2025/05/09 (金) 12:00 14
平塚競輪場で「開設75周年記念 湘南ダービー(GIII)」が5月10〜13日に開催される。名古屋ダービー(日本選手権競輪)の盛り上がりから間もないところ。連戦になる選手たちには大変だが、選手たちはみな気持ちを切らすことはできない。
今年、高いレベルで安定している郡司浩平(34歳・神奈川=99期)だが、GIにおいては2月豊橋の全日本選抜競輪に続き、ダービーも準決で4着。決勝に乗れていないのは痛手だ。状態がいいだけに、賞金の上積みは必須だった。結果が欲しい序盤につまづいてしまった。その無念を、きっちり平塚で晴らす。
援軍の充実ぶりは言うまでもなく、郡司が求められるのは優勝だけ。KEIRINグランプリへの賞金の話をするのはまだ早いものの、全日本選抜、ダービーの2回の失敗は、埋めておきたい。後れを取ることなく、後半戦に向かう。
郡司が優勝した2021年10月大会は台風で1日順延する事態だったが、郡司は若いころから落ち着いている選手で泰然自若だった。だから今も、本当は特に心配はいらないのだろう。
S班として初のGIに挑んだ犬伏湧也(29歳・徳島=119期)は攻めていた。ただとにかく何をおいても、準決の4着…。自分の走りができて、チャンスが来た時にそのチャンスを逃さない仕掛けだった。
菅田壱道(38歳・宮城=91期)と吉田拓矢(30歳・茨城=107期)が3、4番手の位置から伸びてきたのは仕方ない。力的に、なんとか3着で、でも決勝へ…という展開だった。誤算はやはり古性優作(34歳・大阪=100期)。犬伏としては寺崎浩平(31歳・福井=117期)を後方にして…と、いい形に持ち込んだ。
そうすることで古性をも封じられる…はずだった。このレースは、古性がすさまじすぎた。
平塚は昨年8月のオールスター競輪は準決8着だったものの、一昨年5月ダービーは準決3着で初めてGI決勝の舞台に立った場所だ。今の走りで、勢いを加速させていく。
昨年8月小田原記念(北条早雲杯争奪戦)の決勝で南関勢が7車並んだ時は物議を醸した。そこまでの経緯、つながりがあって、その時は結束ということに決まった。だが今回は、自力の深谷知広(35歳・静岡=96期)、岩本俊介(41歳・千葉=94期)もいるので、5車決勝に…でまとまれるかどうか…になりそうだ。
基本的には南関ラインで戦っている同士でも、割り切ってお互いの力をぶつけることも競輪の醍醐味の一つ。松井宏佑(31歳・神奈川=113期)ー郡司で並んで、深谷ラインを突っ張りあげることも十分ある。
容易には何もいかないのが競輪。今回のドラマがどうなるのか。決勝のメンバー構成は、そこでの決断は…。楽しみは膨らむばかりだ。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。