史上初のミッドGIII

　佐世保競輪場で7月16〜18日に「WTミッドナイトG3」が開催される。オートレースではミッドナイトGIIがあるが、ミッドナイトGIIIは史上初。競輪界の大きな挑戦だ。さて、斡旋メンバーはどうなるだろう…ということが気になる所だったが、平原康多(41歳・埼玉＝87期)が斡旋された。

　日程的に松戸サマーナイトフェスティバル(GII)に出場する選手は出られないので、出場権がないビッグネームとして最高の選出だ。平原としては、未知の世界。しかし、平原が武器にしているのは、常に課題を克服していく姿勢だ。『試行錯誤の鬼』と言える。高松宮記念杯競輪(GI)最終日の落車も軽傷だったので、このシリーズを楽しみに出場する。

　関東勢に目標とする選手も多くいるので、準決、決勝といいリズムを作ってミッドナイトGIII初代覇者となるだろう。現在の競輪界は、多くの選択肢をファンに与えられれば、というのが狙いなので、普通開催が主流だった時間帯でも、いろんな試行錯誤を行っている。つまり、平原の思考にピッタリの開催なのである。

しかし、波乱を待つことも…

　平原の優勝、という分かりやすいシナリオが進むのか…はさておき、そうも言っていられない事情が我々(投票する側)には潜んでいる。ミッドナイト競輪は1日の終わりに直結している。その日、最後の勝負になることが多い。

　1日やられっぱなしだったら、「平原で勝負してちゃ、どうにもならん！」という人も存在する。どうにかこうにか好配当を…という時に、ちょっとだけ勧めたいのが、平原の前の選手の押し切り車券だ。

　特に注目しているのは山口多聞(22歳・埼玉＝121期)で、この男はまだ底を見せていない。初日を勝ち上がれば準決で平原と一緒の可能性もあり、その時に押し切りを…。山口多聞はその名の通り海軍中将から、命名されたもの。佐世保ドックが傍にある佐世保競輪場で、その血が騒ぐ…はず。と書きはするが、平原の差し目も押さえてください。

九州勢は46cmの主砲候補2人に期待

　後藤大輝(23歳・福岡＝121期)と梶原海斗(24歳・福岡＝123期)の2人は九州の将来を背負う逸材だ。顔つきのように優しい感じだが、早く鬼になって逃げ切り連発で上位に食い込んでほしい。

　同乗する機会があれば、の期待もかかる。これから先、ゴールデンコンビとなりうるのか。ただ個人で先行で魅了するだけでなく、ラインの仲間と相まってドラマを作っていけるかは競輪選手として大きな比重を占める。

　ダイキとカイトは、やってくれると信じている。その一歩を、ミッドナイトGIIIで華やかに見せてくれ！

ガールズは地元優勝を目指すあの選手が

　ガールズケイリンは普通開催で組み込まれている。奥井迪(40歳・東京＝106期)が断トツの存在だが、地元でどうしても優勝したい…と燃える選手がいる。山口伊吹(24歳・長崎＝116期)は通算8度の優勝があるものの、地元佐世保で優勝できていない。

　ミッドナイトでファンがいない時ではあるが、注目のシリーズで勝つことが求められている。誰よりも長く佐世保バンクで汗を流してきた。

　GIで活躍するため、結果を残すため、に頑張っているが今は出場できるかどうか、で苦しんでいる。飛び上がるためには、今回優勝するしかない。突き抜ける夜空に、ガッツポーズを繰り出せ！

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