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前田睦生の感情移入

【桜花賞・海老澤清杯】あの完敗から5年…郡司浩平はタテ勝負で脇本雄太を倒せるか

2025/04/18 (金) 12:00 16

郡司浩平のタテ脚に注目

郡司浩平が当大会6Vを目指す

 川崎競輪の「開設76周年記念 桜花賞・海老澤清杯(GIII)」が4月19〜22日に行われる。ナイター開催で実施され、アーバンナイトが燃え盛る。主役はもちろん地元の郡司浩平(34歳・神奈川=99期)になるわけだが、超強敵の脇本雄太(36歳・福井=94期)がいて、簡単ではない。

 S班は平原康多(42歳・埼玉=87期)と犬伏湧也(29歳・徳島=119期)の4人。郡司としては脇本、犬伏と自力でどう戦えるか、に注目が集まる。平原は目標があるケースが多くなるだろうし、現状は前でも位置取りからの仕掛けになる。

 郡司は川崎記念は5回優勝しており、6回目を目指す。南関ラインの力を借りて…という形は多いが、自力でも勝てるところを示すか。それくらい、自力でも強い。今年の充実ぶりがそれを示している。あの時の差、はどうなっているのか…。

逃げて不発にできるか、まくれるのか

脇本雄太は鳳凰の走り

 2020年8月の名古屋オールスターのドリームレースがある。郡司は単騎で、脇本も単騎だった。が、脇本が単騎でも打鐘から仕掛けたところ、郡司はそのまま後ろにいる流れになった。絶好の展開。

 しかし、鬼のようなスピードで脇本はそのまま逃げ切り、レース後の郡司は文字通り口を空けて完敗を認めるしかなかった。そこから5年。脇本は一定のハイレベルを維持することができており、ケガを抱えた体ながらも、戦っているステージは下げていない。郡司がどれだけ追いついているか。

 無論、番組上、郡司には前がいるケースが出てくると思うが、初日や決勝で脇本との自力勝負になった時、が大いに気になる。しかも、郡司が先行で脇本を倒せるか。中団からの先まくりがセオリーであっても、郡司のゴリゴリの攻めを見たいと思う。脇本が逃げれば終わり…の段階も変わっていない。まくれるのか、も見たい。

平原康多は一歩一歩か

平原康多が苦悩を吹き飛ばす

 平原は玉野記念(瀬戸の王子杯争奪戦)の落車の後、長期欠場となってしまった。呪われているかのように、何をやっても落車…。ノイローゼになるレベルだったと思う。

 ただ、少しでも時間を取ったことは今の平原には大事だったと思う。走れれば走る、を続けてきただけに、自ら休んだことでまた見えていなかったものも見えたはず。平原がもう一度切り開く新しい競輪の世界に期待しよう。

 犬伏は高知記念(よさこい賞争覇戦)初日の落車から、踏ん張り切った3日間が見事だった。精神的にもすでにS班としてが備わっていることを証明したと思う。このまま前進していって、今年中のGI優勝はノルマと言っていい。

中野慎詞とあの3兄弟

中野慎詞がぶっ飛ばす

 中野慎詞(25歳・岩手=121期)の出走も華やかで、桜花賞は彩りを増す。窪木一茂(35歳・福島=119期)も競輪での結果を今回は出したいところ。佐々木龍也(引退=57期)の息子たち、龍(34歳・神奈川=109期)、真也(30歳・神奈川=117期)、和紀(28歳・神奈川=117期)の3兄弟出場もすごいことだ。

 競輪選手にとって、『S級に上がれるか』は一つの壁。3兄弟全員がS級に上がり、今大会は大注目となる。まずは3人ともの一次予選突破を期待しよう。

 また、昨年12月“まさか”の3連勝でFIを制した中川誠一郎(45歳・熊本=85期)も脚は整っている。他人任せ、風任せ、になるかもしれないが、直線で飛んでくるシーンは十分ある。

中川誠一郎には笑顔が似合う


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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