもの。脚力は十分ある。今回、もう一度弾みをつけるためにも、本人はそこまで意気込んでいないと思うが、やはり優勝しかない。
レース内での余裕ぶりは目を見張るものがある。フォームを探求し、地道に努力を重ねてきた。若いころは、あまり…。兄・英明(42歳・佐賀=89期)は泥臭くいろんな人のアドバイスを聴き、できることをすべてやって強くなっていった。庸平は茫洋とした性格で「そのうち強くなるやろ」みたいな感じだったが、洗練されている。
天真爛漫な笑顔を、深夜に爆発させる。
鈴木竜士(31歳・東京=107期)は2月の小松島ミッドナイトGIIIを優勝している。その3日間の動きの良さは輝いていた。小松島競輪場は海に隣接していて、夜、うなぎを獲る漁船が鮮やかな光で海面を照らしていたもの。
リュウジはバンク内をうなぎのように躍動し、あらゆる動きを見せて光っていた。今回はもはや深緑の武雄バンク。鷹のように、ハードに獲物を狙っていく。先行選手から、番手勝負辞さずのマーク屋になり、また自力に戻し、と変遷のある選手人生。まさに、魅力の塊だ。
強気一辺倒も勝負師の条件。GIを狙う地点まで、今年の前半戦でアピールし、後半戦は「やるよ」。品川神社での祈りは、忘れていないはず。
このミッドナイトGIIIにはガールズケイリンが2個レースが組み込まれているのだが、こちらも前2回(佐世保、小松島)と注目を集めてきた。開催としては普通開催に当たるものでも、やはりGIII内での戦い。
今回は石井寛子(39歳・東京=104期)が主役を務める。ガールズケイリンのレース形態を進化させてきたといっていい。縦横無尽に動き、位置を取る時、自力を出す時、すべてにお手本のような走りを見せてきた。全体のレベルが上がり、単純なスピード比べでは苦しいケースはあるものの、昨年のグランプリのように大きな勝負観を使えるのも武器だ。
一撃秘める飯田風音(23歳・埼玉=120期)や地元の田中月菜(24歳・佐賀=118期)も目立つチャンス。ポテンシャル高い又多風緑(23歳・石川=122期)も、飛躍の一歩のシリーズにできるか、気になるところだ。
男子では北津留翼(40歳・福岡=90期)もスタンバイOKだぞ!!
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。