2021/06/20 (日) 12:00 3
岸和田競輪場で開催されている「高松宮記念杯競輪(GI)」の決勝レース展望をお届け! 決勝は本日16時35分発走予定。
高松宮記念杯は東西対抗戦が特徴の大会で、悲喜こもごものドラマがある。日ごろは同地区で連係するが、勝ち上がりで『お互い勝つチャンスを』と別線を選択する地区や『それでもお世話になってるから』と4、5番手を我慢し回る地区の選手もいる。
強いモノ同士が結束すれば本命党には喜ばしい結果だ。東北の結束に近畿の結束は『ザ・競輪』。南関はそれぞれ勝つチャンスをと別線。結束と絆の栃茨ラインが二次予選で大本命の郡司浩平を破った。点の競走もときにはあるが、GIレースで勝つことの難しさはわかってるはずなのに…! せっかく南関には流れが向いてきた矢先なのに…! 誰か、誰か南関をまとめてくれ〜!
準決勝10Rの興味は新山響平と黒沢征治が青龍賞の再戦というところ。はたして同じレースをしてくるのか? 青龍賞で突っ張られた黒沢が強引に新山を叩き主導権をとった。 これぞ先行選手の意地だよね! この展開を生かし宿口陽一が守澤太志の強襲をこらえた。黒沢は「やるだけやった!」という満足感があったのでは。今後もこの二人のリベンジマッチが見られると思うとザワザワ、ワクワク…心がざわつく!
11Rはスローになり、清水裕友が逃げた。これを山崎賢人が8番手でドッカリかまえて打鐘2センターからかます。ダッシュ、スピードはケタ違い! マークする山田庸平が離れちまい清水が追う。ゴール前で清水がとらえたが、山崎のこの走りは決して侮れず…!
さて、決勝メンバーも出揃って「波乱があるかも!」と思っている!
単騎は①稲川翔と④山崎賢人、北日本は⑥小松崎大地-③佐藤慎太郎-⑨守澤太志、中国ハイブリッド・ゴールデンコンビの②松浦悠士-⑦清水裕友、⑤吉田拓矢-⑧宿口陽一の関東タッグという並びだ。
初手は山崎、松浦-清水、稲川と続き、小松崎-佐藤-守澤、吉田-宿口と見据える(⇐④・②⑦・①・⑥③⑨・⑤⑧)。小松崎が出て、これを松浦がかます。番手の清水が展開を生かしてV。通常のシナリオはこれなんだ。
松浦が不発でも清水なら自力に転じて勝機を掴める。このときに単騎の稲川が真後ろに続き、逆転はあるぞ! だから⑦=①が大本線だよ! ここに慎太郎さんを絡めればOK! 強いモノ同士が結束すればこうなるんだ。ただ、これじゃあ「当たり前田のクラッカー(昭和のギャグ)」でつまらん…!
こっからが本題だ! 妄想先取りレース実況の本領発揮だべ!
このバンクは9番手でも脚があれば届く。このことは今シリーズで初日から実証されている! 現に原田研太郎が突き抜けたぞ! 吉田拓矢もそのパターンで大穴を出してる。もしも、小松崎と松浦で真っ向勝負なら、山崎の一発か吉田だよ。単騎の山崎に吉田が回る。となれば④=⑤を折り返し、④⑤⑧のボックスを押せるか。そこもあるが、妄想車券を手堅く行くなら『④山崎賢人-全-全』と万全体制でどうだんべ!?
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。