2021/08/15 (日) 15:30 9
こんにちはヤマコウです。
東京オリンピックから中0日で参加した脇本雄太や新田祐大の「ドリームレース」を見たら今開催は大丈夫かな…と心配でしたが、きっちり立て直してきましたね。さすが! と思いました。
連日の雨でコンディションが悪い中、白熱した準決勝。やっぱりGIの勝ち上がりは、選手達の熱量が違いますね。決勝に進んだのは以下の選手です。
①新田祐大(90期・福島)ー⑤佐藤慎太郎(78期・福島)ー⑦守澤太志(96期・秋田)ー⑧成田和也(88期・福島)
②脇本雄太(94期・福井)ー④古性優作(100期・大阪)
③平原康多(87期・埼玉)
⑥中川誠一郎(85期・熊本)
⑨深谷知広(96期・静岡)
評価というのは、自分自身で決めるものではなく「他人が決める」もの。福島の開催で、福島のラインに入れることになった⑦守澤はさぞかし嬉しかったと思います。
そして、連日先行で勝ち上がってきた⑨深谷が単騎となりました。③平原はすぐに「単騎で」とコメントしましたが、最後まで悩んだのは⑥誠ちゃんでした。穏やかな誠ちゃんが険しい顔で番組を見ながら5分ほどジッと考えていました。
横から私が「ワンチャン優勝狙うなら深谷の後ろだぞ」とガヤりましたが、「んーーーーーーー」と考えていました。そして「単騎でやります。このメンバーなら自分の力がどれだけ通用するか感じたいし…」と。私は五輪なんて全く縁がなかった競輪選手だったので、誠ちゃんがそんなこと思っているとは全く思いつきませんでした。
これで、実質二分線となります。
前を取るのは①新田だと思います。1番車をもらって後ろ攻めするイメージが湧きません。単騎の選手がワンチャン狙って前を取るかもしれませんが、ここでは①新田前受けで考えます。
S.①⑤⑦⑧、②④、③、⑥、⑨
②脇本はどこから①新田を叩きに行くでしょう? 私は打鐘目掛けて、一気に主導権を取ると見ています。そこなら、新田が突っ張るかどうか迷う距離だからです。
③平原は近畿勢に追走して3番手。
打鐘 ②④、③ ⑨
①⑤⑦⑧、⑥
←⑨
H.②④ ③ ①⑤⑦⑧ ⑥
⑨深谷は「単騎で一発狙うレース」とコメントしているので②脇本の上をさらに叩いてワンチャン狙うでしょう。それでも脇本を超えるのは難しいと思います。
⑨
B.②④ ③ ①⑤⑦⑧ ⑥
一列棒状なら①新田はまくり追い込みで優勝を狙いに行くかもしれません。そして、長い直線を制するのは④古性です。
④ー②=③①⑤
①新田のまくり追い込みが決まると…
①ー②④ー②④③⑤
2車でも②脇本は先行で戦うと思うので、展開有利は②古性でしょう。彼は3年前のいわき平オールスター決勝で脇本から離れて苦渋の思いをしています。それ以降、脇本対策を常に考えて走っていました。
そのことが報われるかどうか試される時が来ました。
山口幸二
Yamaguchi Kouji
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。