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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

【オールスター競輪予想】大人気必至の近畿勢を「消し」勝負! 10レースで大波乱注意報発動

2024/08/18 (日) 08:50 6

GI開催特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」。帝王・山田裕仁が、開催前半〜中盤までの選手の調子をチェックし、展開から"買えるヨーロッパ(468)"を紹介。元選手ならではの視点から、狙い目の2レースをお届けします。▶山田裕仁の見解と買い目はこちら

ヨーロッパ(468)とは?
 競輪では各レースにおける「能力的にやや見劣る選手」「競走得点の低い選手」が、4番、6番、8番に入ることが多いことから、ひとくくりにしてこのように呼ばれています。とはいえ、展開やデキ次第では上位への食い込みが十分に可能。その場合には高配当も期待できます。そんなヨーロッパの中から、とくに好走&激走が期待できそうな選手と推奨理由について解説します。

【予想レース①】
平塚7R オールスター競輪(GI)S級優秀

①山口拳矢(117期=岐阜・28歳)
②内藤秀久(89期=神奈川・42歳)
③吉田拓矢(107期=茨城・29歳)
④佐々木悠葵(115期=群馬・29歳)
⑤犬伏湧也(119期=徳島・29歳)
⑥佐々木豪(109期=愛媛・28歳)
⑦成田和也(88期=福島・45歳)
⑧佐々木眞也(117期=神奈川・30歳)
⑨野田源一(81期=福岡・45歳)

【初手・並び予想】
←⑧②(南関東)①(単騎)④③⑦(混成)⑤⑥(四国)⑨(単騎)

【注目のヨーロッパ】
⑥佐々木豪

⑤犬伏湧が主導権を奪い⑥佐々木豪が差す!

 ここは、三分戦で単騎が2名というメンバー構成。もっとも逃げる可能性が高いのは、やはり四国ライン先頭の⑤犬伏湧だろう。しかし、最終日に好結果を残したい地元勢の⑧佐々木眞や、③吉田拓が番手についた④佐々木悠が積極策に出るケースも考えられる。また、単騎の①山口拳や⑨野田源も、立ち回り次第で一発がありそう。展開が非常に読みづらく、難解な一戦である。

 それだけに、オッズはかなり割れそうだ。④佐々木悠の番手を回る③吉田拓が人気の中心になると読むが、S級S班という“看板"があって単騎戦での強さに定評がある①山口拳も相応に売れるはずで、⑤犬伏湧と⑥佐々木豪の四国勢も自然と手が伸びるところ。他のラインは機動型が複数名いることや、デキの面での比較から、⑧佐々木眞と②内藤秀の地元コンビがいちばん人気薄となるか。

 確かに南関東勢は本線では狙いづらく、ライン戦は④佐々木悠と⑤犬伏湧との戦いになると予測。“数"で勝るのは④佐々木悠が先頭の混成ラインだが、その有利さを発揮させないためにも、⑤犬伏湧はきわめてアグレッシブに主導権を奪いにくるだろう。先行に強いこだわりを持つ選手ながら、このシリーズでは展開に合わせて柔軟に立ち回る走りをみせていた。しかし、最終日は「得意とするパターン」で勝負してきそうだ。

 とはいえ、この相手関係で楽逃げなど不可能で、序盤から厳しい展開となるはず。卓越したスピードを持つ⑤犬伏湧であっても逃げ切るのは難しく、番手の⑥佐々木豪に差される可能性のほうが格段に高い。ラインで決まるとしても⑤→⑥ではなく⑥→⑤の「差し目」のほうが狙い目で、⑥佐々木豪からのスジ違い決着も大アリ。単騎の⑨野田源が四国ラインの直後につけていた場合の⑥→⑨などは、いかにもありそうである。

 ⑥佐々木豪が1着で、捲ってきたラインの先頭が2着だと、⑥④③や⑥⑧②など「ヨーロッパ」がダブルで絡む可能性も。「⑥→⑤→全」をしっかりと買いつつ、「⑥→①④⑧⑨」から流すスジ違い3連単で、さらなる高配当も狙っていきたいところだ。さらに押さえるならば、超高配当決着となった場合をフォローできる「④⑧⑨→⑥」から流すフォーカスだろうか。いずれにせよ、ここで台風の目となりうるヨーロッパは⑥佐々木豪だ。

佐々木豪(撮影:北山宏一)

7Rのプロ予想を見る

【予想レース②】
平塚10R オールスター競輪(GI)S級特別優秀

①脇本雄太(94期=福井・35歳)
②北津留翼(90期=福岡・39歳)
③平原康多(87期=埼玉・42歳)
④松本貴治(111期=愛媛・30歳)
⑤荒井崇博(82期=長崎・46歳)
⑥柏野智典(88期=岡山・46歳)
⑦南修二(88期=大阪・42歳)
⑧三谷将太(92期=奈良・38歳)
⑨坂井洋(115期=栃木・29歳)

【初手・並び予想
←①⑦⑧(近畿)②⑤(九州)⑨③(関東)④⑥(中四国)

【注目のヨーロッパ】
④松本貴治
⑥柏野智典

大人気必至の近畿勢を「消し」勝負で中四国勢を狙う!

 このレースについては、「ヨーロッパ穴予想」ではない通常の予想も出している。こちらはいわば、高配当となったケースに特化した“裏"予想といったところだ。人気の中心は、当然ながら①脇本雄。決勝戦への勝ち上がりは残念ながら逃したが、負け戦では奮起して格の違いを見せつける…というのが、多くの人が思い描くシナリオだろう。しかし、そうすんなり事が運ぶだろうか?

 もちろん、①脇本雄が楽に主導権を奪えるような展開となった場合は、その圧倒的なスピードで押し切っての順当決着が濃厚。デキについてもとくに問題なく、負け戦ならば「勝って当然」ともいえる。しかし、このシリーズでの①脇本雄は、展開を読み違えるケースが目立っており、思い切りにも欠ける印象。決勝戦に勝ち上がれなかったのも、これが大きく影響したと考えている。

 それに、他のラインも①脇本雄の逃げを黙って見てはいない。それを阻む急先鋒となるのが、⑤荒井崇が番手についた②北津留だ。②北津留は5日目の特選で、九州勢を引き連れて逃げの手に出て、後続を見事に完封。ラインでの上位独占を決めている。その再現を狙うべく積極的に逃げる手に出ても、なんの不思議もない。また、好気配の⑨坂井洋も、①脇本雄をできるだけ後方に置こうと画策するはずだ。

 後方に置かれた①脇本雄が捲り不発に終われば、その時点で高配当の期待度は飛躍的に上昇。この展開において「特注」となるのが、④松本貴が先頭の中四国勢である。デキのよさは文句なしで、自在な立ち回りで前を捌ききる競輪ができるのも大きな魅力。その番手を回る⑥柏野智も、かなりの好調モードだ。主導権を奪った九州勢や関東勢の直後につけられればしめたもので、このカタチならば高確率で上位に食い込める。

 勝負どころを前から「②⑤④⑥」という隊列で通過した場合は②=⑤→④や④=⑤→②⑥、「⑨③④⑥」という隊列であれば、③=⑨→④、③=④→⑥⑨あたりが本線に。中四国勢がワンツーを決めた場合の④=⑥から流す3連単も、かなり美味しい配当となることだろう。そのわりに点数が少ないので、リスクよりもリターンのほうが確実に大きい。オッズ次第では、2車単の④=③⑤⑥に厚く張ってみるのも面白いはずだ。

松本貴治(写真提供:チャリ・ロト)

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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

山田裕仁

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。

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