ここを勝って初GIII制覇を目指す選手の走りにも注目！

　自力型が多く勝ち上がってきた【トラック支援】の決勝ですが、やはり注目すべきは、町田選手と菊池選手との117期の対決でしょう。菊地選手は117期の中でも寺崎(浩平)選手と同じ早期卒業組。その後、寺崎選手がすんなりS級まで上がっていったのとは対照的に、菊地選手はS級に昇格するまでは時間を要することになりました。

　それどころか同期の町田選手、そして山口(拳矢)選手の方が、デビュー時期は遅いながらも、順調にS級まで進んだどころか、今や記念競輪でも注目される存在となっただけに、本人としても忸怩たる思いもあったはずです。

　タイム的には菊地選手は同期の中でも上位だと思いますが、レースに行って壁に当たっているようにも見えます。それだけにこの決勝は競輪選手として、またとないアピールの機会になると思いますし、このレースをきっかけとして一皮向けた活躍を期待したいです。

　並びですが、その菊地選手の後には-金子選手-相川選手が並んで関東ラインを形成。町田選手の後ろには、同じ広島に所属する吉永選手。坂本選手と齋藤選手が北日本ラインで並び、準決勝では吉永選手と中四国ラインで並んでいた久米選手の後ろには、愛知の近藤選手が付けることになりました。

　この並びでやはり注目なのが、菊池選手だと思います。もし、決勝に菊池選手が上がってこなかったのならば、町田選手の独壇場だと見ていましたし、久米選手も決勝では自力ではなく、中四国ラインを形成していたのではとも思います。どの選手も決勝では、町田選手と菊池選手がやりあうと見ているはず。そうなると別線を選択した久米選手、そして坂本選手のラインも、展開次第ではチャンスが出てくると思います。

　早めに先手を取りに行くのは、菊池選手だと思います。そこで町田選手がもがき合いにいくのかも見どころですが、その展開となった時に優勝に近づくのは、菊池選手の番手を回っている金子選手だと見ています。

　金子選手は初日の一次予選で町田選手とレースをしています。先行した町田選手を後方から捲っていきながら、3着に届いたレース内容を見て、調子が良さそうだなと思いましたが、その後の二次予選、準決勝と共に、先行有利のバンクにもかかわらず、捲って連勝を果たしています。

　菊池選手が早めに先行してくれるのならば、金子選手にとっては、番手捲りをしていくのに願ってもない展開となりそうです。その後ろにいる相川選手だけでなく、先行勢の後ろからインを突いてきそうな齋藤選手、そして、近藤選手も車券的に注目したくなります。

　町田選手は準決勝でこそ先行しましたが、坂本選手に飛びつかれると、ゴール前で交わされたどころか、その後ろにいた齋藤選手にも抜かれています。出来は悪くないとも思いますが、菊池選手と争うことでどこまで脚が残っているかだと思います。

　この大会は【高松宮記念杯競輪】に出場する選手は出ていませんし、同日には同じGIIIの【大阪・関西万博協賛競輪】も行われています。メンバー的にも能力が拮抗している選手が、福井と松山で分かれた感もありますし、【トラック支援】でも、決勝まで誰が勝ち上がってもおかしくなかったことが、ここまでの万車券の多さにも証明されています。

　決勝は町田選手や菊池選手のように、ここを勝てば初GIII制覇となる選手もいます。その勲章を目指すべく、白熱したレースが期待できそうです。

レース情報はこちら