閉じる
鈴木誠のハイブリッド展望

【オランダ王国友好杯予想】GIII初優勝を目指す山口拳矢を包囲するのは歴戦の自力型! 松浦悠士は5場所連続優勝を狙う!/鈴木誠の展望

2021/06/08 (火) 12:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は別府競輪場で開催されているオランダ王国友好杯の決勝レース展望です。

好調な郡司浩平の後ろを回るのは、同じS級S班の守澤太志

【オランダ王国友好杯】が行われる別府競輪場のバンクは傾斜が無いので、コーナーは膨らみやすいですが、400バンクということで直線も長く、捲りも決まりやすいバンクです。

 また、海の近くということで風の影響も受けやすいのですが、そんなことはお構いなしと言わんばかりに、スピードに乗った走りを見せているのが山口選手です。

 決勝の並びはその山口選手の後ろに、初日から3連勝と、こちらも調子の良さが目立つ村上選手が付けました。決勝に勝ち上がった北日本の2人ですが、郡司選手の後ろには守澤選手、5場所連続優勝がかかる松浦選手の後ろは大槻選手と、2人が分かれて走ることになりました。そして九州ラインは北津留選手-園田選手-中本選手で、決勝では唯一の3車となります。

 やはり注目は山口選手です。準決勝の12レースでは、逃げ残って2着となったレース内容は強いの一言でした。同じレースを走っていた松浦選手も早めに踏んでいきながら、捲り切れなかったところを見ると、山口選手の状態はかなり良さそうに見えます。村上選手が山口選手の後ろに付けたのも、やはり、準決勝の走りを見て、後ろに付けざるを得なかったのではないかと思います。

 他の準決勝では、11レースで2着となった北津留選手も状態の良さが目を引きました。先行して1週半以上も逃げながら、上がりタイムが11秒1というのは凄いと思いますし、それを10秒7で捲った郡司選手も、さすがS級S班の選手だと唸らされます。

 そうなると、自力型で誰が先行するかですが、山口選手は先行してもいいという気持ちはありながらも、得意としているのは捲りですし、何よりも他の自力型の選手たちが、そう簡単に先行させないと思っているはずです。

 スタートの位置取りは枠番的にも松浦選手が行くと見ています。その後は枠通りに北津留選手、郡司選手と自力型がラインを牽引し、山口選手は8番手からのレースとなりそうです。

 その展開となった時に、後方から上がってきた山口選手は抑えて先行体勢に入るはず。山口選手の仕掛けを見た郡司選手はインを切るか、もしくは叩きに来るはずです。そうなった時に一気に仕掛けていきそうなのが北津留選手ではないのでしょうか。

 北津留選手は3車という強みもありますし、別府バンクの特徴を生かした走りができるのならば、そのまま押し切れるチャンスも出てくるはず。ただ、それを捲ってきそうなのが、北九州ラインの後ろを取れそうな郡司選手だと思います。

 もし、山口選手が抑え先行に入った時でも、インを切って3番手に入れそうですし、実力だけでなく、展開的にもかなり有利なレース運びができそうです。人気になりそうな松浦選手ですが、先行争いには加わらず、自力型がやりあうようなら、捲れるタイミングで仕掛けていくのではと見ています。

 山口選手が優勝を狙えるとするなら、中団をキープしての捲り追い込みがはまった時。勢いは間違いなくありますし、度胸もあるので、このメンバーでも力を発揮してくれることを期待しています。

レース情報はこちら

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

閉じる

鈴木誠コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票