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前田睦生の感情移入

【不死鳥杯】脇本雄太の蘇るデスノート、敵に回したくない男

2024/07/19 (金) 12:00 44

脇本雄太はやはり怖いヤツ

ワッキーは気持ちで走るタイプ

 福井競輪場で7月20〜23日に令和6年能登半島地震復興支援競輪、大阪・関西万博協賛「開設74周年記念 不死鳥杯(GIII)」が開催される。脇本雄太(35歳・福井=94期)が心で戦うシリーズだ。

 今年の前半は3月取手ウィナーズカップのGII優勝はあったものの、苦しいばかりだった。だが例年、6月岸和田の高松宮記念杯(GI)、7月地元の福井記念(GIII)の近畿地区の戦いに向けて、気持ちを高ぶらせている。

 その両大会の合間にあった松戸サマーナイトフェスティバル(GII)で、“これがワッキーだ”を見せつけた。決勝は神奈川3人が注目を集め、ワッキーも北井佑季(34歳・神奈川=119期)に目線を向けていた。簡単にはさせないよ、と。

ワッキーのデスノート

古性優作は恐ろしくすごいヤツ

 北井がGⅠ優勝を果たしたことで、南関の勢いはより壮絶になってくる。それを見据えたワッキーは、北井を、南関勢を標的として、決勝は古性優作(33歳・大阪=100期)と濃密に結合した走りで粉砕した。

 結果的に眞杉匠(25歳・栃木=113期)が優勝したわけだが、『やはりワッキーを相手に楽な戦いはない』と知らしめた意義は大きい。加えて、これは言うまでもないことだろうが、その後ろにいる古性の働きぶりは天下無双。2人の走りは「南関の時代にはさせないよ」というメッセージが込められていたと思う。

 かつてワッキーは先行できなかった時、相手だった先行選手に対し、はっきりと敵視し、キバをむいてきた。今は立場も変わっているが、より大きなスケールでデスノートを所持している。

 どうにもこうにも、この人は敵に回したくない。

眞杉匠と新山響平も

眞杉匠は結構ヤバいヤツ

 今回のS班は脇本と眞杉匠(25歳・栃木=113期)、新山響平(30歳・青森=107期)の3人。眞杉と新山の2人も、脇本に挑戦し続けて今の地位にたどり着いた。脇本にあしらわれてきた時間もあった。だが、それを乗り越えてきた。

 眞杉もサマーナイトフェスティバルの優勝も衝撃的で、古性の猛烈なブロックを乗り越える力と技術はすさまじかった。超一流の証。今年初めの練習中に落車して鎖骨を折ったアクシデントを乗り越え、ケガをする前より強くなっている。

 新山は高いところにずっといるものの、覇者としての高みにたどり着けていない。脇本と眞杉を倒すことは、もう一度、頂点への意思表示。結果を求めたい一戦になる。

新山響平はとにかく逃げるヤツ


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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