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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【よさこい賞争奪戦予想】3連勝中・初タイトルの地で佐藤慎太郎は勝利を掴むか/ヤマコウ展望

2021/08/01 (日) 12:00 4

 こんにちは。ヤマコウです。「高知競輪開設71周年記念よさこい賞争奪戦」も決勝を迎えました。

 メンバーとライン構成は以下の通り。

①佐藤慎太郎(78期・福島)
②眞杉匠(113期・栃木)ー⑦長島大介(96期・栃木)ー⑤河村雅章(92期・東京)ー⑧志村太賀(90期・山梨)
④中川誠一郎(85期・熊本)ー⑨坂本健太郎(86期・福岡)
③石原颯(117期・香川)ー⑥山中貴雄(90期・高知)

 ②眞杉と③石原の対決も興味がそそられますが、今回は単騎の①佐藤慎太郎に焦点を絞ってレースを考えたいと思います。

佐藤慎太郎(撮影:島尻譲)

 3連勝で決勝に勝ち上がった①慎太郎は高知競輪場で初タイトル(2003年全日本選抜競輪)の栄冠を手にして、GIIIも優勝しています。そんなゲンがいい競輪場で走る時は展開も有利に進むような気がしたのか、気持ちよく現地入りしていました。

 近況のいい流れを、しょっぱいレースをしてミソをつけたくないと思って、丁寧に挑むと思います。ましてや展開が命の追込み・マーク選手ならなおさらの事。

 ここで言う丁寧とは、一か八か後方に置かれて突っ込む雑な組立てではなく、先行するラインの後方から突っ込むレースか、先手の番手を取るといった中身があるレースです。

 実際、3連勝の内容も実力+運がある勝ち方でした。①慎太郎は先手のハコ(番手)を狙うでしょうか?

 私が慎太郎なら追い上げ勝負はしてもジカ競りはしません。どちらが先行するか判らないのに、目標を絞ることにリスクがあるからです。そうすると、3、4番手あたりを確保して突っ込むか追い上げて番手勝負しか選択肢はありません。

 もう1つ、単騎なので「後ろの選手にもチャンスがある走り」をする必要がありません。後ろに、今節参加の永沢剛(91期・青森)あたりが後ろに付けば番手勝負も考えるでしょうが、単騎なのでそんな責任感を持たずに走れます。

 それなら、①慎太郎は②眞杉と③石原の間でしょう。③石原はかまし、②眞杉は後攻めも苦にしないので…

S.③⑥、①、②⑦⑤⑧、④⑨

 この並びなら④誠一郎が動いて、②眞杉が先行態勢に入ります

         ←③⑥
H.②⑦⑤⑧、①、④⑨

 ③石原は、地元の⑥山中が後ろに付いているので①慎太郎が関東勢に追い上げると、四国勢を引き出してしまいます。

 ⑦長島の位置に競りに行くのはGIII決勝では考えられないかな…と思います。私が同じ立場でも、追い上げて長島の恨みを買うようなことはしません。ただ、最終バックを通過したら⑦長島の番手を奪うかな。

 いずれにしても、関東勢と四国勢はもがき合いになると思って①慎太郎はバックまで様子を伺うと思います。

   ③⑥ ④⑨
B.⑦⑤⑧ ①
    ②

 ②眞杉も強いので③石原も簡単に巻き返せないでしょう。番手有利に⑦長島が抜け出すのが本線。

7ー5=169

 このメンバーで①慎太郎が考えることは捌きの厳しい選手が⑥山中しかいないので「山中より前にいたらなんとかなる」だと思います。外に仕掛ける選手が多いので①慎太郎にもチャンスあると思います。

1ー4ー96
1ー4=7

 この開催が終わると地元いわき平競輪場でオールスターです。今の流れを大切にするためにも、佐藤慎太郎には慎重にレースを見極めてほしいですね。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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