2024/11/01 (金) 08:00 2
防府競輪場は現役時代に何度か走ったけれど、あの頃はまさに「ザ・昭和」って感じだったよ。施設全体に漂う昭和の香りと、選手たちのギラギラした空気がぶつかり合って、まさに「これぞ競輪!」って雰囲気があったね。今振り返ると、あの独特の味わいが、選手たちの熱気と共に心に残っている。
引退後のコロナ前、ちょうどこの時期になると、同期の仲間を訪ねて旧交を温めに寄るのが恒例だった。正直、深い話をするわけでもなく、ただただ雑談に終始していた。平たく言えば、酒を飲みに行ってただけ、って話だね(笑)。それでも、あの当時の防府の街も「ザ・昭和」って雰囲気が強かったのをよく覚えてる。今もあのゆったりとした昭和の面影が残っているといいんだけどね。そんな街並みが、どこか居心地が良かったんだ。
さて、防府競輪場も時代の流れには逆らえず、老朽化した施設が建て替えられて、新しい充実した設備に生まれ変わったと聞いている。賑わいも戻ってきて、活気づいているって話だから、これは施行者さんたちのやる気が功を奏しているんだろうね。良いことだ。
そして、今回の大注目は何と言っても地元記念を前人未到の6連覇中の清水裕友だよ。気合いが入るのは当たり前だが、見えないプレッシャーはあるはず。それをはね除けもう一つ連覇を伸ばせるのか、それともその野望にストップをかける選手が現れるのか? 今年の記念開催は見逃せない!
S班からは深谷知広、山口拳矢が参戦してくるが、清水には太田海也、桑原大志、取鳥雄吾らの援軍が揃っている。これじゃあ、清水の連覇更新は十分に期待できるだろう。さらに、地元ファンの熱い声援が清水を後押しするだろうから、他地区からの参戦選手たちは強烈なアウェイ感を味わうはずだ。さあ、どうなるか?
妄想に取り上げてみる選手たちは小回りバンクを考慮し積極的な櫻井祐太郎に堀江省吾、藤田周磨をあげておく。それと佐藤一伸、川越勇星と渡邉雅也かね。展開に応じ自在に立ち回れる器用さがあり、うってつけじゃねーの。九州の宮崎大空と松本憲斗も気になる存在だよ。
“妄想枠”とは呼べないが、2班格付けの吉田拓矢だ。勝ち上がりで取りこぼすとは思えねえし、決勝戦へ駒を進めれば一暴れがありそう。それと番外編だが、ガールズルーキー企画の仲澤春香。強えよ。すでに大物感アリアリで次世代を背負っていけるのではと見ている。楽しみな逸材だよね。
妄想レースは5Rになる。並びは⑨大石崇晴-①東口善朋-④古賀勝大の近畿ライン、②月森亮輔-⑤黒田淳の岡山コンビ、③藤田周磨-⑧松永将で関東コンビ、これに⑥横内裕人-⑦三ツ石康洋の四国コンビで細切れ戦となっている。
初手は月森がスタートを決め前受けが濃厚。この後を大石が回り、枠なりで藤田、横内の順になる(⇐②⑤・⑨①④・③⑧・⑥⑦)。これだと横内が押さえ、大石が切り、その上を藤田が叩いて逃げる。月森に合わせ大石が仕掛けて東口とのゴール勝負①=⑨、月森が強襲①=②、月森が藤田ラインを取って先まくりで黒田の流れ込み②-⑤までが本線になる。
妄想は大石が前受けになったとき。月森が切りにいくが、大石がこれを突っ張り、両者で脚を削りあう。そこを横内が出れば藤田が叩きマイペース逃げに持ち込める。そうなれば松永との③-⑧。東口が突っ込み③=①の妄想になるべ。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。