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【競輪祭女子王座戦予想】ガールズグランプリ出場選手が決まる一戦! 出場権争いの状況は?

アプリ限定 2024/11/16 (土) 20:00 4

小倉競輪場で9月19〜21日に行われるガールズケイリンGI「競輪祭女子王座戦」。見どころや出場選手の近況を、デイリースポーツの松本直記者に解説いただきます。

2023年競輪祭女子王座戦 (撮影:北山宏一)

 第2回・競輪祭女子王座戦(GI)が11月19日に開幕。21日まで3日間の日程で開催される。優勝者には賞金540万円(副賞含む)とグランプリ出場権が付与される。決勝2着でも216万円(副賞含む)、3着でも128万円(副賞含む)と賞金は高額。12月29日に行われるガールズグランプリ2024(静岡)出場争いに大きな影響を与える大会だ。

ガールズグランプリ出場権争いの状況は?

 まずは今年のグランプリ出場権争いのおさらいをしておく。4月のオールガールズクラシック(久留米)を優勝した児玉碧衣、6月のパールカップ(岸和田)を優勝した石井貴子(千葉)は出場確定。賞金ランキング1位の坂口楓華、2位の尾崎睦も競輪祭女子王座戦を無事完走なら確定となる。

 残りの出場枠は3つ。競輪祭女子王座戦優勝者は無条件で1枠確定で、賞金での出場枠は残り2つとなる。

 賞金争いは接戦で、4位の尾方真生は今大会での無事故完走でほぼグランプリ当確となりそう。6位の石井寛子は決勝2着で出場権が決まるが、奥井迪、吉川美穂、小林莉子、山原さくら、久米詩の5人は決勝がマスト。賞金上位の選手の結果にもよるが、決勝2着か3着であればグランプリ出場の可能性が残っており、一戦一戦が非常に重要だ。

並外れたパワーで主役は譲らない! 佐藤水菜

佐藤水菜

 シリーズをリードするのは佐藤水菜。今年はパリ五輪が8月に開催されたため、ナショナルチームに所属する佐藤がグランプリに出場するには、パリ五輪のケイリンで金メダルを獲得するか、競輪祭女子王座戦を優勝するかの二択だった。

 パリ五輪のケイリンは13位タイという結果で終わり、競輪祭女子王座戦の優勝に全精力を注ぐ構えだ。10月の世界選手権(デンマーク)ではケイリンで日本人初の金メダルを獲得。帰国後は11月平塚で凱旋レースに参加。3連勝の完全優勝を達成と国内競輪での強さを改めて見せつけた。

 佐藤は小倉のドームバンクが大得意。競輪祭女子王座戦の前身、グランプリトライアルは18年準優勝、20年と22年が優勝。昨年の競輪祭女子王座戦も準優勝と好結果を残している。今年はここでの優勝だけがグランプリ出場の条件になっているので、全力で優勝を獲りにいくはずだ。

同じく世界で戦ってきた太田りゆが待ったをかける!

太田りゆ
 

 パリ五輪をもって自転車競技から引退した太田りゆも気合が入っている。9月の川崎から競輪選手一本に絞ってレースに臨むと、普通開催ではここまで12連勝で4開催連続完全優勝と波に乗っている。

 練習環境を整えて本格的に競輪に臨むのは来年からになるが、もちろんここで優勝してグランプリ初出場も視野に入れているはず。スピード&ダッシュで佐藤水菜に対抗する一番手となりそうだ。

初代女王が好相性の小倉で連覇狙う! 梅川風子

梅川風子 (撮影:北山宏一)

 この大会の初代女王・梅川風子は11月の小倉が大得意。グランプリトライアルは18年優勝、19年優勝、20年決勝3着、21年決勝5着、22年決勝4着。昨年のGI・競輪祭女子王座戦で優勝と相性抜群だ。

 今年はパリ五輪のリザーブメンバーを経て、11月の世界選手権に参加。そして長年在籍したナショナルチームからの引退を、自身が所属する楽天Kドリームスのコラムで発表した。

 直前の立川では3連勝の完全優勝。競輪一本に絞った後のレースでしっかり結果を残した。梅川にとっても、ここは優勝だけがグランプリ出場への道。ナショナルチームでは悔しい思いを重ねたが、これからは競輪選手として結果を残すだけ。競輪祭女子王座戦連覇へ向けて豪脚を発揮する。

地元の期待背に弾みをつける! 児玉碧衣

児玉碧衣 (撮影:北山宏一)

 児玉碧衣には地元の意地がある。ホームバンクは久留米だが、同じ福岡県内の小倉への愛着も強い。

 今年は前半戦のオールガールズクラシックで優勝。早々にグランプリ出場を決めモチベーションの維持が難しい期間もあったが、そろそろグランプリへ向けてエンジンの回転を上げていきたい。地元ファンの声援を背に競輪祭女子王座戦初優勝を目指す。

地元で再びビッグ制覇を! 尾方真生

尾方真生 (撮影:北山宏一)

 尾方真生も地元の代表だ。今年は7月のガールズケイリンフェスティバル(松戸)でビッグレース初優勝。普通開催でもしっかり優勝を積み重ねた。

 賞金ランキングは4位。4年連続のグランプリ出場にはだいぶ近づいているが、確実にするには今大会を優勝すること。決勝進出は最低ノルマだ。

賞金ツートップの坂口楓華、尾崎睦もGI制覇が待ち望まれる

(左から)坂口楓華、尾崎睦 (撮影:北山宏一)

 坂口楓華、尾崎睦の2人は賞金ランキングでのグランプリ出場はほぼ手中だが、GI優勝は喉から手が出るほどほしい勲章だろう。ナショナルチーム勢にはない自在性を発揮して、混戦レースに持ち込めばGIタイトル奪取も見えてくる。

復活のGI制覇でグランプリ復帰へ! 石井寛子

石井寛子 (撮影:北山宏一)

 石井寛子は昨年グランプリに出られなかった悔しさを今年のレースにぶつけている。夏場は成績が落ちてしまったが、涼しくなるに連れて気配上昇。10月別府から5場所連続優勝で賞金を一気に上積みした。

 しかし熾烈な賞金争いの中にあって安泰ではない。きっちり決勝進出を決めて、GI優勝でグランプリ復帰を果たしたい。

パールカップ準V! 2年グランプリめざす奥井迪

奥井迪 (撮影:北山宏一)

 今年前半戦で苦戦した奥井迪は、5月の京王閣で今年の初優勝を決めると、一気に白星量産態勢に入った。GIパールカップ準優勝で大きく賞金の上積みも果たし、2年ぶりのグランプリ出場へ競輪祭女子王座戦で結果を出したい。

決勝進出がノルマとなる4名

2023年グランプリ出場の吉川美穂(左)、久米詩 (撮影:北山宏一)

 賞金8位の吉川美穂、9位小林莉子、10位山原さくら、11位久米詩がグランプリ出場権を手にするためには、このGIでの決勝進出は最低条件。もちろん優勝なら無条件でグランプリに出場できるが、この大会をグランプリ出場権を持つ児玉碧衣か石井貴子(千葉)が優勝すれば若干チャンスが広がる。

 その場合でも賞金7位まで積み増す必要があり、自身が準優勝か決勝3着は欲しいところだ。とにかくまずは決勝に乗らないことには話が始まらない。勝ち上がり戦からシビアに走る。


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松本直

千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。

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