2024/11/07 (木) 08:00 6
11月も半ばを迎え、晩秋の気配が濃くなってきたべ。気がつけば実りの秋をゆっくり味わう暇もなく、寒さがどんどん増してきて、鍋が恋しい季節だ。我が家では冷蔵庫にあるものを片っ端から使って「寄せ鍋」を作るのが定番なんだ。いわゆる「SDGs」? いや、もったいない精神で食べられそうなものを全部放り込む、いわば闇鍋ってやつさ。でもこれがなかなかイケるもんで、いろんなダシが出て旨いんだよな。〆の雑炊も最高で、気づけば「ヒデ肥える秋」ってわけだ。
さて、本題の泗水杯争奪戦。小倉競輪祭の前哨戦となるこの大会は賞金ランキングでグランプリ出場権を争う選手たちにとって重要な一戦だ。注目のS班は眞杉匠、新山響平に慎太郎さん、松浦悠士が参戦してくる。このメンバーに、寛仁親王牌ファイナリストの寺崎浩平、佐々木悠葵、小原太樹。さらに地元で燃える浅井康太や荒井崇博、守澤太志が加わり、激戦のシリーズになることは間違いない。
特に注目したいのは新山響平。青森記念では眞杉匠にやられてしまったが、今回はリベンジに燃えているだろう。ここで寺崎浩平や松浦悠士の一発が期待できるし、親王牌準決勝で佐々木が眞杉のマークから抜け出したシーンを再現するような展開があれば、佐々木の優勝も十分考えられる。直線の長いこのバンクでは、追い込み型の選手たちの縦脚がカギを握る。守澤太志、小原太樹、荒井崇博あたりが強襲してくる可能性もあるから見逃せない。
地元勢では柴崎淳、上田国広、坂口晃輔が人気の中心になりそうだが、その中でも上田の鋭い突っ込みに期待したい。ライン違いでの高配当を演出してくれそうだ。そして、オレのご近所さんの伊勢崎彰大も見逃せない。好調を維持し、1着を量産体勢になり心強い。アウェイ感はあるものの、目標次第では大外からの強襲シーンが期待でき、4日間を通して楽しませてくれるべ。
さらに石毛克幸も要注目だ。時折、前がもつれればまくりを見せることがあり、驚かされる。佐藤幸治もこの二人に並んで、まくり兼備の縦脚を駆使して強襲してくるかもしれない。要チェックだね。
妄想は10Rを取り上げてみる。まあ限りなく本線で決まりそうだが、一縷の望みを掛けてやってみる。まずは並びの整理から。地元の①谷口遼平-⑦柴崎淳に④愛敬博之で中部ラインを形成する。⑨鈴木陸来-③石毛克幸-⑤山本紳貴の南関ライン、関東ラインは⑥小池千啓-②石川雅望-⑧寺沼将彦の三分戦となっている。
初手は谷口がスタート決め前受けから。石毛がこの後を取り鈴木が中団。小池は後方から(⇐①⑦④・⑨③⑤・⑥②⑧)。勝負どころで小池が押さえ鈴木が叩いて先行争い。そこを谷口が仕掛けて柴崎とのゴール勝負。直線が長い分、柴崎やや有利に⑦=①、鈴木に乗り突っ込む石毛へ⑦-③までが本線。
さて妄想に取り掛かるとするべ。初手は谷口がスタートを決め前受け。そこを鈴木が切り、小池を逃がす展開を作れば⇐⑥②⑧・⑨③⑤・①⑦④となる! 地元記念は「何がなんでも勝ちたい」という選手心理が思い切り働いてしまうと、大事にいってしまいレースが小さくなっちまう。そうなれば鈴木が小池の逃げを捉え石毛が恵まれるってことなるべ。石毛から鈴木の残り③-⑨に山本まで突き抜けの③-⑤。そして小池から切り替える石川へ③-②を押さえ妄想〆にするべ。
おっと! そうそう、オレの冠レースで酒井拳蔵の動きが光ってたぞ! 今節初日では3Rに8番車で登場!しかも単騎ときたもんだ。相手は手強いが上手く絡めて狙えばおもしれ〜ぞ!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。