実績では断然上位の平原は、混戦となった時に自力の違いを証明する！

　2011年に始まったミッドナイト競輪は、今やFI開催も行われるようになっただけでなく、この【WTミッドナイトG3】が初めてのグレードレースとなりました。

　自分の現役時は、他の選手の欠場以外で7車立てのレースを走ったことはありません。ただ、ミッドナイト競輪が始まった当初に、小倉競輪場で行われた二日制の大会に参加したことがあります。

　それまでにナイター開催は何度も走っていましたが、ミッドナイト競輪ともなると、最終レースの発走がそれよりも遥かに遅い、23時半からとなってしまいます。

　普段の生活サイクルに合わせて行動していたのならば、調整も難しくなるどころか、体内時計も狂ってしまうので、その時は前検日に夜更かしするようにしました。ただ、次の日からは時差ボケのようになり、身体を慣らすのが大変だと感じました。

　この【WTミッドナイトG3】でミッドナイト競輪初参戦となったのが平原選手です。9車立ての競輪では、格上の実績を残している平原選手ですが、7車立ての競輪では勝手が違うのか、思ったような結果を残せていません。

　今回はそこにミッドナイト競輪での調整も必要となったからなのか、ここまでの二日間では勝利を挙げられていません。その平原選手とは対照的に、7車立て向きと言えるスピードを生かす走りを見せているのが、若手の先行選手たちです。

　2日目に行われた準決勝9レースでも、真鍋選手と山口選手の121期の同期対決に、123期の梶原選手が加わってきたことで、見ごたえのあるレースが繰り広げられていました。

　決勝にも連日バックを取っている121期の後藤選手の名前があるだけに、どんなレースを見せてくれるのか楽しみです。

　決勝の並びは中四国ラインが⑥久田選手-②松本選手-④隅田選手。九州ラインが③後藤選手-⑤岩谷選手-⑦阪本選手。①平原選手は単騎となりました。

　7車立ての二分戦となりましたが、こうなると、前受けをしたラインが突っ張り先行となります。点数順に車番が決まるミッドナイト競輪ということもあり、2番車に松本選手がいる中四国ラインがスタートを取りそうです。

　中四国ラインの後ろに平原選手が入り、その後ろにいる九州ラインが抑えに行くレースとなりますが、久田選手と後藤選手との比較では、初日の特選に出走していた、後藤選手の方が能力では上です。

　そこで後藤選手が捲り切れたのならば、番手を回っている岩谷選手。逆に久田選手が突っ張り切れたのならば、自力のある松本選手に勝機が出てきます。そして、混戦になった時に突っ込んできそうなのが平原選手となってきます。

　ただ、後藤選手も岩谷選手もスタートが早いので、九州ラインが前受けをしてくる可能性もあります。その展開となれば後藤選手が突っ張り切れる可能性が高いので、番手の岩谷選手が更に有利となります。

　印としては◎松本選手、〇平原選手、▲岩谷選手、△阪本選手としておきますが、予想としては、松本選手と岩谷選手が番手から抜け出してくる2つのパターンで考えてみました。

　後藤選手や久田選手は、これから7車立ての競輪だけでなく、記念競輪でも活躍していく選手だと思いますが、その時に改めて、スプリント能力の高さだけでは勝てないという事実を知ることにもなります。

　それは9車立てならではの駆け引きや、揉まれて抜け出せないといった、7車立てとはまた違った難しさも出てくるからです。

　それを克服した向こうには、記念競輪での優勝や、特別競輪での活躍も見えてきます。今回はミッドナイトG3でもありますし、普段よりも多くのファンが見ている中で、持ち前のスピードを生かすようなレースを期待しています。

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