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鈴木誠のハイブリッド展望

【高松宮記念杯競輪予想】決勝は北日本ラインと広島ラインの対決に! 先行するのはどちらのラインか?/鈴木誠の展望

2021/06/20 (日) 12:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は岸和田競輪場で開催されている高松宮記念杯競輪の決勝レース展望です。

決勝では唯一の地元選手となった、稲川選手の走りにも注目!

【高松宮記念杯競輪】は岸和田バンクが全面改修されてから、最初の記念競輪となります。

 競輪場全体が綺麗になったと思いますし、バンクも走りやすいのか、好タイムも出ています。捲り選手の活躍が目立つのは回収前と違った傾向と言えますが、その一方で雨の日は特に滑ると聞いてますし、2日目、3日目と落車が多かったのも、その辺に原因があったのかもしれません。

 決勝の並びは小松崎選手-佐藤選手-守澤

選手の北日本ラインが唯一の3車となりました。2車のラインが松浦選手-清水選手の広島ラインと、吉田選手-宿口選手の関東ライン。稲川選手と山崎選手は単騎を選択しています。

 準決勝も落車がありましたが、その中でもS級S班の選手たちが確実に決勝へ進んできたのはさすがだと思います。その中でも上手さが際立っていたのが12レースに出走していた佐藤選手です。その準決勝では深谷選手の番手を回ってきた松谷選手をどかして、小松崎選手を深谷選手の後ろに入れると、ゴール前では鋭く伸びて1着。上手さだけでなく、強さも証明してくれました。

 あとは11レースで1着となった清水選手も、上手さと強さを両立したようなレースを見せてくれました。先行体制を取ったかと思えば、その後ろから一気に上がっていった、山崎選手の仕掛けを待っての飛びつきは見事でした。

 その清水選手の前を走る松浦選手も、準決勝の9レースでは稲川選手にあれだけブロックされながら、2着に来たる当たりはさすがですし、その稲川選手も地元の意地を見せるかのようなレースだったと思います。

 決勝は単騎の山崎選手も含めて、自力型が4人となりましたが、単騎では山崎選手の力は発揮できなくなりますし、吉田選手も展開を見てからの捲りと見ています。そうなると、先行するのは小松崎選手か松浦選手しかいなくなるのでしょう。

 スタートをして飛び出すのは松浦選手だと見ています。単騎の稲川選手は広島ラインの後ろに入っているはず。中団が北日本ラインで、その後ろにいる吉田選手は、タイミングを見ながら小松崎選手のことを抑えにかかるはずです。

 それを見て、小松崎選手が一気に発進していくと見ていますが、そこで松浦選手が黙っているわけがありません。既に【日本選手権競輪】を勝利している松浦選手だけに、この【高松宮記念杯競輪】では、後ろを走る清水選手に勝たせたいとの思いも強いはず。なので、強引に小松崎選手を叩いてまでしても、前に出ると見ています。

 そこで広島ラインの2人に稲川選手が付いて行けるようだと、チャンスが広がってきます。清水選手が番手まくりをする展開になるようだと、勝ちきる可能性も充分に出てくるでしょう。

 北日本ラインですが、初日の東日本特別選抜予選ではラインの先頭を走る新山選手の後ろに守澤選手、そして佐藤選手の並びだったのに対して、この決勝では番手と3番手が入れ替わりました。佐藤選手からすると、初日は守澤選手に番手を回していましたし、小松崎選手が同じ福島所属であることからも、番手を回るのが筋なのではと思います。しかも準決勝の走りを見せられたのならば、守澤選手も納得といったところでしょう。

 その北日本ラインが勝つには、やはり小松崎選手次第となりそうです。松浦選手が叩いていったときに下げるのではなく、清水選手の後ろで粘りながら、早めに巻き返しを図れるならば、調子の良さからしても勝ちきる可能性が出てくるはず。また、その後ろを走る佐藤選手も優勝に近づくことになります。

 今日は天気もいいみたいですし、決勝でも高速バンクで選手のスピードが更に際立つような、レベルの高い戦いが期待できそうです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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