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鈴木誠のハイブリッド展望

【北条早雲杯争奪戦予想】初日からピンピンピンの3連勝で決勝進出! 目標不在ながらも機動力を生かして、初の記念完全優勝を目指す守澤を止めるのは誰だ?/鈴木誠の展望

2021/08/29 (日) 12:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は小田原競輪場で開催されている北条早雲杯争奪戦の決勝レース展望です。

中四国は別線を選択! 地元の期待を一手に背負った松井の走りにも注目!

 準決勝はどのレースも落車があり、人気の平原選手、深谷選手が落車。車券も大荒れとなりましたが、その中でも堅く収まった9レースを快勝したのが、特選から無傷の3連勝で決勝に進んできたのが守澤選手です。準決勝の走りを見ても余裕がある走りをしていましたし、調子は絶好調と言ってもいいでしょう。

 その決勝に守澤選手と共に名を連ねたのが、11レースを勝利した清水選手です。それほど調子がいいようには見えませんが、ただ、踏みどころや、前々でレースを進めていく意識があるので、絶好調ではなくとも結果を残せているのでしょう。また地元のファンにとっては、松井選手が決勝に残ってくれたことが嬉しいはずです。

 並びですが、4車が決勝に乗ってきた中国四国ラインは別線を選択しました。清水選手の後ろには柏野選手、佐々木選手の後ろが久米選手となります。北日本ラインの並びは守澤選手が前で、後ろが佐藤選手。南関東ラインは松井選手ー田中選手で、石塚選手は準決勝と同じように単騎となりました。

 細切れ戦らしい混戦のレースとなっただけでなく、徹底先行型もいないメンバー構成となりましたが、その中で主導権を握っていくと見ているのが、松井選手と佐々木選手です。

 佐々木選手はファン投票で選ばれたオールスターでは、不甲斐ないレースが続いていましたが、この【北条早雲杯争奪戦】では連日ともに、その悔しさをぶつけるかのように、早め早めの仕掛けを見せています。

 それだけに並びがどうなるかも注目ですが、スタートは松井選手が取りそうです。車番的に3番手には守澤選手、その後には清水選手がいて、単騎の石塚選手はその後ろあたりにいるのではと見ています。車番の悪い佐々木選手は、8番手から抑え先行に入ると思いますが、その時に松井選手がどう対応していくかでしょう。

 一瞬のスピードでは、佐々木選手よりも松井選手の方が上回っています。それでも佐々木選手が先行争いをするようなら、その後ろにいる清水選手の先捲りが考えられます。

 一方、松井選手が一度引いてから巻き返していった場合に、守澤選手がイン切りなどをして3番手を取れていたのなら、完全優勝での記念制覇にかなり近づくこととなります。

 守澤選手は追込選手ながらも、バックぐらいからなら捲れる脚を持っています。細切れ戦の位置取りも上手であり、混戦となった時にも、確実にいいポジションを取っているはず。もし、松井選手が先行体制に入ったとしても、ゴール前で一騎打ちのレースとなるどころか、前に出ることも可能なはずです。

 小田原バンクはどの決まり手でも満遍なく結果が出ている一方で、単走路らしく、仕掛けのタイミングが早くなる傾向にもあります。それだけにレース巧者の守澤選手には願ってもないバンクであり、S級S班らしい結果を残してくれそうです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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